ニッスイグループ 2015年3月期 決算説明会

2015年3月期 決算の概要

2015年3月期決算の総括

ここ2、3年、不振だった海外事業(アルゼンチン、ブラジル、ドイツなど)の整理や在庫コントロール、コストダウンを進め体質改善を図ってまいりました。連結決算ではその効果が出てきたことに加え、水産物市況の回復もあり、特に海外で大きな増益となりました。これらが、国内における原材料高、円安、後発医薬品の影響、アジアの回収懸念債権への引当金などのマイナス要素を吸収し、結果大きな増益を達成することができました。

2015年3月期決算概要

売上高は、円安の影響による215億円の増収効果に加え、堅調な水産物市況にも支えられ、後発医薬品促進などの減収要因をカバーし341億円の増収となりました。営業利益は、海外の食品事業において不採算事業からの撤退効果が大きく貢献したものの、ファインケミカル事業が苦戦し41億円の増益に留まりました。

主な営業利益増減要因

北米の冷凍食品事業、南米の鮭鱒事業の業績回復が大きく寄与したことに加え、ヨーロッパ、アジアにおける不採算事業からの撤退による効果がありました。しかし、後発医薬品促進の影響やアジアでの回収懸念債権への引当てなどがあり、前年比41億円の増益となりました。

セグメントマトリックス 売上高(前年比)

売上高の事業別・エリア別のセグメントマトリックスです。全エリアで増収となりました。海外は円安の影響が約215億円含まれております。

セグメントマトリックス 営業利益(前年比)

営業利益の事業別・エリア別マトリックスです。事業別にはファインケミカル事業が苦戦、エリア別では日本とアジアが苦戦いたしましたが、北米・南米・ヨーロッパは好調で、結果、大幅増益となりました。

水産事業

水産事業において、年間を通じ魚価が総じて堅調に推移いたしました。特に南米の鮭鱒養殖事業が大幅な増収増益となり、全体を牽引しました。

水産事業 売上高・営業利益(前年比)

漁業については、懸案だったアルゼンチン事業からの撤退が完了いたしました。また、売却までの間、効率的な操業に努めた結果、利益を計上することができました。
養殖については、南米の鮭鱒事業において魚価が堅調に推移したことにより、29億円の大幅増益となった上、国内のぶり養殖事業もマーケットから高い評価を得て増益となりました。
加工・商事については、北米すけそうだら事業で増益となりました。一方、アジアにおいて回収懸念の売掛債権が発生し、これに対する貸倒引当金を計上したことから大幅な減益となりました。

水産事業 ニッスイ個別(前年比)

ニッスイ個別では、懸念された消費税増税の影響もなく、鮭鱒等の販売価格が堅調に推移したことに加え、飼料油脂の販売数量増・単価アップなどもあり、増収となりました。利益面では若ぶりが好調だったことに加え、飼料油脂の販売数増が貢献しました。

食品事業

不採算事業の撤退に加え、北米とヨーロッパが好調に推移し、利益は伸長しました。

食品事業 売上高・営業利益(前年比)

加工事業について、北米の家庭用冷凍食品メーカー「ゴートンズ社」が競合との価格競争で苦戦したものの工場集約や重点アイテムへの傾注によりコスト削減に取り組んだことや、「ロヒタム社」の売却により約9億円の赤字がなくなったこともあり、今年度は好転いたしました。また、チルド事業についても、コンビニ向けのチルド弁当やサラダ等の販売が伸び生産性も向上したことから、増益となりました。

食品事業 ニッスイ個別(前年比)

ニッスイ個別は、魚肉ソーセージなどの販売が好調に推移したことに加え、業務用食品における新規商品の貢献もあり、増収となりました。また、円安による冷凍すりみの仕入れコストアップがありましたが、コスト削減や価格改定などもあり、全体的には増益となっております。

ファインケミカル事業

2年に1度の薬価改定及び後発品使用促進策の強化などの影響により、減収、減益となりました。また、機能性食品はテレビコマーシャルを含め、昨年以上の広告宣伝費を投入しましたが、想定した効果が出るにはもう少し時間がかかる見込みです。

ファインケミカル事業 ニッスイ個別(前年比)

薬価改定の影響で昨年同期比3億円の減益、ジェネリックの影響で昨年同期比12億円の減益となりました。薬価改定は期初の計画で折り込み済みでしたが、ジェネリックの使用促進策強化による販売数の低下は想定以上で、大きく減収減益となりました。

物流事業

電力量や運送費のコストが増加した一方で、保管料収入などが増加したため、前年並となりました。

連結損益計算書(前年比)

持分法適用会社の損益効果や有価証券売却益もあり、経常利益は前年比90億円の大幅増益となりました。
また、当期純利益については、「西南水産」でまぐろの斃死による特別損失があったものの、特別損益としてアルゼンチン事業、インドネシア事業、ブラジル事業を売却したことに伴う売却損益を計上したことがあり、初めて100億円の大台を超え、102億円となりました。

連結貸借対照表(前期末比)

総資産は前期末比276億円増の4,592億円となりました。純資産は前期末比204億円増の1,042億円となりました。利益に加え、株高や円安の効果もあり、自己資本比率は15.4%から18.6%に改善いたしました。

連結キャッシュフロー(前年比)

