2016年3月期決算説明会

2016年3月期 決算の概要

2016年3月期 総括

2016年3月期の決算の概要です。営業利益は南米の鮭鱒事業が前年から59億円もの大きな悪化となりましたが、個別事業および食品を中心とするグループ会社が堅調だったことに加え、アジアで昨年発生した貸倒引当金の発生がなかったこともあり、前年比7パーセントの増益となりました。

2016年3月期 セグメント別概況

セグメント別の売上高と利益を示した表です。売上高は前年比で水産事業が152億円の大幅な減収となりましたが、食品事業が84億円増収となり、合計では12億円の減収となりました。

主な営業利益増減要因

営業利益の増減要因です。南米では鮭鱒養殖事業で販売価格の下落とコスト増があり、また南だら等の漁獲低調により、65億円の減益となりましたが、昨年アジアで発生した貸倒引当金の発生がなかったことに加え、ニッスイ個別を含む国内の水産・食品事業を中心にカバーすることができました。

セグメントマトリックス 売上高(前年比)

エリア別・事業別の売上高を前年比で比較したマトリックス表です。水産事業は南米、アジア、ヨーロッパで大幅な減収となりました。南米は鮭の養殖事業の業績が悪化しました。また、前年に整理した漁労事業の売上がなくなったことによる減収に加え、アジアで不良債権を発生させた事業が縮小したことや、ヨーロッパでの為替の影響による減収がありました。
食品は日本の個別、チルド事業で前年比117億円もの大きな増収となりました。なお、円高による売上高への影響額は95億円の減収となっています。

セグメントマトリックス 営業利益(前年比)

エリア別・事業別の営業利益を前年比で比較したマトリックス表です。南米の減益が大きくなっていますが、食品事業を中心に他のエリア・事業でカバーしています。

連結損益計算書(前年比)

連結の損益計算書です。営業外損益で投資有価証券売却益、持分法による投資利益の減収があり、経常利益は前年比6億円の減益となり206億円となりました。特別損益では前年はマグロの斃死などがございましたが、今年度は投資有価証券売却益、減損損失等があり、親会社に帰属する当期純利益は119億円となり、前年比17億円の増益となりました。

連結貸借対照表(前期末比)

連結の貸借対照表です。総資産は4,441億円で前期末比151億円減となりました。流動資産はたな卸資産を圧縮し142億円減となりました。純資産は為替換算調整勘定、有価証券評価差額金は減少しましたが、純利益の増加によって前期末比45億円贈の1,088億円となりました。自己資本比率は概ね20パーセントまで回復しています。

連結キャッシュフロー(前年比)

キャッシュフローです。たな卸資産の圧縮等により営業キャッシュフローは前年比大幅に改善されました。設備投資の増加はありましたが、営業キャッシュフローで賄うことができたので、借入金の削減を実現できました。

連結借入金・純金利負担

営業キャッシュフローが大幅に改善したため、借入金は前期末比216億円の減少となり2,326億円まで減少しました。中期経営計画の目標である2,400億円以下を初年度で達成することができました。

水産事業

水産事業の詳細です。売上高は前年比152億円の減収となり、営業利益も22億円の減益となりました。

水産事業 売上高・営業利益(前年比)

営業利益の主な増減要因としては、漁業はアルゼンチン事業から撤退したほか、チリのほき、南だらの漁獲低調による販売数量が減少しました。また、養殖は国内のぶり養殖事業で販売価格が弱含みの上、飼料高騰等により生産コストの上昇はありましたが、マーケットの評価もあり、販売数量は順調に増加しました。チリの鮭鱒養殖事業は、飼料高騰による生産コストの上昇や魚病の影響に加え販売価格が大きく下落し、営業利益が前年比59億円悪化しました。なお2015年度は在池魚評価による影響は軽微でした。加工・商事では北米のすけそうだら事業はフィレの販売数量や助子の生産数量が減少したことにより減益となりました。欧州は前期に引き続き販売は好調でしたが、為替の影響もあって売上、利益とも減少しました。アジアでは前年に中国向け売掛債権に対し貸倒引当金を計上しましたが、今年度はその影響が無く、大きく改善しています。

水産事業 ニッスイ個別(前年比)

ニッスイ個別の水産事業は魚粉の価格が前年に比べ高値水準であったことや、ぶりの数量増とともに適正な在庫コントロールを維持できており、増益を確保することができました。

食品事業

食品事業は、ほぼ全てのエリアで増収増益となりました。売上高は84億円増収、営業利益は30億円の増益となりました。

食品事業 売上高・営業利益(前年比)

