魚譜ポスター『海からの恵み』(生息層編)の発行について

2008年3月24日

日本水産株式会社(代表取締役社長 垣添 直也)は、この度、当社が所蔵する「魚譜」を使用したオリジナルポスターシリーズ第3弾「海からの恵み」(生息層編)を作成いたしました。

今回ご紹介する魚譜は、日本水産株式会社が所蔵する魚譜原画1000余点を使用して、1961年(昭和36年)に50周年事業として発行した「日本水産魚譜」*1をベースに選定しました。
原画は、昭和初期に日本水産株式会社の前身である共同漁業株式会社の魚類研究者であった故熊田頭四郎氏が、画家の有田繁氏、富田喜久枝氏の協力を得て、魚の輪郭・細部・色彩を分類学上正確に描き、また日本画の手法で描写・彩色されたものです。

一昨年8月に「体型編」、昨年4月に「資源・環境編」を発行し、この度、第3弾として、「生息層編」を発行いたしました。本企画に際し、監修を坂本和弘氏(恩賜上野動物園副園長)にお願いし、魚類の生息層について考察しながら63種の魚譜を抽出・整理・配置いたしました。

本ポスターの発行に際して、第27回「海とさかな」自由研究・作品コンクール*2の募集活動の一環として、全国の小学校・団体、水族館、関係各機関等へご紹介してまいります。

【図版】魚譜ポスター

今回のご案内にあたり、ご希望の方へお一人様1枚を無償(送料宅配便着払い)で差し上げます。*3ご希望の方は下記宛先までFAXにてお申し込みください。

宛先

ニッスイ魚譜ポスター係 日本レーベル印刷(株)東京支社
〒104-0031 東京都中央区京橋1-1-6 越前屋ビル8階
TEL 03(3272)4651 FAX 03(3272)8164 担当:石川 柴田

  • *1「日本水産魚譜」は、檜山義夫教授(東京大学)、安田富士郎助手(のちの東京水産大学教授(現東京海洋大学))により編集され、日本水産中央研究所より発行しました。
  • *2「海とさかな」自由研究・作品コンクール(主催/朝日新聞社・朝日学生新聞社 後援/農林水産省・文部科学省・独立行政法人海洋研究開発機構・独立行政法人水産総合センター 協力/社団法人日本動物園水族館協会協賛/日本水産株式会社)は今年で27回を迎えます。全国の小学生を対象に「研究部門」「創作部門」で作品を募集しています。「研究部門」では"観察図"を昨年新設し、「魚譜」を参考として紹介しながら募集活動を行っています。
    (コンクール専用のウェブサイト:http://umitosakana.com
  • *3ご希望に応じ、「体型編」「資源・環境編」についても無償(送料宅配便着払い)で差し上げます。お申し込みの際にご用命ください。

魚譜ポスター『海からの恵み』(生息層編)の解説

(監修:坂本和弘氏(恩賜上野動物園副園長))

生息層編に掲載された魚種について

海洋の状況は大気と密接に関係し、常に変化しています。そこに生息する魚類も種や地域によって、あるいは成長過程によっても生息する水深が異なります。今回、その生息層をある程度の尺度により配置し、作成いたしました。

本ポスターにおいて、下部に位置する魚ほど生息水深が深いところにあるように配置しました。しかし、魚類の生息層は種類ごとに常に一定ではありません。様々な理由により自分に適した水深に移動することがあります。

その代表的なものを下記に捕捉いたします。

魚は季節や成長により住んでいる深さを変えることがあります。冷たい所を好む魚が冬場は浅いところで見られ、幼魚の時には表層に住んでいるものが、大きくなるに従い深い海に移動することがあります。また、南方の暖かい海では深いところにいる魚が、冷たい北の海では浅い所に出現することもあります。毎日、住んでいる水深を変える魚もいます。明るい日中は薄暗く冷たい深い海にいて、夜になると浅い所まで上がってきて、盛んに餌を食べる魚もいるのです。

海面近くで暮らす魚は背中が青く、お腹が白いものが多くいます。これは海面側から見たときに背中の青い色が、海の色と溶け込んで見つかりにくくなると考えられています。また、横から見たときには、上からの光を青い背中で受け止め、魚のコントラストがはっきりせず見つけにくくなると思われます。

明るい海面と比較して深い海は暗い世界です。光が海中を進む時に散乱し吸収されてしまいます。また、赤い光は青い光より吸収されやすいため、深い海まで届きません。そのため、陸上では鮮やかな赤い色で目立つように思われる魚も深い海ではほとんど黒く見えます。深い海の魚には暗いところでもよく見えるように大きな眼をしている魚もいます。また、腹側に発光器をそなえ、それを光らせることで自分の影を消して下から見つけにくくする魚もいるのです。

●キンメダイ
日中は深く冷たい海にいるが、夜間は上昇し数十メートルの水深で見られることもある。
日中は捕食を回避し、夜間は摂餌のために移動すると考えられている。
●ムツ
幼魚の時は浅い磯に群れで見られることがあるが、大きくなると数百メートルの水深で
生活する。
●メダイ
幼魚の時は表層に漂う流れ藻についていることがあるが、成長に伴い深海に移動。
●メバチマグロ
類の中ではもっとも深いところを好む。他のマグロと比較し大きな目をしているため、
この名前の由来となっている。

以上