2015年3月期 第2四半期決算について

本社移転について

新橋駅近く、西新橋一丁目3番1号の西新橋スクエアビルに本社を移転いたしました。

歴史のめぐりあわせ

昭和12年から昭和19年までの約7年間、西新橋スクエアビルに隣接する位置にあった「日産館」に本社を構えていた、という縁もあり、この地で頑張って行こうと意思を固めております。

本社移転にかける想い

50年ぶりの移転に際し、建物だけでなく会社の中身についても、次の100年を見据えた見直しを行う機会として捉えております。

2015年3月期 第2四半期決算の総括

当第2四半期におきましては、この2~3年、アルゼンチン・ブラジル・ドイツなど不振の海外事業の整理、在庫コントロール、コストダウンを進めて体質改善を図ってきた効果が出てきたことに加え、市況回復などのフォローの風もあり、国内での消費税増税、原材料高や円安などマイナス面を吸収し大きな増益となりました。

ただ、ニッスイグループが大きく寄与したものの、個別はファイン事業における減収減益の影響もあり、やや力強さが不足しております。

2015年3月期 第2四半期決算増減

売上高については、昨年の不採算事業の撤退で54億円の減収がありましたが、水産事業の売上が大きく伸張したことや、円安の影響もあり、106億円の増収となりました。

営業利益については、南米の「SA社」や北米の業績回復が大きく寄与したことや、不採算事業からの撤退による効果等から49億円の増益となりました。

セグメントマトリックス 売上高(前年同期比)

エリア別の売上高です。全エリアで増収となりました。

セグメントマトリックス 営業利益(前年同期比)

エリア別の営業利益です。水産事業については、全エリアで増益となりました。特に南米の「SA社」の業績回復が大きく寄与していることによります。

食品事業も大幅な増益となりました。日本・北米の好調に加え、ヨーロッパにおける不採算事業からの撤退効果の影響が大きく寄与していることによります。

水産事業

水産事業では、魚価が総じて高値を維持しました。また、南米の鮭鱒養殖事業では在池魚評価益等もあり、増収・増益となりました。

水産事業 売上高・営業利益(前年同期比)

水産事業の各社別の売上高と営業利益です。ロシア政府の水産物輸入制限の影響により、鮭鱒の相場は高値を維持していることから、養殖事業で大幅な増収となりました。在池魚評価を除く実質の営業利益で19.2億円の増益に加え、在池魚評価による増益14.4億円もあり、合計33.5億円の増益となりました。ただし、在池魚の評価は未実現利益であり、今後の魚価の動向や、病気が出た場合など不安定な要素を含んでおります。

加工・商事事業については、欧州事業が引き続き好調に推移しており、北米のすけそうだらの事業は昨年苦戦した助子が増産になった上に、すりみ価格の上昇もあり、増益となりました。

水産事業 ニッスイ個別(前年同期比)

水産事業におけるニッスイ個別についてまとめたものです。懸念された消費税増税の影響もなく、鮭鱒等の販売価格が堅調に推移した上、飼料油飼の販売数量増により、売上高は順調に推移し、増収となりました。利益面では、若ぶりの販売が好調だったことや、飼料油飼が数量を伸ばしたことなどが寄与し、増益となっております。

食品事業

食品事業では、不採算事業の撤退により若干の増収にとどまりましたが、北米・ヨーロッパが好調に推移し、利益は伸張しました。

食品事業 売上高・営業利益(前年同期比)

食品事業の各社別の売上高と営業利益です。昨年7月の「ロヒタム社」の売却により、9.2億円の赤字がなくなったことが最大の増益要因となりました。

加工では、前年度「ゴートンズ社」が競合との価格競争で苦戦をしましたが、今年度は高粗利商品に販売を集中し回復しました。「K&P社」は大手レストランチェーンとの取引が増加し、増益となりました。ヨーロッパの「シテマリン社」は、利益率の高いチルド品の販売が増加し、業績は引き続き好調に推移しております。

チルドでは、コンビニ向けのチルド弁当やサラダ等の販売が伸び、生産性も向上したことから増益となりました。

食品事業 ニッスイ個別(前年同期比)

食品事業におけるニッスイ個別についてまとめたものです。家庭用調理冷食における販売競争が激化しましたが、魚肉ソーセージやねり製品の販売が好調に推移したことや、業務用食品における大口顧客への新規商品の貢献もあり、増収となりました。また、円安による仕入れコスト増や原料すりみの価格増によるコスト増はありましたが、増収効果等で吸収し、増益となりました。

