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筋肉を増やし、メタボ対策にも有用魚肉たんぱく質

《魚肉たんぱく質の活用法》

スポーツ愛好者の筋肉増強、高齢者のロコモ予防のために

今回の実験では、魚肉ソーセージなどの水産加工練り製品に多く利用されるすけそうだらなど、白身魚の魚肉たんぱく質に着目しました。このたんぱく質に速筋を増やす効果がみられた理由は、どこにあるのでしょうか。

たんぱく質はアミノ酸が長くつながった分子です。このため、たんぱく質の良し悪しは、通常は含んでいるアミノ酸の種類や量を評価した「アミノ酸スコア」で表します。魚肉たんぱく質とカゼイン(乳たんぱく質)は、それぞれのアミノ酸組成にほとんど差がなく、ほぼ同等に良質なたんぱく質といえます。

アミノ酸組成がほぼ同じならば、いったいどこに違いがあるのでしょうか。まだ、はっきり解明されてはいませんが、両者のたんぱく質の違いは「ペプチド」にあるのではないかと考えています。

ペプチドは、一般的にはアミノ酸が短くつながった分子のことです。たんぱく質のほとんどは、消化管でアミノ酸にまで分解されて吸収されます。しかし、一部はアミノ酸が数個つながったペプチドのまま吸収されることが分かっています。近年、血圧低下作用や抗酸化作用などを有する食品由来の生理活性ペプチドが数多く見つかってきており、白身魚の魚肉たんぱく質もペプチドとして吸収され、生理活性ペプチドとして作用することによって、筋肉増大作用や速筋化作用をもたらしている可能性はあります。

■図8 スポーツ人口の増加

近年は健康志向の高まりを反映して、老若男女を問わずスポーツ愛好者が増加しています。東京マラソンの応募者数は数万人単位で増え続け、サイクリング人口も伸びています(図8)。運動に熱心に取り組むアスリートにとって、速筋を増やして瞬発力を高める作用のある魚肉たんぱく質は、着目すべき栄養素です。

そして、日本のような超高齢社会では、効率よく筋肉を増やせる魚肉たんぱく質を利用して、ロコモティブシンドロームやサルコペニアの予防に取り組むことも大切です。

加齢に伴う減少率が一番大きい足の筋力を維持することができれば、交通の利用、買い物や炊事、掃除や洗濯などの家事、入浴や更衣、歩行、排泄、整容などの日常生活動作を自力で行えて、高齢になっても自立した生活を営めるようになります。

魚肉たんぱく質の利点は、「筋肉を増やして速筋化する」だけではありません。筋肉への糖の取り込みを促して「血糖の上昇を抑制する」ほか、「脂質の蓄積を抑制する」抗メタボ効果も期待できます。健康維持に有用な魚肉たんぱく質を、もっと積極的にとりたいものです。

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