大分海洋研究センター

大分海洋研究センターは、ニッスイが国内外で展開する養殖事業の研究開発・推進を主業務としています。
ぶり養殖では、ニッスイのグループ会社である黒瀬水産株式会社と海上養殖事業を行う上での技術的な課題を共有し、その解決に取り組んでいます。
現在、当センターでは下記の研究・開発を実施しています。

  • 養殖生産の安定をはかるための魚病対策
  • 事業の持続性を継続するための人工種苗の開発と育種研究の推進
  • ニッスイの社内飼料油飼工場と協力し、魚粉・魚油の配合を削減した配合飼料の開発
  • 安全で、環境にやさしい生産性の高い飼育技術を獲得するための陸上養殖技術開発
  • 魚の摂餌行動とIT 技術を利用した新しい給餌技術開発
  • 生産量拡大と漁場拡大のための沖合養殖技術開発
【写真】大分海洋研究センター

大分海洋研究センター

ニッスイ養殖事業推進室大分海洋研究センターの取り組み

大分海洋研究センターは、ニッスイが国内外で展開する養殖事業を推進するために1994(平成6)年に設立された研究開発機関です。高品質な養殖魚を効率よく育成するために、バイオから機器類の開発まで、日々研究に努めています。

【写真】顕微鏡観察による魚の健康管理・いけすでの飼料評価試験・屋内水槽での飼育評価試験

養殖生産の安定を図るための魚病対策

同センターでは高品質の養殖魚を安定して育てるために、赤潮など生育環境の監視や感染症対策などの魚病研究を行っています。黒瀬水産(ぶり)、中谷水産(まぐろ)、サルモネス・アンタルティカ社(さけ・ます)などグループ養殖会社への魚病対策の考案・導入、養殖健康管理システムの導入を進めています。また、水産用医薬品会社と協働して新薬の研究開発にも取り組んでおり、グループ養殖会社にその実績を広く認められる"知恵袋"的存在です。

【写真】養殖水槽で泳ぐぶり

養殖水槽で泳ぐぶり

人工種苗の開発と育種研究の推進

安定的な養殖ビジネスの確立のため、魚病対策のほか天然の稚魚の捕獲に頼らないまぐろやぶりなどの人工種苗の開発と育種の研究を進めています。特に力を入れているのがぶりです。2005(平成17)年から研究を始め、近年は大量生産を可能にする技術が蓄積されてきました。この技術により、天然魚と比べてもほとんど色のない、むしろ天然魚よりおいしいと評価いただける良質な2歳魚が水揚げできるようになりました。今後はさらに大量生産システムを改良し、また、選抜育種による成長スピードアップを軸に、理想的な体型や魚病に強い品種など他の育種への挑戦、味や色目などの品質向上などを行い、人工種苗による養殖を通じて、持続的に高品質なぶりをお届けする仕組みづくりに貢献していきます。

【写真】ぶりの人工種苗
【図】選抜育種

魚粉・魚油の配合を削減した配合飼料の開発

養殖魚用配合飼料の主な成分は魚粉・魚油です。しかし、魚粉・魚油の生産は南米ペルーとチリの2カ国に大きく依存しているため、両国の漁獲高によって供給量や価格が左右されてきました。現在、世界では脱魚粉・魚油の動きが進み、同センターでも植物由来の原料を主なターゲットとして、魚粉・魚油の割合を減らしても養殖魚の成育が悪くならない代替原料の研究開発を進めています。

新しい給餌技術開発

無駄な餌を与えてしまわないように、給餌は多くの労力を掛けて、人が一つ一つのいけすで魚の餌の食べ具合から、その食欲を判断して適量の給餌管理を行う必要があります。外洋に面した養魚場は、限られた時間で給餌する必要があり、天候によっては給餌船が沖合へ出られない日もあります。

そのため、いけす内に設置した食欲センサーや水中カメラ、溶存酸素・水温センサーから情報や画像をパソコンや携帯電話に伝送させてリアルタイムでチェックすることができ、さらに自動給餌機に組み込まれた制御装置で、適量で無駄のない給餌管理を行うことができるシステムを開発しています。

【写真・図】自動給餌システム

安全で、環境に優しい陸上養殖技術開発

同センターでは陸上養殖技術の研究開発を行っています。陸上養殖とは陸上に大型の養殖水槽をつくり、その水槽内で魚介類を育てる新しい養殖システムです。海面での養殖では魚病などさまざまなリスクにさらされるため生存率は不安定ですが、陸上養殖では安定して高く、また無投薬で養殖する事ができます。陸上養殖は飼育水の汚れを処理し、循環して利用する環境に優しい養殖技術です。