すりみ製造時の不良率の改善と、品質向上のための技術開発

ニッスイの魚肉練り製品は、スケトウダラなど白身魚のすりみから製造されます。すりみは、ゲル強度(ミオシンを主成分とするタンパク質の加熱組織化物の硬さ・しなやかさ)が強く、色味が白いものが高品質とされています。そして、すりみの品質向上には魚臭さやゲル強度低下、色調悪化などの原因となる内臓(腎臓)・骨・皮などを丁寧に取り除いた上で、よく水にさらし、魚由来のプロテアーゼ(タンパク質の分解酵素)など品質低下を招く水溶性成分を除去することが重要になります。

可変式魚体カット装置の開発

スケトウダラなどのすりみを製造するには、頭を取り除いた原料の魚を背骨の方向に搬送しながら、専用の自動処理装置を使用して連続的に開腹、内臓除去、背骨の切除を行い大量の魚を迅速に捌いていきます。ニッスイでは、食材ロスの発生率改善と品質向上の両面を実現するため、この工程における自動処理装置の重量とモーメント、耐久性、耐水性などの検証試験を積み重ねた結果、彎曲している多様な魚体の構造を計算し、カットラインを可動させる方法(特許第6117649)を見出しました。過剰な肉の切り落としを最小限にし、嫌な魚臭さの原因となる腎臓(肉に密着して中骨に沿って存在する)を取り除くことを可能にしました。

図1:腎臓の位置と可変式カットライン(側面)

図2:腎臓の位置と可変式カットライン(正面)

※魚体の腎臓や中骨を避け、A⇒Bのようにカットラインを可動させる

皮の混入を防ぐ新技術

また、すりみ製品の品質を左右する要因の一つに、魚の皮の混入が挙げられます。魚の皮は微細で、食べても害はありませんが、練り製品やフィッシュソーセージ中に存在した場合、見た目も悪く、毛髪の混入と間違われることもあります。しかし、皮のみを排除するのは非常に困難で、裏ごしにより黒皮を含む肉ごと排除する方法が一般的です。ニッスイでは、自動処理装置の設計を変更し、原料魚の下処理時点で肉の無駄に切り落とすことなく、皮のみを効率よく取り除く方法を見いだしました(特許第6268099)。
これらの研究から得られた技術により食材ロスを最小限にして、高品質のすりみ・すりみ製品を効率よく生産することが可能になりました。

図3:魚体カット装置によるスケトウダラの処理風景