中期経営計画「新TGL計画」について

日本水産株式会社はこの度、次期グループ中期経営計画「新TGL計画」(2006年度より2011年度の6年間)を策定しましたのでお知らせいたします。

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中期経営方針「TGL計画」(2001年度〜2005年度)について

中期経営方針「TGL計画」(2001年度〜2005年度)では、自らの強みを最も蓄積してきた「水産資源を顧客価値に変換する」領域でさらにメーカー機能の強化を図り、グローバルな顧客価値創造を通してお客さまやパートナーと一緒に成長することを目指し、以下の施策を実施してまいりました。

  1. モノ作りを通じて得た技術を基盤とする「メーカー」であることにこだわる
  2. 日本と世界の人々に支持されるブランドを育成する
  3. 研究開発・品質保証をさらに強化するとともに、環境調和に力を入れる
  4. 水産事業と食品事業を統合し、生産・販売のグローバル化を進める
  5. お客さまと一緒に価値を創造する営業体制を強化する

「新TGL計画」(2006年度〜2011年度)について

次期グループ中期経営計画を「新TGL計画」と命名しました。

ただし、「新TGL計画」は「TGL計画」の延長ではなく、「TGL計画」で取り上げた施策の未達を埋める計画でもありません。「新TGL計画」は、ニッスイグループのビジネス領域を先端化・高度化させる計画と位置づけています。これからの6年間は資源と技術の重要性が急速に高まると予測しています。この期間を「創業以来の『100年の計』を達成し、次の『100年の基礎』を固める期間」と位置づけました。
国内外持分法適用会社を含むグローバルリンクスメンバーによる高成長と市場への影響力を強化しつつ、連結ベースではメーカー機能をコアとした事業構造を確立し、高収益型に転換させることにポイントを置いています。

1「新TGL計画」経営の基本方針

「創業の理念」に基づき、「新TGL計画」期間の経営の基本方針を以下のように致しました。 「私たちは、水産資源から多様な価値を創造し、お客さまにお届けすることを通して、世界の人々の健康で豊かな生活の実現に貢献します」

  1. 水産物のグローバルサプライチェーンを構築する
  2. 品質とコスト、研究開発とマーケティングを重視する
  3. 自らの仕事の先端分野に挑戦し、それを開拓する
  4. 地球や海の資源を持続的に有効活用し、環境を大切にする
  5. 企業としても個人としても折り目正しい行動をする

2 環境変化予測(2006〜2011年)

  1. 食料資源の戦略的重要性が認識される中で、動物性たんぱく質供給の一翼を担う畜産物については、BSE・鶏インフルエンザ等の世界的な課題に加え、日本では「農薬等のポジティブリスト制」が導入されるなど、食の安全への意識が益々高まります。
  2. 世界の水産物の需要は更に拡大するが、供給は漁業生産の頭打ちが続くことが予想されるので、環境による制約リスクはあるものの、養殖への期待が高まり、日本のEEZ(排他的経済水域)内の水産物も生産供給の構造変化が求められます。
  3. 食料・食品の事業分野においても投資ファンド等によるM&Aが進み、産業界との企業価値の評価に対する考え方の違いが、食糧需給の不安定さを惹き起こすことが予想されます。
  4. 世界の人口の4割近くを占める中国・インド両国に代表されるBRICs等の新しい市場が注目されていますが、その経済活動の近代化が招く、資源価格の高止まりは避けられません。企業活動にとって経営の効率化と競争優位の構築は、引き続き大命題となります。
  5. 世界各国において医療費の増大による財政圧迫から、国民の健康政策上、「食」による健康増進効果への期待が高まっています。水産物は推奨の対象となり、天然・養殖水産物ともに、その品質に対する要求は強まります。
  6. 日本は、予測より2年早く人口減少期に入りました。日本で成長するためには顧客1人あたりの売上を増やさなければなりません。そのためには単なるシナジーでは足りず、新技術の開発・新カテゴリーの創造はもちろん、産業の垣根を越えた活動によるレバレッジの実現が求められます。
    以上に加え、今後の経営環境は、企業の活動に更なる正しさ・透明性を求めると考えます。

3「新TGL計画」におけるニッスイグループの事業構造イメージ

世界の水産業界で最も信頼されるネットワークをつくるため、自然の力・科学の力と生活の価値をつなぐ独自のビジネスモデルを実現したいと考えています。

  1. 基幹事業の収益力を向上させる。(第1の資源獲得手段による事業構造の改善)
    • 基幹事業のコスト削減を推進し、収益力の向上を図る。
    • 付加価値高機能商品の開発・販売により、収益を獲得する。
    • 営業スタイルを革新するとともに、広告宣伝によるプル型マーケティングとの連動を行う。
    • 一貫事業の更なる深化を図り、水産品のプロダクト/マーケティングミックスに依る収益の最大化を図る。
  2. 事業を高度化し、収益力拡大を行う。(第2の資源獲得手段による事業構造の改革)
    • 養殖事業を高度化し、最先端の養殖事業モデル(「魚の作物化」)を作る。
    • 外部研究機関とも提携し、天然素材から多様かつ高度な機能を持つ機能性素材を開発し、事業化する。
  3. バイオ生産技術等新技術の獲得を行う。(天然資源採捕に頼らない第3の資源獲得手段による事業構造の革新)
    • EPA・DHAなど機能性物質のバイオ生産の研究と事業化に着手する。
  4. 商事・卸売事業は、パートナーと共に経営効率の高い仕組を構築し、(連結から持分法適用に変え)より高い機能・サービスを実現できる規模にする。
  5. 全ての事業において、国内市場を更に深耕しつつ、グローバルに市場・顧客を創造し、販売する体制を強化する。
  6. ニッスイグループはグローバルリーダーとして、ステークホルダーに対するお約束を果たすことができる、信頼される企業になる。