単月相当の売上を見ても、前年同期に比べ、毎月順調に売上を増やしております。

ファインケミカル事業

ファインケミカル事業では、2年に1度の薬価改定および後発品使用促進策の強化等の影響により販売が苦戦し、残念ながら減収・減益となりました。また機能性食品である「イマーク」等について、これらはテレビコマーシャルを含め昨年以上の広告宣伝費を投入いたしましたが、想定した効果が出るにはもう少し時間がかかりそうで、当第2四半期では減益となりました。「日水製薬」は、臨床診断薬、医薬品等において消費税増税による駆け込み需要の反動から、減収・減益となりました。

ファインケミカル事業 ニッスイ個別(前年同期比)

薬価改定の影響で単価が下がったことによる粗利減少額は、約3億円となりました。また、後発品使用促進策の強化等から販売数量が減ったことによる粗利減少額は、約2億円となりました。

物流事業

物流事業では、電力・運送コストが増加しましたが、保管料収入等が増加したため、前年同期並みとなっております。

連結損益計算書(前年同期比)

連結業績では、「西南水産」のまぐろ斃死(へいし)による特別損失を計上しております。その結果、当第2四半期の純利益は58億円となりました。

連結貸借対照表(前期末比)

総資産は、前期末比142億円増の4,459億円となりました。在庫は季節要因等もあり95億円の増加となりました。純資産は前期末比79億円増の916億円となりました。自己資本比率はまだ低水準ながら、利益に加え株高の効果もあり、前期末比で1.2ポイント上昇し、16.6%となりました。

連結キャッシュ・フロー計算書(前年同期比)

営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比9億円増の5億円に、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期比52億円減の△90億円に、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期比28億円増の56億円となりました。

連結借入金・純金利負担

連結借入金は、前期末比で47億円増の2,608億円となりました。季節要因が大きいことから前年同期比65億円の減少となり、円安による換算の影響額を含めると90億円程度は削減できておりますが、まだ高水準と考えております。

個別損益計算書(前年同期比)

ニッスイ個別の業績について、売上高は前年同期比93億円増の1,736億円、営業利益は前年同期比5億円増の18億円となりました。

2015年3月期 通期業績見通し(連結・個別)

連結では、期初の上期公表値に対して上期実績は大幅な増収・増益となっており、その状況を踏まえ今回の年間の業績見込みを上方修正いたしました。しかし、年間見込みにおいては種々リスクを織り込んでおります。

個別では、年間公表値に対する当上期実績の進捗率は、売上、利益ともに順調に推移していますが、ファイン事業で苦戦が見込まれること、それから第3四半期が営業の山場である等のことから今回は公表値を変更しておりません。また、大変申し訳ございませんが、配当につきましては現時点では未定とさせていただいております。

2015年3月期 通期業績見通し(連結)修正のポイント

海外関係会社につきましては第3四半期も引き続き順調に推移していますが、「SA社」の在池魚評価は、原価アップや魚価の先行きの不透明感から下振れの可能性があり、また南米の漁撈事業では第4四半期に南だらの漁獲が低調の予想であることから、これらをリスクとして織り込んでおります。ファイン事業につきましては、医薬原料では引き続き後発品の伸長により苦戦が見込まれるうえ、「日水製薬」では臨床診断薬、医薬品等において引き続き厳しい状況が続くと見込んでおります。

2015年3月期 セグメント別修正公表

営業利益の修正計画は、期初計画から20億円の増益としております。事業別では、水産事業が38億円の大幅増益である一方、ファイン事業は25億円の減益としております。

水産事業 年間見通し(修正計画)

水産事業の見通しについて、上期の営業利益については計画値より30億円の増益だったこともあり、年間の計画を上方修正いたしました。年間の営業利益は上期と同程度の38億円の増益を見込んでおります。

海外は第3四半期もまずまずで来ておりますが、下期、「SA社」の在池魚評価の下振れリスク等を織り込んだ見込みとしております。国内は相場の影響を鑑み、水産物の食材化を推進する一方、在庫コントロールを徹底し山場となる年末需要の取り込みに努めたいと思っております。

食品事業 年間見通し(修正計画)

食品事業の見通しについて、営業利益は、上期が計画値より7億円の増益だったことを受け、年間の計画を上方修正し、5億円の増益を見込んでおります。すりみの原料価格の上昇や円安の影響もありますが、下期はほぼ期初計画の水準で推移することを見込んでおります。

海外は北米とヨーロッパが堅調に推移すると見込んでおり、一方、国内は厳しい状況が続くなか、コストダウンや生産性向上を一層強化していくとともにシニアマーケットの増加なども踏まえ、個食化に対応した1食完結型商品を展開していきたいと思っております。

ファインケミカル事業 年間見通し(修正計画)(1)

ファインケミカル事業の見通しについて、営業利益は、上期が計画値より2億円の減益だったことに加え、後発品使用促進策の影響が下期に大きく影響すると見込み、年間の計画を下方修正し、期初計画より25億円の減益としております。

