業界初となるマグロ初期飼料開発について

2014年8月25日

~完全養殖のマグロを低コストでお届けすることを実現する技術開発に成功~

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 細見典男)は、クロマグロで一般的な手法である自然産卵からの受精卵の採取に加え、出荷魚から採取した精子と卵による人工授精法の研究を進めてまいりましたが、2011年に人工授精によって得られた人工種苗由来のマグロから受精卵を採取し、今夏、完全養殖に成功しました。また、孵化した後のマグロ仔魚への配合飼料の開発に業界で初めて成功いたしましたのでお知らせいたします。

従来、クロマグロの種苗生産では、クロマグロ仔魚の餌料として、イシダイ、マダイ、シロギスおよびハマフエフキ等の孵化仔魚が必要とされてきました。1尾のクロマグロ仔魚は多い時で1日当たり1,000尾以上の孵化仔魚を摂餌することから、大量の孵化仔魚の供給が必須となり、クロマグロ種苗生産時の作業の煩雑さや高コスト化を招いてきました。当社ではクロマグロ仔魚の成長を促す特別な処理を施したプランクトンと微粒子飼料を新たに開発しました。50トン水槽で孵化仔魚を全く使用せず、今回開発した飼料を使ってクロマグロ仔魚を飼育したところ、25日齢時点で約10,000尾の稚魚が2cm程度まで成長していることを確認しました。クロマグロの種苗生産では、受精卵の卵質によって成長・生残が大きく左右されることが知られており、新規餌料系列の再現性の調査、更には成長・生残の向上が今後の課題と考えています。3年後の実用化に向けた研究開発を継続していきます。

現在、クロマグロの育成には一般に生餌が使用されており、他の養殖魚種と比較して圧倒的に配合飼料の導入が遅れています。当社は(独)水産総合研究センターと共同でクロマグロが好む餌の物性やクロマグロの摂餌行動を調査し、従来の養魚用飼料とは異なる形状の飼料を開発するとともに、当社独自の製法と大量生産方式を確立しました。2013年度に佐賀県唐津市に新たな飼料生産設備を導入し、生産販売を開始しました。今後、生産効率をさらに高め、需要に合わせて逐次増産していく計画です。クロマグロ用配合飼料は、配合する成分を成長段階や出荷時期に合わせて設計することで、成長性や肉質の改善を図れると期待できます。養殖場の環境負荷を低減させ、クロマグロ養殖の持続可能性を高めることで、安全・安心で美味しいクロマグロをお届けして参ります。

以上