4「新TGL計画」の目標とする姿

創業100周年である2011年度に、「水産資源を顧客価値に変換する分野で、卓越した強さを発揮し、お客さまに支持される企業」であり「水産資源を顧客価値に変換するグローバルリーダー企業」でありたいと考えております。
グループ経営戦略としては、志を共有して価値を創造し、実現するための仕組み(*Global Links)を強化してまいります。
2011年度の経営目標を連結売上高6,000億円以上、連結営業利益率5%以上とします。

売上高(億円) 日本 北米 南米 ヨーロッパ アジア
水産事業 2,100 300 50 50 50 2,550
食品事業 2,200 700       2,900
ファイン事業 300         300
物流事業 130         130
その他事業 120         120
連結計 4,850 1,000 50 50 50 6,000
営業利益(億円) 日本 北米 南米 ヨーロッパ アジア
水産事業 80 20 20 0 5 125
食品事業 100 30       130
ファイン事業 65         65
物流事業 20         20
その他事業 10         10
消去又は全社 -50         -50
連結計 225 50 20 0 5 300

また、2011年度のGlobal Links の活動イメージとしては、以下のようになります。

  売上高 営業利益 営業利益率
連結会社 6,000億円以上 300億円以上 5%以上
持分法適用会社(国内外) 6,000億円 200億円 3%以上
12,000億円 500億円 4%以上

グローバルリンクス海外売上比率30%超

 
*Global Linksとは、ニッスイグループと志を共有し、Win-Winの関係を通じて、共に価値を創造する企業のネットワークを意味し、必ずしも資本での支配を前提としません。現在では、Sealord Group社(ニュージーランド)、J.P.Klausen社(デンマーク)、Alaska Ocean Seafoods社(アメリカ)などが、この構成員です。
2006年度以降、セグメント情報の区分を次のとおり変更し、開示情報の充実に努めます。
事業区分
従来「加工事業」の「その他の加工品」にあったファインケミカル事業と従来の「医薬品事業」を合わせ新たな事業区分「ファイン事業」とし、従来の「加工事業」を「食品事業」とする。
国又は地域の区分
従来の「その他」を廃止し、「ヨーロッパ」と「アジア」とする。

5「新TGL計画」主要戦略

  1. R&D戦略

    有限の水産資源を余すところなく利用するための技術を磨く。養殖・バイオの技術を確立する。

    • 食品機能科学研究所の設立
    • バイオ生産研究所の設立
    • 養殖事業推進室を設立して、その下に大分海洋研究センターを置き、研究、事業遂行両面から先端の養殖事業を確立する。
  2. 資源生産戦略

    漁業へアクセスする仕組の強化と養殖事業の拡大・深化により、水産資源へのアクセスを拡大・強化する。新しい資源獲得手段であるバイオ生産技術の獲得を行う。

    • 主要魚種(白身魚、鮭、えび、かに)の資源に一定のシェアを持つ。
    • 海外漁業へのアクセスの仕組強化と国内漁業への参画
  3. 加工生産戦略

    グローバル・エリアマーケティングに対応した工場の新設/再配置/集約と生産性向上を進めるとともに、新たに付加価値型事業をつくる。

    • グループ企業を含めた国内外工場の新設/再配置/集約と生産性向上(2in5活動)の推進
    • 機能性素材事業の強化
  4. 品質保証戦略

    「品質保証憲章」を遵守し、グループを挙げて、品質保証に関する責任を果たす品質保証体制を構築する。

    • 養殖場・農場〜工場〜物流の一貫した品質保証体制を確立
    • グローバル事業展開に対応したグループ品質保証体制の構築
  5. マーケティング戦略

    グローバル各地域の顧客ニーズに対応したマーケティング戦略策定を行い、実施する。

    • グローバルリンクスを基本コンセプトとし、国内外の販売機能を強化し、存在感、信頼感のあるネットワークを創造する。
    • ニッスイブランドとその他現有の有力ブランド(Gorton’s, Mrs.Friday’s, Uniseaほか)を組み合わせた「ブランド体系」を構築する。
  6. ロジスティクス戦略

    ロジスティクス機能を統合し、サプライチェーンの効率化を推進する。

    • サプライチェーンマネジメント部を設立して、生産〜在庫〜輸配送の国内外物流を一元管理し、サプライチェーンの効率化を図る。
  7. 業務革新戦略

    戦略実現のために絶え間ない業務改革を行い、実行力を強化する。

    • 事業構造を高収益型に転換することを目的に「経営革新会議」を設置し、グループ機能の最大限の活用や「見えないマイナス」を取り除くなど、課題解決に組織横断的に取り組む。
  8. グループ経営戦略

    シナジーとレバレッジを高めるグループ経営を実践する。

    • シナジーを実現するために、グループ各機能の協働・統廃合を推進する。
    • 四半期ごとの「グループ経営会議」の他に、年2回の「グローバルリンクス経営会議」(NGLC)を開催する。

中期経営計画説明会資料

2006年4月6日、東京會舘にて行われた中期経営計画説明会の資料をご覧いただけます。