腎臓

2010年03月「GLOBAL」第65号収録

大の大人が足を抱えてうめく痛風の背景には、高尿酸血症が隠れています。放置すれば腎障害を起こし、心筋梗塞、脳卒中などの大血管症のリスクも高ります。まさに、立派なメタボリック症候群ですが、発症のピークは今や30代。早めの生活習慣改善が必要です。

尿をつくるだけじゃない! 腎臓は働き者

私たちは食べ物を身体に取り入れ、それをエネルギー源として生命を維持しています。そのとき体内では、使われた栄養素の残りかすや、新陳代謝によって老廃物が生じています。血液をろ過して、人体に不要なこの残りかすや老廃物を、尿として体外に排出する働きをしているのが腎臓です。

腎臓は腰の少し上の背中側に背骨を挟んで左右に1個ずつある、大人のこぶし大の大きさで、ソラマメによく似た形の臓器です。1つの腎臓の中には、ネフロンと呼ばれる組織が約100万個ぎっしりと詰まっています。このネフロンの糸球体と呼ばれるところが、全身をめぐる血液をこすフィルターの役割をしています。糸球体は毛糸が丸まったような形をした毛細血管のかたまりで、腎動脈を通って送られてきた血液中の不要なものがここでこし取られ、きれいになった血液は腎静脈を経て心臓へ戻っていきます。

●図表1 腎臓の構造としくみ
図表
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血液から取り除かれた余分な水分や老廃物などは、尿のもと(原尿)として尿細管へ送られ、尿細管では原尿中に含まれる身体に必要な物質が再吸収され、残った尿は尿管を通って膀胱にたまります(図表1)。

1日につくられる原尿は150リットルにもなりますが、その99%は再吸収され、残り1%の約1.5リットルが尿として体外に排出されます。

尿細管では再吸収される水分とナトリウム、カリウム、リンなどの電解質の量を調節し、体内の水分や電解質が一定に保たれるようにバランスをとったり、水素イオンの量を調整して体内のpHを一定に保つ働きをしています。

腎臓はこのように血液中の老廃物をこし出し尿をつくるだけでなく、身体の恒常性を保つ役割をしていて、各種のホルモン分泌にも関係しています。腎臓に流れてくる血液を一定に保つため、腎臓は血管を収縮させて血圧を上昇させる働きのある物質(レニン、アンジオテンシン)や、血管を拡張させて血圧を下げる働きをする物質(プロスタグランジン、腎カリクレインなど)を分泌しています。腎臓は赤血球の生成を促すホルモン(エリスロポエチン)を分泌したり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの活性化にも関わり、骨の強化や血液中のカルシウム濃度の調整にも関係しています。

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