食品事業の営業利益にですが、加工については北米における家庭用冷凍食品がメインの「Gorton’s」では工場集約を行ったことによる効果があったものの、主力商品の競争は引き続き大変厳しく減益となりました。業務用食品の「King & Prince」では主原料のエビの価格下落にも助けられ、大手レストランチェーン向け販売も好調となり増収増益となりました。ヨーロッパの「Cite Marine」は新たな生産ラインの増強、水産チルド品の販売増加もあり、業績は引き続き好調に推移いたしました。
日本国内の加工事業もデルマール社の貢献もあって増益となりました。チルドではコンビニ向けのチルド弁当やサラダ等の販売が伸び、生産性も向上したことから増収増益となりました。

食品事業 ニッスイ個別(前年比)

ニッスイの個別ですが、全てのカテゴリーで増収を果たすことができました。利益面においてはスライド右下のグラフで示しているように、すりみの値段が高値で推移したことに加え円安もあり、大きなコストアップとなりましたが、価格改定やコスト削減努力により約11億円の増益を確保できました。価格改定がうまくいったことに加え、ここ数年で発売した新商品の寄与が大きいです。

ファインケミカル事業

ファインケミカル事業の営業利益はほぼ前年並みとなりました。ニッスイ個別は医薬原料の数量が減少したことにより約2億円の減益となりました。グループでは日水製薬の臨床診断薬、産業検査薬などの販売が堅調に推移しました。

ファインケミカル事業 ニッスイ個別(前年比)

ファインケミカル事業は収益の柱です。ジェネリック品の伸長のペースは昨年よりもかなり緩やかになっていますが、医薬原料販売の減少傾向はまだ続いています。他メーカーにEPA、DHAを原料として供給する機能性原料の利益はほぼ昨年並みとなり、イマーク等をメインとする通販ビジネスの機能性食品事業は広告媒体の見直しをしたことで増益となりました。

ファインケミカル事業 鹿島医薬品工場(茨城県)の新設

ファインケミカル事業の大きな設備投資として、2016年1月に「鹿島医薬品工場」の新設に着工し、2018年の稼働開始を予定しています。この工場の新設により世界一のEPA原体供給メーカーを目指します。そのため、海外への輸出にも適合し、またEPAの含有濃度が低い原料からも高いEPA回収を可能とし、コスト競争力のある最新の設備を導入する予定です。

物流事業

物流事業においては、保管料収入が順調に増加しました。右下の写真ですが、本年4月より稼働を開始した日水物流の「大阪舞洲物流センター」です。

個別損益計算書(前年同期比)

個別の損益計算書です。営業利益の内容はこれまでの説明のとおりですが、経常利益も85億円となりました。個別もしっかりとした利益を計上できる体制にしたいと考えており、引き続き努力してまいります。
なお配当金については、1株あたり期末配当金を3円といたしました。年間配当は5円になります。中計で当面の連結配当性向の目標を10~15パーセントとしており、これに応えるために増配を決定しました。平成29年3月期も年間配当は5円を予定しています。

中期経営計画MVIP2017の数値目標

中計で示しましたKPI(重要業績評価指標)の2015年度の実績です。初年度としては順調な立ち上がりとなっています。

2017年3月期 見通しについて

来期の業績予想

来期の業績予想です。来期については最近の事業環境を勘案し、売上高、当期純利益共にほぼ前年並みを計画しています。

来期の業績予想(セグメント別概況)

売上高は、水産事業は南米鮭鱒養殖事業の魚価回復を見込みますが、北米のすけそうだら事業でのフィレ市況の低迷、助子の生産数量減少などもあり、33億円の減収。食品事業では北米での食品事業が厳しく、23億円の減収を予想しています。
営業利益は、水産事業においては南米鮭鱒養殖事業が前年比好転することもあり、増益を予想しますが、食品事業は北米をはじめとする海外で苦戦し、15億円の減益を予想しています。

主な営業利益増減要因

主な営業利益増減について、北米の水産事業では、すけそうだらフィレ市況の低迷や助子の生産数量減、食品事業では、パン粉付き白身魚フライ製品などの主力品の不振に加え、昨年好調だった業務用水産冷凍食品の価格改定要請の圧力もあり、約18億円の減益を見込んでいます。
また、アジアやヨーロッパの食品事業においては、原料価格の上昇により、約10億円の減益を計画しております。一方、南米では鮭鱒養殖事業で魚価の回復を含め、前年比で13億円の増益を見込んでおります。
また、ニッスイ個別では、水産事業におきまして在庫マネジメント強化や惣菜化を進め、食品事業では主要カテゴリーの強化と機能性表示食品の導入による成長を見込んでいますが、年間計画は前年比14億円減益となる見込みです。

セグメントマトリックス 2016年度計画売上高(2016年3月期実績比)

