台湾・大明食品工業の冷凍えだ豆第二工場が稼働
2019年03月01日
日本水産株式会社(代表取締役社長執行役員 的埜明世、東京都港区、以下「ニッスイ」)のグループ企業で、ニッスイブランドの冷凍えだ豆を生産する大明食品工業股份有限公司(董事長 蔡敬虔、台湾・高雄市)の第二工場が、2019年1月より本格稼働しましたので、お知らせします。
同社では、工場近辺のえだ豆栽培農家と密接な協力体制を構築しており、収穫後間もない高鮮度のえだ豆を工場に速やかに搬入し、鮮度を失う前に加熱・冷凍して製品化しています。
既存の第一工場が老朽化していることに加えて、さらなる生産能力の向上、安全性や衛生管理の追求のため、このほど第二工場を新設しました。日本の冷凍えだ豆市場の拡大とともに、食べ切りの少量品から業務用向けの大容量品まで商品規格も多様化しており、効率的な生産にも対応します。なお、第一工場は主に繁忙期に限り半製品の製造などを行います。
<第二工場の特徴>
- 色彩選別機を導入、夾雑物や変色した豆の除去などを行う選別工程を効率化しました。
- 多様な商品規格に対応するため、自動包装機を導入して包装能力を増強しました。
- 1時間あたり8トンの凍結能力をもつトンネルフリーザーを導入しました。
- 省エネのためLED照明を導入、また建屋屋上にはソーラーパネルも設置しています。
冷凍野菜事業は人件費に影響されやすいといわれますが、同社の台湾産冷凍えだ豆事業は、機械による自動化と人による目視選別を両立させて現在の高い品質を実現し、基幹事業に育ちました。
同社では、今回の第二工場稼働を機に、冷凍えだ豆製造における生産性の改善と品質の向上をいっそう進めます。
和食文化の世界への広がりに伴い、ニッスイグループでは、安全・安心の冷凍えだ豆を、日本のみならず世界のマーケットに広めていきます。
同社の強み
おいしい冷凍えだ豆の生産に最も重要なことは、良質な生鮮えだ豆を確保することです。同社では、約410ヘクタールの自営農地を保有する「組長」と呼ばれる栽培組織と1対1の関係を構築しており、この組織の使用農薬や肥培管理などの栽培ノウハウによる良質な生鮮えだ豆を、原料として調達しています。
また、特有の香りとコクで市場の高い評価を得ている冷凍茶豆については、台湾で高いシェアを誇っています。
同社の歩み
同社は1972年の設立以降、同国産のえび「ブラックタイガー」を生産するなど農水産品の加工・販売を行っていましたが、1980年頃、冷凍えだ豆などの農産冷凍食品にシフトしました。1980年代後半には、冷凍食品「塩あじえだ豆」をニッスイと共同開発し、後に日本や海外市場で評価される差別化商品として成功を収めました。1990年頃には、対米輸出も開始しました。
現在、同社は台湾のえだ豆の生産量の約2割を占め、質・量ともに業界最大級の冷凍えだ豆メーカーに成長しました。
同社はグループ企業として、1996年に「大福(長泰)食品工業有限公司」(中国福建省)を、2002年に「大越(慈渓)食品工場有限公司」(中国浙江省)を設立、えだ豆のほかにもブロッコリー・そら豆・いんげん・和風野菜ミックスなどの冷凍野菜を生産しています。
栽培での農薬管理については、ニッスイグループ企業「青島日水研究開発有限公司」と連携して使用農薬の管理や残留農薬の検査などを実施し、安全・安心を担保しています。
同社は、2007年12月にニッスイグループ企業となり、ニッスイとの一体感をより強めて活動しています。
第二工場 設備概要
名称 | 大明食品工業股份有限公司 |
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所在地 | 台湾高雄市大寮区大発工業区大有二街1号 |
工場建築面積 | 4,722m2 |
工場延床面積 | 9,107m2 |
構造 | RC4階建 |
主要設備 | 急速凍結機・自動包装機・色彩選別機・冷凍庫 |
設備能力 | 生産能力・最大12,000トン/年 |
第二工場 建物外観
大明食品工業股份有限公司 会社概要
本社所在地 | 台湾高雄市大寮区大発工業区大有二街1号 |
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代表者 | 董事長 蔡 敬虔 |
設立 | 1972年8月(2007年12月よりニッスイグループ企業) |
資本金 | NT$100百万 |
株主 | 日本水産株式会社25% |
従業員数 | 156名(2019年1月1日現在) |
事業内容 | 農産冷凍食品の製造 |
事業所 | 第一工場、第二工場(いずれも高雄市大寮区大発工業区) |
関係会社 | 大福(長泰)食品工業有限公司(中国福建省漳州市) 大越(慈渓)食品工場有限公司(中国浙江省寧波慈渓) |
取得認証 | 台湾HACCP認定(2007年4月) |
以上