医薬原料では、上期は2億円の減益にとどまりましたが、後発品の拡大が当初の想定を上回っているため年間の販売数量が20%程度減少すると想定し、下期は10億円の減益を見込んでおります。

機能性食品では、将来の成長への先行投資として広告宣伝費用を投入しております。上期は地上波のテレビCMなどで広告宣伝を行いましたが、広告効率が当初の目論見どおりにならず4億円の減益を見込んでおります。下期は宣伝媒体の見直しなど広告宣伝費の使い方を精査し効率的なマーケティングを展開してまいります。

また「日水製薬」では消費増税の反動からの回復遅れの影響があり、7億円の減益を見込んでおります。

ファインケミカル事業 年間見通し(修正計画)(2)

医薬品原料において、販売面では品質や安定供給の優位性を訴求して差別化を図るとともに、海外での販売についても検討を始めていきたいと考えています。また、歩留り向上によるコスト削減にも取り組んでまいります。

機能性原料につきましては、EPAサプリメントやグルコサミン等をドラッグストアへ展開していくなど、B to B、B to Cの展開に力を入れてまいります。中期的な観点でみると、機能性表示制度の緩和が予定されており、大きなチャンスと捉えて戦略を検討しております。

2015年3月期 通期修正計画セグメントマトリックス 売上高(期初計画比)

通期修正計画のエリア別売上高です。全体では、2015年3月期期初計画に比べ、70億円の増収を見込んでおります。

2015年3月期 通期修正計画 セグメントマトリックス 営業利益(期初計画比)

通期修正計画のエリア別営業利益です。全体では、2015年3月期期初計画に比べ、20億円の増益を見込んでおります。

新中期経営計画における経営方針(案)

今年度は中期経営計画2014(MVIP)の最終年度で、来年度からの新しい中期経営計画を検討しております。不振事業の整理にきっちりとメドを付け、新中計で新たな成長へと大きく転換をしていきたいと思っております。

検討中ではありますが、新中計の経営方針は大きくは変更する予定は無く、原点ということで、創業理念「水道哲学」を一番上の概念に置き、5つの遺伝子、

  • ①「使命感」
  • ②「イノベーション」
  • ③「現場主義」
  • ④「グローバル」
  • ⑤「お客様を大切にする」

を掲げてまいります。

また、経営基本方針のうち、「企業としても個人としても折り目正しい行動をする」としていた方針を、「企業として社会的責任を果たしブランド価値を向上します」と変更しようと思っております。

新中期経営計画の考え方(案)

「ニッスイは、水産物をはじめとした資源から多様な価値を創造し続けるメーカーを目指します」ということをニッスイがめざす姿として掲げ、実現のための6つのキーワードを挙げております。

ファインケミカル事業「EPA」について

青魚に多く含まれる「EPA」は、中性脂肪の数値を下げるという効果がありますが、昨今の研究において、数値の下がらない方でも以下のようなプラスの効果があるということが判明しております。

  • ①「血管年齢を若く保つ」
  • ②「抗炎症作用がある」
  • ③「アレルギーを抑制する」
  • ④「紫外線に対するダメージを軽減する」

などです。

このような新しい事実・効能を最大限に活用し、さらなる事業の拡充に繋げていきたいと考えております。

機能性食品表示の変更

機能性食品表示についての法律が、変更に向けて動き出しています。これは政府が増え続ける医療費の削減を大命題にする中、身体に良い食品を国民により多く摂ってもらい、健康寿命をより延ばし、医療費を削減したいという考えに基づいています。今まで機能性の表示が認められていたのは「栄養機能食品」と「特定保健用食品」の2つだけでしたが、企業の判断で、科学的根拠があるものであれば、一般の食品にも機能性食品表示を認めるようになるということです。

食品事業 付加価値商品の展開

当社が開発した「スルッとふた」という機能は、3分の1の力で簡単に開けることができ、開けた後の切り口で指を傷つけないよう配慮されている、というお年寄りにもやさしい商品ということで、「2013年 日経優秀製品・サービス賞」優秀賞を受賞いたしました。今後も、シニア人口の増加等マーケットの変化に対応した、このような付加価値商品の展開にもさらに注力していきたいと考えております。

水産事業 養殖事業の高度化(1)

黒瀬のぶりでは、餌を独自に作り旬の時期を冬から春や夏にもってくるということに成功し、今も有利なビジネスを展開しております。今後は同様の取り組みを、まぐろで展開したいと考えております。

水産事業 養殖事業の高度化(2)

養殖事業の高度化により、さらにお客様に好まれる美味しいまぐろを安価につくることができるという自信が出来ました。2~3年かかるかもしれませんが、次期中期経営計画でもしっかりと推し進め、戦線に勝ち残っていくことが重要だと考えております。

見通しに関する注意事項