エリア別では、水産事業は全てのエリアで減収、食品事業ではヨーロッパを除き減収を見込んでおります。ファイン事業は増収の見込みです。

セグメントマトリックス 2016年度計画営業利益(2016年3月期実績比)

営業利益については、日本ではファインケミカル事業と物流事業で減益となりますが、水産事業と食品事業では増益となる見込みです。北米では水産事業と食品事業の双方とも減益の見込みです。南米では鮭鱒養殖事業を中心とした水産事業で引き続き赤字ですが、赤字幅の縮小により増益の見込みです。

水産事業 会社別営業利益(3ヶ年推移)

水産事業の営業利益を14年度から比較したグラフです。養殖は変動の激しい事業で16年度も赤字が継続しますが、海外養殖の変動を徐々に国内養殖でカバーできる水準になってきました。引き続き国内養殖の拡大に力を入れてまいります。ニッスイの個別は在庫マネジメントを徹底するとともに、惣菜化を進め営業利益を拡大させていきます。

鮭鱒データ:チリ輸出統計・為替と鮭鱒輸入統計の推移

鮭鱒の価格です。上段はチリでのトラウト価格の推移と為替の推移表です(USドルベース)。下段は日本での輸入統計からの国内の鮭鱒の価格推移表です。現地側では2015年度に大きく価格を下げたような状況ですが、日本では為替の影響もあり価格下落の影響が緩和されています。2016年度はおおむね堅調に推移することを想定しています。

SA業績回復に向けた打ち手

SA社の鮭鱒養殖事業の回復に向け様々な施策を実行中です。主な打ち手としまして、魚病対策による原魚コストの改善として、養殖成績の向上を図るため過去の成績優良養殖場での操業に集中する決断をしました。これに伴う減産もやむを得ないと考えております。その他、海面養殖期間の短縮、SRS耐性群の親魚化などあらゆる魚病対策を講じていきます。また、販売価格の安定化のため、市況に左右されにくいフィレやTrim-Eなどの付加価値品の製造比率を高める工夫も行っています。

食品事業 会社別営業利益(3ヶ年推移)

食品事業の営業利益の推移です。北米事業の減益幅が大きくなっており、今後の対策が急務となっています。他の事業は概ね順調に推移しています。

海外食品事業(現況と打ち手)

海外食品事業の打ち手としては、まず「Gorton’s」では米国およびカナダでの調理済水産冷凍食品市場の規模が低迷していることに加え、市場競争の激化が続いています。このため新規顧客の開拓にとどまらず、現地経営陣と対策を早急に検討、推進してまいります。「King & Prince」では新たな販路の拡大を目指すとともに、在庫削減、生産性改善を進めます。「Cite Marine」においても販売競争や、原材料コスト上昇による収益悪化が予想されるため、商品の開発力を生かして競争に打ち勝っていく予定です。

機能性表示食品

機能性表示食品についてはようやく今年の3月に「中性脂肪」で7品目が消費者庁に受理されました。当初の予定よりスタートは遅れましたが、冷凍食品についても現在届け出中です。
今後は中性脂肪に加え、他の機能でも届け出を検討しており、EPAの多面的機能を生かした表示対象を拡大していきます。現在、届け出しているのは加工食品や冷凍食品で合計15件です。

ファインケミカル事業 会社別営業利益(3ヶ年推移)

ファインケミカル事業の会社別営業利益の3カ年の推移です。医薬原料が引き続き厳しく、若干の減益を計画していす。

ニッスイ個別 ファインケミカル事業 2017年3月期見通し

医薬原料については、2014年度はジェネリックの影響で数量が20パーセント以上減少し、2015年度もジェネリックの影響は続いていますが、減少ペースは緩やかになってきました。2016年度は2015年度比86パーセントの計画ですが、医師への啓蒙活動、海外展開等に取り組んでおり、拡大に向けた努力を一層進めていきます。

設備投資内訳(完成ベース)

2016年度の主な設備投資の完成ベースの計画です。主な投資会社は記載のとおりです。総額では247億円を予定しています。主な投資は北米の水産加工会社における「UniSea」での桟橋老朽化対策工事、国内漁業会社における運搬船建造、チルド会社における米飯ライン更新工事などもあります。

2018年3月期 MVIP2017進捗

中期経営計画MVIP2017の進捗

2018年3月期のMVIP2017についてです。初年度は非常に良いスタートを切れましたが、中間年である2016年度は残念ながら売上、利益ともやや足踏みの計画となっています。このような計画で発表せざるを得なかったことを大変残念に思っておりますが、3年目の数字にはあくまでもこだわっており、この数字を下げることなく達成していこうと思っています。今年1年も頑張って各種計画を推進してまいりたいと思っています。

見通しに関する注意事項