PERSON

生き方も、商品づくりも、
大切なのは、地道な努力。

商品開発部 冷凍食品開発課
稲賀 Inaga
職  掌: R&D
職  種: 開発
仕事内容: 冷凍食品の開発
入  社: 2019年

人生に、楽はない。

「楽な方に逃げると、ダメになる。」私がそんなことを学んだのは、中学・高校で青春を捧げた水泳での経験でした。ライバルたちよりも、そして過去の自分よりも、0.01秒でも速く。そのためには「効率の良いトレーニングをし、効率の良い泳ぎ方を身につけるべき」と考えてはいたものの、私はその考えを「手を抜いて楽をする」という間違った解釈をし、練習を続けていました。

その結果、タイムは伸び悩み、チームメイトにも差をつけられることに。その時に、私は効率を求めるよりひたむきに努力する事の方が向いていると気づきました。それからは、地道にコツコツと練習する日々を送り、ついに全国大会に出場できるまでの選手になりました。

大学でも、何かに真剣に取り組みたいと思い、何気なく立ち寄ったボート部に入部。当時は私も含め、初心者が多い部だったのですが、みんなのやる気がみなぎっている雰囲気が好きでした。ストイックな環境の中で私は、朝から晩までを仲間たちとともに、水の上で過ごしました。

きっと、私は「何をするか」よりも「誰とやるか」を大切にするタイプなのだと思います。当社に入社を決めたのは、就職活動を初めて間もない頃。それほど多くの会社を見比べた訳でもないですが、ただ、面接でお会いした社員の方の印象や社風で、内定受諾を即決。これは本当に私の直感です。「なんだか水が合いそう」だな、と。

閃きをもとに、
新商品を開発。

商品開発部に配属となった私の仕事は、文字通り、商品を生み出すことです。商品化を実現するには、まずは企画を提案し、承認を得る必要があります。入社1年目だった私は、先輩の見よう見まねで企画書を作成し、提出してみるも、箸にも棒にもかからず...。悔しい思いをしてばかりでした。

しかし、転機がある日、突然やってきます。それは、2020年の夏、入社2年目の話。鶏肉を使った冷凍食品の企画を考えていた私は、新商品の「ネタ」になるものを探していました。世間は新型コロナウイルスの影響により、不要不急の外出が自粛され、あれだけ街を行き交う人が溢れていた東京でさえ、人影はまばらに。スーパーやコンビニなどの店内も閑散とする状況の中、お昼ご飯を買いに入ったコンビニで、あることに気づきました。通常レジの横で販売されている「ホットスナック」が品切れしていることに。

それが、閃きにつながりました。コンビニ各社で人気のある、あの「骨なしフライドチキン」を、家庭でも安心しておいしく食べられたなら、在宅する時間が増えた今、「消費者のニーズとお腹を満たせる商品になるかもしれない」と。

すぐに会社に戻り、フライドチキンのつくり方を調べてみました。しかし、ここで暗雲が立ち込めます。今までも当社は、バラエティーに富んだ鶏肉の冷凍食品を開発・販売してきたものの、「骨なしフライドチキン」の実績は、私の調べた限りありませんでした。つまりそれは、私たちにとって前例のない商品であり、参考にできるレシピも存在しない商品だということ。「さて、どうしたものか。」と立ち止まりました。

商品開発に表れる、
自分の性格。

理想は、コンビニで販売されているチキンの、あの味と食感。それならば、試食を繰り返して、自分の舌で理想を追い求めればいい。近所のコンビニを巡って、商品を買い込み、食べては商品を研究していく。そこで気づいたことをメモしては、会社のキッチンで実際に試作して、自ら再現した商品を食べてみる。

「肉の食感が固すぎて不味い。」「フニャフニャな衣が食欲をなくしている。」良くも悪くも正直者で取り繕わない自分の性格が、良い具合に試作品の「批評家」として機能しました。そしてまた、自分自身をどうにか唸らせたいと、商品づくりに没頭。常に自問自答を繰り返し、手にしたヒントを頼りに突き進む私は、1日のほとんどを会社のキッチンで過ごすようになりました。

発売されたなら、世の中に何万食と出回る可能性がある商品。会社が商品化を決断するハードルはやはり高く、何度も提案をすることに。それでも自分がめげなかったのは、「何ごとも近道なんてない」という、学生時代の経験で得た考えから。学生時代に学んだことは、社会でも役に立つ。そんな気がしています。

その後、商品化された「骨なしフライドチキン」は、量産体制に入り、全国の冷凍食品売り場に並ぶに至りました。初めてイチから企画した商品。思わず、私は近くのスーパーまで確認しに行ったぐらい、嬉しかったことを覚えています。

次はどんな商品をつくろうか。今日も私は、キッチンで地道に頭を捻る日々を過ごしています。誰もが知るヒット商品をいつか開発することを、夢みながら。

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