深海は21世紀のフロンティア

2009年3月発行 第62号収録

地球表面の7割以上を占める海洋は、私たちにさまざまな自然の恵みを与えてくれます。また深海は鉱物資源やバイオ資源の宝庫であり、さらに地球の環境変動、地震発生のメカニズムを解明する鍵を握っています。ニッスイが100%の株を持つグループ会社、日本海洋事業株式会社は、独立行政法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有する海洋・深海調査船の運航・管理業務を受託、世界に誇る深海調査・研究を支え、貢献しています。

日本海溝近辺の大規模な地殻変動によって、1年以内に日本が沈没する…。小松左京氏のベストセラー小説『日本沈没』を2006年にリメイクした映画で、その危機を最後に救ったのが有人潜水調査船でした。この映画では構想段階からJAMSTEC、日本海洋事業などが全面協力しました。有人潜水調査船「しんかい6500」(以下6K)や「しんかい2000」(以下2K)、地球深部探査船「ちきゅう」なども登場、さらに現役のスタッフが撮影協力し、重要な役割を果たしています。

かつて暗黒の世界として人類を拒絶していた深海。深海に生物がいることさえ、信じられていませんでした。19世紀末頃から深海にメスが入り、20世紀に入ると、科学技術の発達に伴い、海洋科学は大きく発展しはじめましたが、たとえば陸の平均標高が約800mなのに対し、海洋の平均水深は3,800mもあります。また、深海では光や電波も届きません。深海は宇宙よりも調査が難しいともいわれ、いまも未知の部分が多いところなのです。

一方、深海底にはさまざまな鉱物資源やバイオ資源が存在することがあきらかになり、また地震や温暖化など地球環境変動を解明する鍵を握っていることも分かってきました。また海底ケーブルの敷設のために、海底地形や地質の詳しい探査も求められています。21世紀、深海は学問的にも社会的にも重要なフロンティアなのです。