宮城県仙台市 株式会社仙台水産 『食は命』を合言葉に

2012年6月発行「GLOBAL」第72号収録

【写真】(左)まぐろが並ぶ仙台中央卸売市場
(右上)震災直後に休日返上で開場(水産白書より)
(右下)魚食普及のテレビCM

(左)まぐろが並ぶ仙台中央卸売市場
(右上)震災直後に休日返上で開場(水産白書より)
(右下)魚食普及のテレビCM

【市場】仙台市中央卸売市場と株式会社仙台水産

ルーツは政宗公の時代

関ヶ原の合戦(1600年/慶長5年)の翌年、伊達政宗公が居城を岩出山(現宮城県大崎市)からこの地に移したことが、城下町・仙台の始まりです。この時、城下にできた「さかな町」に移り住んだ五十集屋いさばや(魚問屋)が、今につながる仙台水産のルーツと考えられます。

時代は下って1918(大正7)年、仙台の8軒の問屋が合同して「株式会社仙台魚市場」を設立しました。これが仙台水産の創業の原点です。太平洋戦争の統制経済下になると、配給制度を担うため「宮城県水産物配給統制組合」、「宮城県水産配給株式会社(通称「宮水」)」へと形を変えていきました。宮水は仙台のほかに白石や古川など県内11カ所に営業所や出張所を配して、県内全体を掌握しました。

そして戦後、仙台市の要請によって既存2社の合併により、1960(昭和35)年に株式会社仙台水産が発足して、仙台市中央卸売市場水産部の業務を開始、現在は東北唯一の拠点市場として宮城県内はもとより東北一円を商圏として活動しています。

2010(平成22)年に創立50周年を迎えた仙台水産は、現在、多くのグループ企業(仙水グループ)とともに「食文化提案企業」として、食品、運輸、冷凍保管、商事、情報システムなどの多岐にわたる活動を展開しています。

魚食文化の普及を目指して

東日本大震災の際には、「仙台市中央卸売市場は(中略)『食は命』を合言葉に、震災の翌朝から半月間、休日返上で市場を開け続け、市場の社会的使命を果たしました」と平成22年版「水産白書」に紹介されました。

仙台の水産物の流通を担う仙台水産では、震災で壊滅的な被害を受けた生産者への支援に取り組むとともに、健康食である魚介類の地産地消や普及活動にも積極的に取り組んでいます。

市場内では毎月早朝、旬の魚介類の食べ方提案を行ってきました。9月の「はらこ飯」イベントは北海道漁連との連携で20年以上の歴史があります。市場開設50周年を迎えた昨年は、10月23日に50周年記念市場まつりを開催、大勢の市民の方々に足を運んでいただきました。

これまでも、NHKの番組で毎月数回、市場から旬のお魚情報をお茶の間にお届けしていましたが、昨年11月からは仙台のローカル局の主婦向け番組内で、魚食普及を目的としたテレビCMの放送を開始しました。三陸の旬の魚介類を月替わりで紹介しています。出演者は全員社員、手作り感覚のCMは好評をいただき、「仙台広告賞」のテレビ部門で金賞を受賞しました。また、当社の“お魚博士”こと廣澤一浩営業企画部長が、スタジオで旬の魚の調理実演をするテレビ番組のコーナーも、昨年11月から、月に一度生放送されています。

【写真】親子料理教室での廣澤一浩営業企画部長

親子料理教室での廣澤一浩営業企画部長

【写真】NHKの番組で市場から旬の情報を発信

NHKの番組で市場から旬の情報を発信

【写真】テレビで旬の魚を調理実演

テレビで旬の魚を調理実演

【地域】仙台市とは

宮城県中部に位置する県庁所在地。人口約105 万人(2012年4月1日現在)の政令指定都市で、東北地方の最大都市です。市都心部周囲には広瀬川や青葉山などの自然があり、また都心部にも街路樹などの緑が多いことから「もりの都」との別名で知られています。

仙台は祭りとイベントの街としても有名です。仙台青葉まつり、仙台七夕まつりをはじめ、伝統行事からイベントまで、四季折々に繰り広げられる杜の都のまつり絵巻が、華やかに街を彩ります。

仙水グループは毎年、魚食普及を兼ねた地域貢献の一環として青葉まつりに参加し、市場の元気を発信しています。今年は5月19日、20日に宝船をモチーフにした仙台水産の「御神船山鉾やまぼこ」の前を、仙水グループ踊り隊が、「仙台水産、魚がうまい!そーれそれそれ、かつおが来るぞ!」と威勢よく声を合わせ、軽やかに仙台発祥のすずめ踊りを披露しました。

【地図】仙台市
【写真】仙台水産の「御神船山鉾」とすずめ踊りの「仙水神船組」

仙台水産の「御神船山鉾」とすずめ踊りの「仙水神船組」

【郷土料理】はらこ飯・握り寿司/三陸の海の幸

はらこ飯

「はらこ(腹子)」は、いくらの方言。阿武隈川は昔からさけが遡上する川として有名で、仙台藩主はもちろん、将軍家にも秋の味覚として献上されました。さけの身と卵のいくらがのった「さけの親子丼」がはらこ飯ですが、阿武隈川の河口に位置する亘わたりちょう理町に伝わる昔ながらの作り方では、さけの煮汁で炊いたご飯に、煮込んだ秋さけといくらを混ぜこみます。

【写真】はらこ飯

握り寿司/三陸の海の幸

宮城は塩釜、石巻、気仙沼など有名な水揚げ基地を抱える水産県。めばちまぐろをはじめ、三陸の海の幸をふんだんに使った寿司も名物です。南三陸で養殖されている生銀さけ、上品な甘みが特徴の三陸うに、西の明石と並び称される志津川のたこ、世界最高峰の肉質と風味といわれている三陸のえぞあわびなど、おいしい寿司ねたがいっぱいです。

【写真】握り寿司/三陸の海の幸