脂質異常症

2008年12月「GLOBAL」第61号収録

血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が多い、あるいはHDLコレステロールが少ないのが「脂質異常症」。そもそも体内の脂質であるコレステロールや中性脂肪とはどのようなものなのでしょうか。体内の脂質と健康の関係を探ってみました。

1,400万人に脂質異常症の疑い

●図表1 日本人の脂質異常症が疑われる人の年代別割合
図表
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日本人の死因は、1位がん、2位心臓病、3位脳卒中。このうち心臓病と脳卒中の原因は、ほとんどが動脈硬化です。そして動脈硬化の危険因子のひとつにあげられるのが、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が異常値を示す脂質異常症です。脂質異常症は、それ自体は症状のない病気ですが、肥満、高血糖、高血圧とお互い影響し合って、その後ろに待ち構えている動脈硬化と深く関係し、心筋梗塞や脳梗塞といった怖い病気を招く恐れがあります。

厚生労働省が発表した「平成18年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、脂質異常症が疑われる人は約1,410万人と推計されています。20歳以上の日本人では、13.6%に脂質異常症の疑いがあることになります。国民健康・栄養調査の数字は、善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロールが40mg/dL未満」、もしくは「コレステロールを下げる薬を服用している人」の数で、このうち「コレステロールを下げる薬を服用していた人」は調査総数の10.5%。日本人全体では約940万人が脂質異常症の治療薬を飲んでいることになります。

脂質異常症は、男性では成人で現れはじめ、50代以降多くな りますが、女性の場合は50代になるまではごくわずかで、 それ以後、急激に増えて男性よりも多くなります(図表1)。

LDLコレステロールとHDLコレステロール

「LDLコレステロール」は「総コレステロール」-「HDLコレステロール」-1/5「中性脂肪(トリグリセライド)」(ただし中性脂肪<400mg/dL)

肝臓で作られたコレステロールを身体の各組織に運ぶのがLDL(低比重リポたんぱく)で、これに乗っているコレステロールがLDLコレステロールです。また、各組織で古くなったり余ったコレステロールを肝臓に送り返すのがHDL(高比重リポたんぱく)で、これに積まれたコレステロールがHDLコレステロールです。LDLコレステロールが多すぎると、あるいはHDLコレステロールが少ないと、血液中にコレステロールがだぶついてしまうことになります。最近の研究では、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比が、動脈硬化性疾患を予防する指標になると考えられています。

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