水産イミテーション食品の研究開発

すりみを使ったイミテーション食品の製造技術

ニッスイは、ちくわなどすりみから作る伝統的な練り製品の製造だけでなく、カニかまのように新しい価値を提案するために、イミテーション食品の開発・製造にも長年取り組んでいます。イミテーション食品には、カニやホタテなどの筋肉繊維の形状や食感をリアルに再現していることが求められます。
そのために水産タンパク質の研究や機械工学的なアプローチからイミテーション食品の製造研究に取り組み、独自の製法によるイミテーション食品を開発してきました。
その事例のひとつに、酸によって凝固するタンパク質の性質を応用した製造技術を開発しました。すりみから作った練り肉を微細なノズルから酢と食塩の水溶液に吐出して、瞬間的に凝固を引き起こし、糸状の組織に成型する製法です。タンパク質の酸変性を応用する練り製品の加工方法で、世界的にも実用化例がない当社の独自技術になります。この製法を用いることにより、従来のカニかまよりも、魚介のしっかりとした繊維感を感じられる商品を開発することができました。グループ会社のK&P社(米国)に技術導入され、ロブスターのイミテーション食品の製造に使用されています。

図1:K&P社(米国)ロブスターのイミテーションを使ったメニュー例

また、「エクストルージョンクッキング」を応用したイミテーション食品の製造技術も開発しました。「エクストルージョンクッキング」とは押出し成形装置(エクストルーダー)を用いて、高温高圧のもとで食品材料を物理的に圧縮変形し、スクリューで押出しながら加工・成形する調理法です。エクストルーダーは菓子やパスタなどの乾物の食品製造では幅広く使用されていますが、魚肉のような水分を多く含む素材の加工には不向きとされてきました。ニッスイは、エクストルーダーに独自の製造システムを組み合わせることで、数10ミクロンのタンパク質の繊維の束が集まった、魚介の筋肉の繊維構造に近いイミテーション食品の製造方法を確立しました。この技術を導入したイミテーション食品は高温高圧で処理しているため、加熱しても食感が損なわれない製品特徴を有しています。カニやホタテのリアルな食感を再現したイミテーション食品である「シーグレイス」に使用されています。

図2:シーグレイス

図3:繊維の比較 (左 シーグレイス、右 市販ボイルずわいがに)

図4:シーグレイスを使ったメニュー例