兵庫県姫路市 丸魚水産株式会社 年3回の一般開放イベント

2012年11月発行「GLOBAL」第73号収録

【写真】左)鮮魚部近海課のせりの様子 右)2012 ICHIBAN グランプリ

姫路市中央卸売市場と丸魚水産株式会社

市場開場から55年

姫路市中央卸売市場は1957(昭和32)年、全国15番目の中央卸売市場として業務を開始、兵庫県の播磨地方、但馬地方を商圏とする総合卸売市場として開場しました。当初は古くから存在していた魚市場の移転問題などがあり、鮮魚部門は不在のスタートでした。

同市場に鮮魚部門が誕生したのはそれから3年後の1960(昭和35)年、卸売会社2社と仲卸34業者が入場し、名実ともに総合卸売市場としての陣容が整いました。現在は青果部、水産物部からなり、関連事業者を含め159の業者が所属、播磨・但馬圏の流通拠点市場として、重要な役割を担っています。

【写真】鮮魚部近海課のせりの様子

鮮魚部近海課のせりの様子

丸魚水産株式会社は、1957年、姫路市の妻鹿地区で魚問屋を営んでいた4社が中央市場入場に備えて合併し姫路中水株式会社を設立したのが始まりで、1959(昭和34)年に商号を現社名に変更して誕生しました。上述のように1960年に同市場に入場し、1962(昭和37)年には市場開設当初から塩干物の卸売業務を続けていた兵庫県海産物株式会社、旧市場久保町で卸売をしていた神戸海産物株式会社姫路支店と合併、商号は同社が引き継ぎました。以来、同市場において、生鮮水産物、冷凍水産物、加工水産物の卸売を主とする農林水産大臣の認可を得た荷受機関として役割を果たし、今年で設立55年を迎えました。

2010(平成22)年3月には、日本水産株式会社の持ち株比率をそれまでの9.7%から20%に引き上げて、ニッスイグループの持分法適用会社となりました。

イベントを通じて、開かれた市場に

2012 ICHIBANグランプリ ポスター

卸売市場は安全・安心な生鮮食品を安定供給する大事な使命を担っています。広く市民にこの卸売市場の存在を知っていただき、買い物を楽しんでもらおうと、年3回、市場を開放するイベントを行っています。

春休みには仲卸棟を開放して一般の方が普段できない仲卸店舗での買い物体験を、9月の上旬には「ICHIBANグランプリ」と銘打ち、鮮魚のせり場を会場にして市場の食材を使った模擬店やイベントを開催、そして12月上旬には「市場まつり」として年末年始の食材を販売するとともに「市場ウルトラクイズ」などのイベントも併せて開催しています。卸売市場の開放イベントは恒例の催しとして広く親しまれ、例年、多くの来場者でにぎわいます。

「市場市民感謝デー」として行う「ICHIBANグランプリ」は、2年前から姫路商工会議所青年部との共催とし、昨年は女子プロレスラーのジャガー横田さんをゲストに「食育プロレス」を開催、今年は地元出身の吉本興業のタレント、ぜんじろうさんを司会に迎え、地元FM局の番組「FMゲンキ」の生放送を交え、最後には市場の商品を賞品にした大抽選会を行い、大いに盛り上がりました。

また、1985(昭和60)年から私たち卸売業者と仲卸組合、小売組合が協力して「魚の料理教室」を、年に20数回のペースで開催しており、今年で718回を数えます。従来、対象は市内の各婦人会や学校のPTA会員が中心でしたが、2年前から小学校、中学校で家庭科の授業の一環としてとり入れられています。学校での料理教室では、いわしやあじなどを生徒がさばき、先生や保護者の協力のもと、天ぷらにして試食します。子どもたちの魚離れがいわれていますが、子どもはおいしいおいしいと喜んで食べてくれています。成果はすぐに現れないかもしれませんが、魚食が普及していくことを願って活動しています。

【写真】2012 ICHIBAN グランプリ

2012 ICHIBAN グランプリ

【写真】魚の料理教室

魚の料理教室

姫路市とは

兵庫県南西部に広がる播磨平野の中央部にあり、神戸市に次ぐ第2位の人口(約53万人)と商工業を誇る中核市です。市の中心部には日本で初めて世界文化遺産に登録された姫路城がそびえ、播磨灘沖の家島諸島は豊かな漁場として知られています。

