環境報告書:ごあいさつ

【人物写真】2011年10月 日本水産株式会社 代表取締役 社長執行役員 垣添直也本年3月11日に発生した日本観測史上最大の東日本大震災と巨大津波、更に原子力発電所の事故が未だ世界を揺るがしています。こうした中、国内はもとより世界中からの支援の輪を背景に復興構想がまとまり、被災地の皆様が悲しみと厳しい現実を乗り越えて明日に向って力強く立ち上がりつつあります。

私どもニッスイグループも、東北に事業拠点を多く有していることから、大きな被害を受けました。震源地に近い女川工場、女川油飼工場は壊滅し、一部の従業員とご家族の方々の尊い命を失いました。また、グループ会社の(株)ハチカン久慈工場、日水物流(株)仙台港センターが破壊され、茨城県鹿島地区、千葉県船橋地区の事業所では液状化現象による被害を受けました。この国難とも言える災害の中で、ニッスイは本年創業100周年の節目を迎えました。

ニッスイは創業以来「水産物を適切な資源管理の下に持続的に利用する」ことを大切にしてきました。このことは、世界のパートナーとともに、漁業、養殖、加工、物流、販売、研究・開発、品質管理等様々な機能で国境を越えて構築した、グローバルネットワーク「Nissui Global Links」の共通の理念でもあります。

昨年名古屋でCOP10(生物多様性条約第10 回締約国会議)が開催されました。この会議で、生態系保全の世界目標「愛知ターゲット」が採択され、2020年までに海域の10%に保全水域を設定することが決められました。このことは、水産資源の保護に資するものであり、ニッスイにとっては大変重要な内容であります。

資源の持続的利用(サスティナビリティ)に関しては、左記の「Nissui Global Links」としての基本方針を定め、運営に当りグローバルリンクスサスティナビリティボードを新設、そのもとにサスティナビリティオフィサーを任命しました。一方、国内においては、昨年より一般社団法人水産資源・海域環境保全研究会に入会し、この研究会活動を支援することで水産資源の持続的利用を推進しております。

また、本報告書で特集した東京イノベーションセンターは、次の100年に向けて事業を通した社会への貢献と、環境への配慮を重視して新設しました。特に隣接地である宇津貫緑地より実生苗の提供を戴き、生物多様性保全の観点から地元の遺伝子を敷地内に移植しました。

環境への負荷軽減は、グループ全体で2003年度より継続してCO2、廃棄物、使用水の節減に努め、四半期毎の環境委員会にて検証し、都度対応を行っております。

また、循環型社会構築への貢献に関しては、伊万里油飼工場が子会社の食品循環資源を有効活用して、社団法人日本科学飼料協会より水産飼料としては日本で初めての「エコフィード」認証を受けることができました。グループ会社の黒瀬水産(株)が、この飼料をぶり養殖に使用することから、グループの中で原料から製品まで繋がる仕組みを作り上げることができました。

今後とも地球環境を取り巻く種々の課題に、ニッスイグループとして取り組んでまいります。

2011年10月
日本水産株式会社
代表取締役
社長執行役員垣添 直也

ニッスイ環境報告書について

編集方針

この報告書は、ステークホルダー(お取引先、従業員、株主、消費者、地域社会)の皆さまに向けて、日本水産(株)の環境への取り組みについて報告するもので、今回で7回目の発行となりました。環境保全活動の数値データについては、日本水産(株)個別に加え、国内の一部のグループ会社も含んで掲載し、内容の充実を図りました。取り組み事例については、数値データ対象会社以外のグループ会社からも紹介しています。

報告対象期間

環境保全活動の数値データについては、2010年度(2010年4月~2011年3月)のデータを掲載しています。環境マネジメントシステムや具体的な取り組み事例などについては、2010年度の活動を中心に2011年7月までの活動を掲載しています。

報告対象組織

日本水産(株)個別と国内の一部のグループ会社を対象としています。環境保全活動の数値データは、下記の日本水産(株)の事業所とグループ会社について、事業区分ごとに合算しています。なお、具体的な取り組み事例などについては、数値データ対象外のグループ会社の活動も含んでいます。

【環境保全活動の数値データの対象となる事業所・グループ会社】

水産事業 日本水産(株)/伊万里油飼工場・境港工場・船橋水産加工センター*、黒瀬水産(株)、
中谷水産(株)
食品事業 日本水産(株)/八王子総合工場・安城工場・姫路総合工場・戸畑工場、(株)ハチカン*、モガミフーズ(株)、(株)北九州ニッスイ、日豊食品工業(株)、日本クッカリー(株)、
(株)チルディー、(株)群馬フレッシュフーズ、(株)北陸フレッシュフーズ
ファイン事業 日本水産(株)/つくば工場・鹿島工場
物流事業 日水物流(株)

* 今回より数値データの対象となった事業所
(注)東日本大震災で被災した女川工場・女川油飼工場については、報告の対象外としました。

参考としたガイドライン

環境省「環境報告ガイドライン2007」