2007年03月「GLOBAL」第56号収録
欧米諸国の健康志向の高まりや、中国などの開発途上国の所得増による食習慣の変化によって、世界的に魚の消費量が増えています。一方、2006年11月、マグロの乱獲が深刻だとして、資源管理機関の大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)で漁獲量削減が決議され話題となりました。資源管理型の漁業のあり方が問われてきている今、日本が行っている水産資源の管理とはどのようなものなのかを紹介します。
活発化するマグロの資源管理
| ■図表1 マグロの資源管理を行う国際機関と地域 |
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| ■図表2 マグロの漁獲量 |
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2007年1月、マグロの資源管理に関する会合が立て続けに日本で行われました。
1月22~26日、神戸で行われた「マグロ類地域漁業管理機関合同会合」は、世界に5つあるマグロ類の資源管理を行う国際機関(図表1)が初めて合同会合を開いたものです。5つの国際機関は世界の海域ごとにマグロの資源管理を行っていますが、漁獲規制は管轄の海域にしか及ばないため、規制の緩やかな海域があると違法操業の温床になるなど、問題点が指摘されています。乱獲などで減っているマグロの漁業規制には、世界の各機関が協調して取り組む必要があると、日本の水産庁が呼びかけ、今回の開催となりました。
マグロの需要は世界的に増加中で、2004年の漁獲量は200万トンを超え、20年間で約2倍になっています(図表2)。会合では、資源回復の観点からも、日本はこれ以上漁獲能力を拡大しない方向で提案を行いましたが、発展途上国は自国発展のために漁業参入を訴え、漁船数を増やす意向を主張するなど、利害の対立もありました。最終的には「途上国の漁業発展を認めつつ、資源維持が必要な場合は漁獲能力の削減を含めたコントロールを行う」ことで決着しました。
また、2007年1月29~31日には東京で、大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)の中間会合が行われ、東大西洋と地中海産のクロマグロについて、2007~2010年の国別漁獲枠を決める会合が開かれました。
すでに、2006年11月、今後4年間で現行の総漁獲枠3万2,000トンを段階的に減らし、2010年には2万5,000トンと2割減にすることは決定されていました。テレビのワイドショーなどでも、最高級の刺身や寿司ネタとして使われるクロマグロがますます高嶺の花になるのでは? と話題になりました。
今回の東京会議では、前回会議で先送りにされていた各国の削減率の調整が行われ、すでに漁獲枠を持っている日本やEUなどは、削減率を同率に、新規参入国は過去の漁獲状況からシェアを算出し決定されました。日本の漁獲枠は、06年の2,830トンから、07年は約2,516トン、08年は約2,431トン、09年は約2,345トン、10年には約2,175トンとなり、約23%の削減が決まりました。
このように、マグロについては各国際機関が、その対象海域において獲ってよい魚の量や、大きさ、時期などを管理し、持続的に水産資源が利用できるよう働きかけを行っています。