ファインケミカル事業

EPA(エイコサペンタエン酸)を軸に水産資源由来の化成品の安定供給と
さらなる高度化に向けて独自の技術を磨いています。

ニッスイでは、1980年に千葉大学医学部とともにイワシなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)の疫学調査に着手して以来、約40年にわたりその研究や生産・商品化に取り組んでいます。
EPAの高度精製技術を確立し、製薬企業との共同研究の結果、1990年に閉塞性動脈硬化症、1994年に高脂血症の治療薬として認可され、これらの医薬品原料を生産・供給しています。
また、EPAの持つ多様な作用に注目し、機能性原料として生産・供給するほか、特定保健用食品・機能性表示食品、サプリメントなどの健康食品も開発・提供しています。原料となるイワシ油の調達や貯蔵・加工は、国内外のグループ企業と連携し、ニッスイ独自のEPAのグローバル・サプライチェーンを構築しています。ほかにもDHAなどの水産資源由来の特長ある素材も手掛け、さまざまな分野で活用されています。

※EPAとは:
1970年代デンマークでのイヌイットの疫学調査により、その存在や効能が知られるようになりました。イワシなどの青魚に含まれるオメガ3系の必須脂肪酸で、人間の体内ではほとんど作られないため、食物として摂取しなければなりません。EPAには、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。

EPAサプライチェーン

対EU・HACCP※1、GMP※2認定工場で独自の技術により、高純度化・高脱臭脱味・ダイオキシン等環境汚染物質の除去を実現

  • ※1HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
  • ※2GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品および医薬部外 品の製造管理および品質管理の基準)
  • 更に高まるEPAの可能性

    2018年、米国で医薬用EPAの効能に関する大規模臨床試験「REDUCE-IT」の結果が公表され、高純度EPAが循環器疾病の発現を抑制することが証明されました。これにより、米国での高純度EPA製剤市場の拡大が期待されています。これを見越してニッスイでは、2018年1月にファインケミカル総合工場鹿島医薬品工場を稼働させ、海外への医薬品供給に不可欠なGMP認定の取得など、世界の医薬品市場にEPAを送り出す体制を整えています。

    ニッスイのEPAへの取り組み