ニッスイグループ企業・黒瀬水産(株)が世界初のブリASC認証を取得
2017年12月21日
日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 大木伸介、東京都港区)の連結子会社である黒瀬水産株式会社(代表取締役社長 山瀬茂継、所在地:宮崎県串間市)が、2017年12月16日付で、世界で初めてブリのASC認証(ASC Standard :ASC Seriola & Cobia Standard V1.0)(注1)を取得しました。
また、黒瀬水産では、ASC認証の養殖魚を出荷するため、2017年11月30日付で同社の加工場についてCoC認証(注2)も取得しました。
- (注1)ASC認証
養殖業が持続可能な方法で運営され、周辺の自然環境や地域社会への配慮が行われている「責任ある養殖水産物」であることを証明するもので、WWF(World Wide Fund for Nature、世界自然保護基金)とオランダの持続可能な貿易を推進する団体であるIDH(The Sustainable Trade Initiative)が設立支援した水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が運営しています。
この認証制度は自然資源の持続可能な利用を補いながら、養殖そのものが及ぼす環境への負荷を軽減し、これらに配慮した養殖業に携わる地域の人々の暮らしを支えるための社会的な仕組みの一つです。
ASC認証の対象魚種は、ティラピア、パンガシウス、サケ、エビ、マス、二枚貝、アワビなど30種があり、全世界で36か国554養殖場が取得しています(2017年12月19日現在)。このほど黒瀬水産がASC認証を取得したブリは31番目です。
なお、天然魚に対する認証制度はMSC(海洋管理協議会、Marine Stewardship Council)が運営しています。 - (注2)CoC認証
MSCが管理運営する、加工流通過程の管理(Chain of Custody)に対する認証のことで、製品の製造・加工・流通の全ての過程において、認証水産物が適切に管理され、非認証原料の混入やラベルの偽装がないことを認証します。
黒瀬水産では、これまで「食品安全のためのマネジメントシステム」の確立・維持のために、2011年3月15日付で養殖場と加工場についてISO22000:2005の認証を取得しました。養殖での同認証取得は日本初のことです。さらに、2016年2月25日付で加工場がFSSC22000を取得しました。同社ではこれらの認証取得を通じて、養殖から加工・出荷まで一貫して食品危害を防ぎ「安全で安心かつおいしい黒瀬ぶり」をお届けしています。
このたびASC認証を取得したことで、社会的な責任を果たしながら養殖を進めていく企業姿勢が具体化されました。
またニッスイでは、2016年度よりCSR経営の推進に着手しており、 重要課題の特定を通じてニッスイグループが取り組む以下の3つのマテリアリティを決定しました。
- (1)安全・安心で健康的な生活に貢献する
- (2)豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する
- (3)社会課題に取り組む多様な人材が活躍できる企業を目指す
このうち「水産資源の利用と調達」においては、資源の維持と労働における人権課題の解決が求められています。 ニッスイグループは海の恵みに感謝し、これからも漁業・養殖などにおいて資源を持続的に利用する技術開発に取り組み、環境や資源を次の世代につなぎます。また、サプライヤーとの協働により、人権を尊重した持続可能な調達を推進します。
黒瀬水産株式会社 会社概要
本社所在地 | 宮崎県串間市西浜2-15-4 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 山瀬 茂継 |
設立 | 2004年1月8日 |
資本金 | 4億9,800万円 |
株主 | 日本水産株式会社100% |
従業員数 | 199名(2017年4月1日現在、パート含む) |
事業所 | 本社・加工場・養殖場(宮崎県串間市) 延岡支社(宮崎県延岡市)、内之浦事業所(鹿児島県肝属(きもつき)郡)、 頴娃(えい)種苗センター(鹿児島県南九州市) |
事業内容 | 人工および天然種苗によるブリの養殖、加工および販売 |
その他の取得認証 | 対米国輸出水産食品取扱施設認定(2004年4月) 対ロシア輸出水産食品取扱施設認定(2007年8月) 対EU輸出水産食品取扱施設(2007年10月) ISO22000:2005(2011年3月15日) FSSC22000(2016年2月25日) |
以上