塩味増強技術(おいしさしっかり、塩分ひかえめ)

食塩を低減しても、塩味やおいしさをしっかりと感じられるよう、食塩の塩味を底上げする素材を添加する技術(=塩味増強技術)を研究しています。

【ロゴ】おいしさしっかり、塩分ひかえめ

ニッスイ独自の技術で、食塩低減前の塩味・おいしさを再現

食塩(塩化ナトリウム)は人間にとって必要不可欠な栄養成分であるとともに、飲食品のおいしさを左右する重要な役割を果たすものです。そのため、食塩の使用量を低減した飲食品は、概して風味を損ない、味気のないものとなってしまいます。
そこで、食塩を低減したときの塩味・風味・おいしさの低下を補うために、ニッスイでは独自の「塩味増強技術」を開発しました(特許登録済 特許第5952832号)。

【図】塩味増強技術:食塩の塩味を底上げする素材を添加して食塩を低減しても塩味をしっかり感じさせる技術

「塩味増強技術」とは、食塩の塩味を底上げする素材を添加して、食塩を低減しても塩味をしっかり感じさせる技術です。
塩味を底上げする素材として、「特殊製法によりジペプチド(※1)が多く含まれている"かつお"と"大豆"由来のエキス」と「アルギニン(※2) 」を組み合わせて用いています。

従来、食塩低減前の塩味を再現するためには、不快味を感じるほど多量に塩化カリウム(※3)を添加しなければなりませんでした。その不快味を抑えるために、添加量を軽減しなければならず、その結果、塩味の物足りなさが課題になっていました。

そこで、ニッスイでは独自の塩味増強技術を併用することにより、おいしさを損なわない塩化カリウム量で、食塩低減前の塩味・おいしさを再現することに成功しました。

食塩の役割と摂取について

ここで、改めて食塩の役割と摂取について触れておきましょう。

食塩(塩化ナトリウム)は、人間にとって必要不可欠な栄養成分です。
体内の水分及びpHの調整をはじめ、神経伝達や食べ物の消化、栄養素の吸収に役立つなど、「人が生きていく」過程において、食塩が重要な役割を果たしています。

さらに、食塩は飲食品のおいしさを左右する重要な役割も果たしています。
例えば、旨味や風味を強化したり、食品の保存、テクスチャー (※4)の付与、発酵食品の製造や、食品・素材の持っている色を保つといった役割を担っています。

このように、人間の生活や食品加工にとって欠かせない食塩ですが、その過剰摂取は高血圧、腎臓病、心臓病、癌等の疾病を引き起こすリスクを高めると考えられています。
そのため、食塩摂取量、特にナトリウム摂取量を低減することが重要視され、強く望まれています。

厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」では、食塩摂取目標量として一日当たり男性が9g未満、女性では7.5g未満と定めています。
しかし、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、平成20年の食塩摂取量の平均値は男性11.9g、女性10.1gとなっていて、目標量を超えて摂取しているのが現状です。

体内の水分・ pHの調整、 神経伝達や食べ物の消化・栄養素の吸収など
【図】食塩摂取目標量と平成20年の食塩摂取量の平均値

食塩の低減と風味改善の難しさ

食塩の摂取量を低減させるためには、飲食品の調味や加工の際に食塩の使用量を減らすという方法が考えられますが、それでは、風味を損ない、味気のない飲食品になってしまいます。

この問題を解決するために、さまざまな技術が開発されています。
その一例として、旨みやスパイスを使用して味を補強する方法や、食塩の味がする物質、つまり食塩の代替物質を使用する方法などが挙げられます。

食塩の代替物質の代表として塩化カリウムが挙げられますが、その他にも塩化アンモニウム(※5)、塩化マグネシウム(※6)、さらに一部のアミノ酸(※7)やペプチド(※8)が知られています。
しかし、これらの技術は食塩味のほかに苦味、特有の呈味、不快味を有するといった欠点があり、現在も消費者のみなさまのニーズに合わせた技術の開発が強く求められています。

食塩代替物質の塩化カリウム(塩化アンモニウム)などは、苦味、特有の呈味、不快味を有する欠点があります。

塩味増強技術を活かしたニッスイ商品

そこで生み出されたのが、ニッスイ独自の技術、塩味増強技術です。

この技術を活かし、"おいしさしっかり、塩分ひかえめ"をテーマに、塩分ひかえめの商品開発を実施しています。
これまでに、「さけあらほぐし」やさば缶(味付け、味噌煮)、塩たらこに、この塩味増強技術が導入されています。
今後も、「塩分が気になるけれどおいしい食品を食べたい!」というお客様の声にお応えして、塩分ひかえめな商品の開発を進めていきます。

【商品写真】さけあらほぐし 塩分50%カット

「さけあらほぐし 塩分50%カット」

塩分30%カット家族にうれしいたらこ

「塩分30%カット
家族にうれしいたらこ」

用語集

※1:ジペプチド
アミノ酸が2つ結合した物質。アミノ酸よりも消化・吸収性が良いとされています。
アミノ酸の組み合わせにより、様々な種類のジペプチドを構成します。
※2:アルギニン
天然に存在するアミノ酸の一種。多く含まれる食品として魚類の白子、肉類、ナッツ、大豆、牛乳などが挙げられます。
※3:塩化カリウム
食塩(塩化ナトリウム)の代替品として幅広く使用されています。カリウムは野菜や果実に多く含まれ、体内の余分なナトリウムを排泄すると言われています。塩味と共に苦味がします。
※4:テクスチャー
食品分野では、「口当たり」、「歯ごたえ」、「舌触り」など、感覚的評価の用語として用いられています。食塩は、ねり製品のプリッとしなやかな食感を生み出すのに重要な役割を果たしています。
※5:塩化アンモニウム
パンや焼き菓子の膨張剤(ベーキングパウダー)の一種として使われています。塩味のほか、苦味がします。
※6:塩化マグネシウム
岩塩や海水中に含まれます。"にがり"の主成分で凝固剤として豆腐作りに使用されています。塩味と共に苦味がします。
※7:アミノ酸
たんぱく質を構成する最小単位。たんぱく質分解酵素により消化することで得ることが出来ます。特殊なものを除きたんぱく質は20種類のアミノ酸が結合し、組み合わせや個数により様々な種類のたんぱく質を構成します。
※8:ペプチド
アミノ酸が2つ以上結合し、たんぱく質よりも構成するアミノ酸が少ないものを指します。アミノ酸の組み合わせや個数により様々な種類のペプチドを構成します。

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