日本初、国際基準の海洋サバイバル訓練施設 日本サバイバルトレーニングセンターオープン

ニッスイは2011(平成23)年4月、100%子会社のニッスイマリン工業により、日本初の民間の海洋サバイバル訓練施設「日本サバイバルトレーニングセンター(NSTC)」を設立しました。NSTCは、海洋サバイバル訓練を世界基準にのっとって提供することで、世界の海で活動する人々が事故に直面した際に、冷静に判断し、行動できる能力を身につけ、生命の安全を守ることに寄与します。

【写真】ニッスイパイオニア館(右)に隣接する日本サバイバルトレーニングセンター(左)

ニッスイパイオニア館(右)に隣接する日本サバイバルトレーニングセンター(左)

海洋産業従事者の生命の安全を守ることを目的に

漁業だけでなく海運、海洋資源開発などの海洋産業は生命の危険を伴う作業が数多くあります。近年、日本の海難事故の死亡・行方不明者数は年間約200名にの上っており、決して少なくありません。NSTCは、さまざまな海洋産業従事者に海洋安全教育訓練を行い、サバイバルスキルを高めることで人的損失の低減を図ることを目的としています。

国際的な海洋安全教育機関としては、1991(平成3)年にイギリスで設立された海洋石油産業訓練機構(OPITO)があり、これが国際基準とされています。OPITOは1988(昭和63)年にイギリスで起きた海上石油施設での事故をきっかけに設立されたものです。2011年3月現在、32カ国113訓練施設がOPITOの認証を受けています。しかし、アジアではこれまでマレーシアの訓練施設しか認証を受けておらず、OPITOの修了証は、海外で受講しないと取得することができませんでした。

NSTCは10月にOPITOの審査認証を取得することで、受講希望者は、OPITOの修了証を国内で取得することが可能になります。NSTCには、自衛隊や消防、海上保安庁などの救難活動、サバイバル訓練などの実務経験豊かなトレーナーが多数おり、OPITO基準の訓練が日本語または英語で実施されます。また、北九州市立大学とは海洋人命救助ロボットの開発などを通じて産学連携をとっています。

訓練施設は、戸畑地区に海洋サバイバル訓練施設として訓練棟(プール棟)と救命艇設備があり、若松地区に消火訓練施設があります。訓練プールは14m×14m×水深5mで、ヘリコプターが着水した際の、水中脱出訓練や救命胴衣の装着、救命いかだの取り扱い、あるいはライフジャケットを着て海に飛び込む際に体を痛めない正しい姿勢の取り方等、実践さながらの訓練が行われます。救命艇設備では、母船からワイヤーで海面に着水させるダビッド式、救命艇を海面に向かって瞬時に降下させるフリーフォール式それぞれのライフボートの、乗艇・脱出訓練などを行います。また消火訓練施設には、消火訓練場、消火訓練用ヘリデッキ、消火兼脱出棟と高所脱出訓練デッキなどがあり、それぞれ実践的な消火訓練を実施しています。

創業以来、海に関わる事業を展開してきたニッスイにとって、事故や災害に遭っても海洋産業従事者の安全を確保することは、海洋人材の育成とともに重要な関心事です。NSTCを通じて、これからも海洋産業の健全な発展に貢献していきます。

【写真】ヘリコプター水中脱出訓練の様子

ヘリコプター水中脱出訓練の様子

【写真】消火訓練用のヘリデッキ(手前)と高所脱出訓練デッキ(奥)

消火訓練用のヘリデッキ(手前)と高所脱出訓練デッキ(奥)