営業キャッシュフローは増益もあり、228億円となりました。大きな設備投資もなかったことから、営業キャッシュフローの増額分は借入金の削減に向けることができました。

連結借入金・純金利負担

借入金は前期末比18億円減の2,543億円となりました。円安による換算の影響額を含めると、70億円程度は前期末に比べ削減できております。

個別損益計算書(前年比)

ニッスイ個別については、売上高は伸びたものの、ファインケミカル事業の減益もあり、売上総利益は横ばいとなりました。今後は、個別の収益率の改善が課題であると考えております。

2016年3月期 見通しについて

2016年3月期計画

2016年3月期は全体では売上高・営業利益とも若干の減少となりますが、当期純利益は若干の増益を予想しております。
売上高においては水産事業を除き横ばい、営業利益は全事業ともほぼ横ばいで若干の減益を見込んでおります。
水産事業は、回収懸念債権の影響がなくなるものの、南米の鮭鱒事業の減益が大きく出る見込みです。国内食品事業は原料コストアップや円安の影響がありますが、生産性向上や価格改定などでカバーする見込みです。
また、配当につきましては、2015年3月期は3円の配当をさせていただきましたが、2016年3月期は1円増配し、4円を予定しており、配当性向は10%強となる見込みです。

2016年3月期 計画 セグメントマトリックス 売上高(前年比)

セグメント別のマトリックスです。日本と南米が減益となる一方で、アジアが増益となる見込みです。

2016年3月期 計画 セグメントマトリックス 営業利益(前年比)

営業利益について、日本は減益、海外では南米が減益となる一方で、アジアが増益となる見込みです。

水産事業 会社別売上高(3ヶ年推移)

水産事業の会社別売上高3ヵ年推移のグラフです。ニッスイ個別とニッスイシンガポールの減収を見込んでおります。

水産事業 会社別営業利益(3ヶ年推移)

会社別営業利益のグラフです。加工・商事について、「ニッスイシンガポール」が回収懸念債権に関わる貸倒引当金の影響がなくなり大幅増益を見込んでおります。ニッスイ個別では、高値で推移した水産物市況の反動リスクを折り込んでおります。

鮭鱒市況:2015年3月期

2015年3月期の鮭鱒市況については、期初はやや弱含みでスタートしましたが、アラスカやカナダの天然物の豊漁、ロシアの金融措置、円安などが奏功し、年内は魚価が堅調に推移いたしました。

鮭鱒市況:2016年3月期

2016年3月期の鮭鱒市況については、アラスカの豊漁予想やチリの火山噴火の影響など、変動要因を加味した上で魚価は下がる見込みで計画しております。

食品事業 会社別売上高(3ヶ年推移)

食品事業の会社別売上高3ヵ年推移のグラフです。売上高は微増を計画しております。

食品事業 会社別営業利益(3ヶ年推移)

食品事業の営業利益です。加工事業については、マーケットシェア回復に向け北米の冷凍食品会社で広告宣伝費、販売費を投入することを計画しており、減益の見込みです。また、好調だった「シテ・マリン」社ですが、ユーロ安による原料コストの上昇を予想しやや減益を見込んでおります。

ニッスイ個別 食品事業 2016年3月期見通し

2015年3月期(2014年度)は急激な為替の変動があり、練り製品と冷凍食品について値上げをいたしました。2016年3月期(2015年度)は1ドル120円で計画レートを組んでおりますが、前年比で22億円の為替の影響によるコストアップを見込んでおります。さらに、練り製品関係の原料となるすり身の価格が上がっており、前年比で約10億円のコストアップを見込んでおります。これらのコストアップを場合によっては値上げ、あるいはコストダウン等でカバーしていく予定です。

ファインケミカル事業 会社別売上高・営業利益(3ヵ年推移)

ファインケミカル事業について、後発医薬品促進の影響は続きますが、歩留まりの向上あるいは機能性原料食品の販売増による利益増を見込んでおり、収益は横ばいを見込んでおります。

ニッスイ個別 ファインケミカル事業 2016年3月期見通し

医薬原料について、2016年3月期(2015年度)も後発医薬品の影響は続くものと考えておりますが、EPAのマーケットはまだ拡大しており、海外展開などへの取り組みにより、2015年3月期(2014年度)と同程度の数量を確保することを見込んでおります。
機能性食品につきましては、広告宣伝の媒体見直しや機能性表示、食品制度に沿った新商品の販売を計画しております。機能性表示制度につきましては、EPAを中心に水産、食品など全事業への展開を行ってまいります。

物流事業 会社別売上高・営業利益(3ヵ年推移)

物流事業については、冷凍食品の首都圏エリア配送受託による運送、売り上げの増加や取扱貨物量の増加などによる保管料収入の増加を見込んでおります。

2016年3月期 計画  連結キャッシュ・フロー計算書(前年比)

キャッシュフローの計画です。主な設備投資として計画しているのは、グループでは「日本クッカリー」の「船橋工場」や「ニッスイ物流」の「大阪舞洲物流センター」などです。また、ニッスイの個別ではファインケミカル事業で「鹿島新工場」の建設に着手する予定です。

新中期経営計画MVIP2017の数値目標

新中期経営計画における、重要業績評価指標(KPI)の数値です。2015年3月期(2014年度)に続き、2016年3月期(2015年度)もほぼ同じレベルの売上高を達成し、新中期経営計画の最終年度(2018年3月期=2017年度)には、このような目標数値を達成していきたいと考えております。

(参考)主要在外会社の為替換算レート

見通しに関する注意事項