PERSON

データサイエンス養殖
への挑戦。

中央研究所 養殖基盤研究室
北田 Kitada
職  掌: R&D
職  種: 研究
仕事内容: 養殖の研究
入  社: 2017年

きっかけは、
あの日に食べた「ぶり」の味。

2015年当時、大学院生だった私は山梨県山中にある大学の研究施設でサケ科魚類を用いた研究を行っていました。研究の対象が生き物であるため、たとえ年末年始であったとしても、その飼育管理に休みなどありませんでした。毎年、年末には研究室OBから慰労をかねて日本水産の「ぶり」を差し入れしてもらうことが恒例となっており、その年越しは、研究室メンバーとワイワイガヤガヤ、楽しく、そのぶりを頬張りました。そのぶりは本当においしく、日本水産という企業、そして養殖という事業に興味を持つきっかけとなりました。

日本水産の養殖事業とその研究内容を調べてみると、さまざまな場所でさまざまな魚種の養殖に取り組んでいることが分かりました。また、その研究では、種苗の生産技術、養殖魚の育種、配合飼料の研究など、取り組み内容は多岐にわたり、それらの研究活動に大きな力を注いでいることを知りました。そして、このぶりがきっかけとなり、後の就職活動での企業の選択には迷いはありませんでした。

現在、私は養殖に関するデータサイエンスに取り組んでいます。養殖事業の日々の活動の中で、どの生簀に何時にどの飼料をどれだけ与えたか、その日、その時の天気や水温や水質などの環境はどうだったか、など、さまざまなデータが記録されています。それらデータを情報処理し、養殖の効率化・高度化に繋がる有用な知見を引き出す研究を進めています。たとえば、統計学による分析によってデータ間の関係性を明らかにすることや、機械学習や計算機シミュレーションを用いて、養殖魚の成長を予測することに取り組んでいます。

データサイエンスの道へ。

日本水産に入社後、私は大分県にある日本水産の海洋研究センターに在籍し、養殖魚の種苗の生産に関わっていました。種苗とは生まれたての魚の赤ちゃん。わずか数mmのこの生き物を健康に育てるには、餌を与えるタイミング、その量、水質、水温など、きめ細やかなケアが必要です。都度都度の対応は一筋縄ではいかず、研究員の試行錯誤を繰り返した多くの経験によって鍛えられた勘やセンスが問われるものでした。

まだまだ、自分の経験が不足する中で、より良い種苗の飼育方法を開発していく中で、多くの飼育データに頭を悩ませているときに、複雑な情報から有用な情報を引き出すデータサイエンスという領域に興味を持つようになりました。ただ、インターネットや入門書などの情報を見ても、ほぼ意味不明。チンプンカンプンな専門用語を前に手も足も出ない状態でした。

ちょうど、社内でもデータサイエンス領域への気運が高まる中、研究所でも養殖事業についてデータサイエンスを用いて養殖を高度化・効率化する研究がスタートし、私も研究メンバーとして加わることができました。養殖は自然相手とはいえモノ作り。データサイエンスを活かせれば、安全・安心で高品質な養殖魚を、より効果的に低コストで製造できるのでは?

データを活用した
養殖技術の確立へ。

しかし、研究の開始当初、データサイエンスに関しては、専門的な教育を受けてきたわけでなく、聞きかじりの知識しか持っていませんでした。ただ、養殖現場には、これまで多くのデータが保存されていることから、当社グループの養殖事業の高度化・効率化へデータサイエンスの手法には大きな可能性を感じています。

これまで、養殖現場の担当者の経験則や勘に頼っていた養殖魚の育成を、データサイエンスを活かして、効率化・高度化に繋げられないか。とはいえ、私自身、データサイエンスに関してはずぶの素人。研究を行うには、まず、私自身がデータサイエンスの専門的な知識・技術を身に付ける必要がありました。そこで、会社の支援を受け、社外のデータサイエンススクールに就学することができました。スクールでの就学で基礎的な知識・技術を身に付けることができたものの、まだまだ、身に付けなければならない知識・技術は多く、社内の専門研究員や共同研究先の専門機関に助言をいただきながら、試行錯誤を重ね、日々、スキルアップを続けています。

当社にとっても、データサイエンスの取り組みは日が浅く、養殖現場への研究成果の応用が始まったばかり。一つの研究成果を養殖現場に応用するにも、現場や社内の他部署の多くの人が関わることから、相手の意見を尊重しつつも自分の意見をどこまで通せるか。ただ、養殖事業をより良いものにしたいという気持ちは皆、同じ。まだまだ、未熟で意思疎通が十分でなく、思ったように物事が進まないことも。そこは開き直り、何度も何度も丁寧に説明することを意識できるようになりました。

日本水産では、会社の状況や自身の希望により、研究職でも研究テーマの変更は珍しいことではありません。さらには、自身の希望により、営業、製造、品質管理など他の職種への変更も可能なことから、入社後のキャリア選択に対しチャレンジできる風土や仕組みがあります。基礎研究から製品販売まで幅広い職種があるのも当社のようなメーカー企業の大きな特徴かと思います。
私自身も入社時に持っていた養殖研究のイメージとは全く異なる研究テーマに携わるようになりました。魚という生き物を相手にした研究活動から、膨大な養殖データを相手にする研究活動へとその内容は大きく変わりましたが、それまでとは異なる角度で養殖事業をみることができるようになったと感じています。まだまだ、経験が足らないことから、養殖現場でのオペレーションへの理解が十分でなく、養殖の日々の活動の中で、どのような現象が起こっているのか、そして、どのようなことを検討すべきなのか、を理解することが目下の課題です。また、複数の解析を同時にこなすことが要求されることから、課題の重要性、作業時間を勘案した優先順位付けを早く身に付けたいと思っています。

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