2011年06月「GLOBAL」第69号
エイコサペンタエン酸(EPA)は、青魚の脂肪に多く含まれている必須脂肪酸です。これまでに心血管系疾患の予防、炎症を抑える作用などが知られていましたが、新たに運動持久力を高め、ドライアイの症状を和らげる効果もあることが分かってきました。
EPAの新しい機能について、小林悟先生、守口徹先生にお話を伺いました。
《EPAの基礎知識》
血液をサラサラにして動脈硬化の予防に役立つ必須脂肪酸
エイコサペンタエン酸(EPA)は、いわしなどの青魚の脂肪に多く含まれている不飽和脂肪酸です。人間が必要とする量を体内では合成できないので、一定量を食事で摂る必要がある「必須脂肪酸」の一種です。
EPAが注目されたのは、1960年代のイヌイットの研究でした。極寒の地で野菜や果物を多く食べられず、魚やアザラシなどを常食とするグリーンランドのイヌイットは、脂肪の摂取量が多いにもかかわらず、動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞の発症が極端に少なかったのです。
研究者たちはイヌイットの摂取している脂肪の質に着目しました。その脂肪にはEPAが多く含まれており、イヌイットの血液中にもEPAが多く含まれていました。「魚には脂肪酸のEPAが豊富にあり、血栓症の予防に効果を発揮する」という学説が立てられ、世界に衝撃を与えました。
その後の研究で、EPAには血液を固まりにくくする「抗血栓作用」のほか、血液中の中性脂肪を抑える「血中脂質低下作用」、血液の粘り気を少なくする「血液粘度低下作用」などがあることも次第に分かってきました。
こういったEPAの機能で血液はサラサラになり、動脈硬化などの心血管系疾患の予防につながります。さらに、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の予防や改善、リウマチ様関節炎などの炎症を抑える作用も明らかになってきています。
お話を伺った先生方

