ニッスイ国産完全養殖本マグロ「喜鮪®(きつな)金ラベル」出荷

2018年3月7日

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 大木伸介、東京都港区、以下ニッスイ)では、かねてよりグループ企業とともに国産完全養殖本マグロの事業化に取組んできましたが、このほど「喜鮪®(きつな)金ラベル」として出荷の運びとなりましたので、お知らせします。
本年度2017年度は1,350尾70トン、2018年度には7,500尾350トン、2019年度は2万尾1,000トンの出荷を予定しています。

【ロゴ】喜鮪®(きつな)金ラベル

ニッスイ国産完全養殖本マグロのブランド
「喜鮪®(きつな)金ラベル」

今回初出荷の「喜鮪®金ラベル」は、本マグロ養殖を手掛けるグループ企業・西南水産(株)(注1)の甑島(こしきじま)事業所(鹿児島県薩摩川内市)で生産されたものです。ニッスイでは2014年度に完全養殖本マグロの生産に成功しており、このたび初出荷するのはこのロットです。

本マグロの養殖におけるコスト要因のひとつとして、孵化後の仔魚の飼料が挙げられます。ニッスイグループでは、中央研究所大分海洋研究センターの研究の成果として、一般的に使用されるイシダイ・キスなどの他魚種の孵化仔魚(餌用仔魚)を配合飼料に置換することに成功、餌用仔魚の孵化のタイミングや飼育管理が不要となり、省人化の足がかりをつけました。
西南水産で得られた受精卵は、大分海洋研究センターで孵化、上記の独自の配合飼料で育成されます。5~7㎝程度になると、西南水産の中間魚育成の海面漁場で越冬、その後同社の各漁場で出荷サイズまで肥育されます。なお、この漁場間の移送は、本マグロ運搬に特化したグループの専用船で行っています。

甑島事業所で水揚げされた本マグロは、同事業所に隣接する甑島加工場で栽割・包装してチルド配送でお客様にお届けします。水揚げする産地での加工により、品質と鮮度、おいしさを重視した最適なサプライチェーンを構築しています。
また、給餌方法や、水揚げから栽割、パッケージングに至るまでの工程に独自の工夫を凝らし、通常のマグロに比べてビタミンEに富み、うま味成分のイノシン酸が約2割向上し、色調にすぐれた本マグロをご提供します。

今後は、甑島事業所に加えて上浦事業所(大分県佐伯市)、また19年度秋にはニッスイグループ企業・金子産業(株)(注2)五島事業所でも、完全養殖本マグロの出荷開始を予定しています。

ニッスイでは、1987年にギンザケ用配合飼料の生産やギンザケの委託養殖事業を宮城県女川で開始して以来、30年間にわたり養殖および養殖関連の事業を展開してきました。
1988年にグループ企業のサルモネスアンタルティカ社(チリ)を設立してトラウト養殖事業を開始、国内では2004年にはブリ養殖を手掛けるグループ企業・黒瀬水産(株)(宮崎県串間市)の設立以降、本マグロ・ギンザケ・カンパチなどの養殖事業をグループ企業とともに展開しています。一方で、1993年に養殖関連の研究開発拠点として中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)を設立、人工種苗の開発や育種の研究、飼料・給餌・養殖魚の健康管理など、養殖関連技術の研究開発を行っています。また1996年にはブリやマダイなど西日本の養殖生産事業者向けに、養魚用配合飼料事業も開始しています。

2015~17年度の中期経営計画「MVIP2017」では、水産事業の方針「資源へのアクセスを強め価値の最大化を図る」のもと、「養殖事業の高度化」を推進してきました。このたびの国産完全養殖本マグロ「喜鮪®金ラベル」の出荷は、その成果のひとつと言えます。

一方、本中計では「CSR経営の推進」を掲げ、2016年3月制定の「CSR行動宣言」のもと、グループとして取り組むマテリアリティのひとつとして、「豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する」ことを挙げ、世界初のブリのASC認証取得(2017年、グループ企業・黒瀬水産(株)による)や、MSC認証を取得した水産物を使用した加工食品の取扱などに取組んでいます。

ニッスイグループの国内養殖事業では、本マグロに先立って、すでにブリ・ギンザケ養殖の一部で完全養殖を導入しています。このたび初出荷する国産完全養殖本マグロは、養殖事業の柱のひとつとして、2018年度を初年度とする新中計においてもさらに進化させていきます。

取組の経緯

2007年 ニッスイ中央研究所大分海洋研究センターが本マグロの種苗生産の研究に着手。
2011年 西南水産(株)が、奄美漁場で人工種苗由来の本マグロを親魚として育成開始。
2013年 ニッスイはマグロ向け配合飼料「T~セージ®(ティーセージ)」の生産・販売を開始。
2014年 西南水産(株)奄美漁場で人工種苗由来の親魚から受精卵を獲得、完全養殖を実現。
2014年 大分海洋研究センターが本マグロの孵化仔魚に与える餌用孵化仔魚に代わる配合飼料系列の開発に成功。
2016年 本マグロ養殖事業を手掛けるグループ企業・金子産業(株)(注2)が、同社鷹島栽培センターで生産した人工種苗を、同社黒島漁場で育成、これを親魚として採卵し、完全養殖を実現。グループ2社による種苗生産体制が整う。
2016年 大分海洋研究センターにて種苗の大量生産に成功、完全養殖本マグロの量産化が軌道に乗る。

注1 西南水産株式会社 会社概要

所在地(事業本部) 大分県佐伯市
代表者 代表取締役社長 山瀬 茂継
事業内容 魚類養殖、水産物販売
設立 1991年10月(2006年5月よりニッスイグループ企業)
資本金 15,000万円
株主 日本水産株式会社100%
事業所 上浦・奄美・甑島など養殖拠点7か所

注2 金子産業株式会社 会社概要

所在地(事業本部) 佐賀県唐津市
代表者 代表取締役社長 金田 進
事業内容 魚類養殖、水産物加工販売、飼料生産販売、冷蔵倉庫業など
設立 1987年4月(2012年4月よりニッスイグループ企業)
資本金 9,000万円
株主 日本水産株式会社100%
事業所 事業本部、黒島など養殖拠点6か所、鷹島栽培センター

以上