戦前戦中は軍都、文教・商工都市として発展し、戦後は重化学工業による産業都市へと目覚ましい変貌を遂げてきました。現在は姫路駅周辺整備プロジェクト等が進行しており、姫路駅を中心に大きく変わりつつあります。

3基のみこしをぶつけ合う神事と7台の屋台が勇壮豪華に練り競う屋台練りで有名な「灘のけんか祭り」(10月14・15日)は、天下の奇祭として知られています。その他、4月上旬の「姫路城観桜会・姫路城お花見太鼓」、「姫路ゆかたまつり」(6月22日~24日)、「姫路城観月会」(中秋の名月の日)なども姫路らしい祭りです。

【写真】姫路城

姫路城

【地図】姫路市
【写真】灘のけんか祭り

灘のけんか祭り

姫路の郷土料理

いかなごのくぎ煮

【写真】いかなごのくぎ煮

生のいかなごを醤油やみりん、砂糖、しょうがなどで水分がなくなるまで煮込む“つくだ煮”です。煮崩れを防ぐため、煮込む際には一切かき混ぜません。炊き上がったいかなごは茶色く曲がり、その姿がさびた釘に見えることから「くぎ煮」と呼ばれるように。3月上旬にいかなご漁が解禁されると、各家庭でいかなごを炊く光景が見られ、くぎ煮は各地の親戚や知り合いに贈られて「春の風物詩」となっています。

・材料

いかなご 1kg、砂糖(ザラメ)250g、醤油 200cc、みりん+酒 200cc、しょうが 50g

・作り方

  • 1 いかなごを洗い、しっかり水切りします。しょうがは皮ごとせん切り。
  • 2 いかなご以外の材料を煮立てます。
  • 3 煮汁に数回に分けていかなごを入れ、落としぶたをして、煮汁がなくなるまで煮詰めます。
  • 4 煮あがったいかなごをざるにあけ、煮汁を切って手早く冷まします。

姫路おでん

【写真】姫路おでん

姫路ではだしが薄味の関西風とだしが濃厚な関東風の2種類のおでんが広まっていますが、どちらも“しょうが醤油”で食べる風習があります。この食べ方が「姫路おでん」と呼ばれるようになりました。昨年、姫路で開催されたB級ご当地グルメの祭典、B1グランプリには2日間で過去最高の51.5万人が訪れ、そこでは姫路市を代表してこの「姫路おでん」がB級ご当地グルメとして出品されました。

・材料

焼ちくわ、さつま揚げ、ごぼう巻き、がんもどき、大根、こんにゃく、卵、だし汁、薄口醤油、みりん、酒、塩、※濃口醤油、しょうが

・作り方

  • 1 大根、こんにゃくは下ゆでします。卵はかたゆでにして殻をむいておきます。
  • 2さつま揚げ・ごぼう巻き・がんもどきは熱湯をかけ、油ぬきをします。
  • 3 鍋に①の材料と煮汁を加えて火にかけ、煮立ったら弱火にし、20分ほど煮込みます。さらに②を加え、20分以上煮込んでできあがり。食べる時にしょうが醤油につけていただきます。

あなご丼

【写真】あなご丼

あなごは、関東では煮あなごで食べることが多いですが、関西では焼きあなごが一般的です。焼きあなごに甘辛いたれを絡ませた蒲焼きを、熱々のごはんにのせたあなご丼は姫路の名物料理です。

専門店では、あなごの造りから、蒸しあなご、あぶり、白焼き、蒲焼き、天ぷら、焼きしゃぶ、握り、柳川鍋などまで、さまざまな料理法で提供されています。春先の一時期に出回る、しらうおを思わせる透明なあなごの稚魚は“のれそれ”と呼ばれ、珍味として生食されます。

・材料

あなご(開きあなご、もしくは焼きあなご)、たれ(濃口醤油、みりん、酒、砂糖)、ねぎ、ごはん

・作り方

  • 1開きあなごは金串を末広に打ち、塩少々をふり、遠火の強火で焼き色がつくまで皮目、身側の順に焼きます。グリルでも酒少々をふり焦がさないように焼けば白焼きができます。
  • 2 同量の醤油とみりんを煮詰め、加熱しながら酒と砂糖で甘みを調整します。
  • 3 ①を②のたれに漬け込み、こがさないように数回焼きます。
  • 4 ごはんに③ときざんだねぎ少々をかけて完成です。