コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当社は、当社および当社グループの収益力・資本効率等の改善を図るとともに、社会的責任への取り組みを進め、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促していくため、取締役会においては、企業戦略等の大きな方向性を示し、重要な意思決定機能を残しつつも、監督機能をより重視してまいります。
意思決定機能については、社長執行役員を中心とする執行役員(会)へ権限委譲を進め、意思決定を迅速化し、監督と執行の分離をより進めてまいります。
また、上記取締役会による経営の監督に加え、経営陣より独立した立場の社外監査役を含む監査役4名による経営の監査体制が有効であると判断し、監査役会設置会社形態を採用しております。

コーポレート・ガバナンスの体制

【図版】コーポレート・ガバナンス体制

<取締役会>

取締役会は、原則として毎月1回以上開催し、重要事項の決定と経営の監督を行っています。取締役は、経営の透明性の向上・経営監督機能の強化を図るため任期を1年とし、経営陣から独立した立場の社外取締役を含めることとしています。現在取締役会は、社外取締役4名(うち女性2名)を含む10名で構成しております。

<指名・報酬委員会>

当社では、取締役会の諮問機関として、任意の「指名・報酬委員会」を設置しています(2018年6月27日付設置)。社外取締役4名および代表取締役1名で構成され、社外取締役が委員長を務めます。指名委員会では、社長執行役員を含む役員候補者の選解任やサクセッションプラン等について、報酬委員会では、報酬の決定方針、報酬制度の内容や報酬水準等について審議し、取締役会に答申します。取締役会では、これらの答申を踏まえ、役員の人事および報酬につき決議しています。

取締役・監査役の体制と期待する分野

氏名 地位および担当 企業
経営
財務・
会計
マーケティング・セールス 生産・
技術
研究・
開発
国際性 コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント 法務・
コンプライアンス
サステナビリティ
浜田晋吾
代表取締役
社長執行役員
最高経営責任者(CEO)
指名・報酬委員会委員
山本晋也
取締役
専務執行役員
最高財務責任者(CFO)
梅田浩二
取締役
専務執行役員
最高執行責任者(COO)
山下伸也
取締役
常務執行役員
浅井正秀
取締役
執行役員
田中輝
取締役
執行役員
松尾時雄
社外取締役
指名・報酬委員会委員
江口あつみ
社外取締役
指名・報酬委員会委員
安部大作
社外取締役
指名・報酬委員会委員
田中径子
社外取締役
指名・報酬委員会委員
濱野博之
常勤監査役
山本昌弘
社外監査役
神吉正
社外監査役
寺原真希子
社外監査役

<監査役会>

監査体制については、財務・会計に関する知見等、監査に必要となる専門性と幅広い分野についての豊富な知識を有する人財を監査役に選任し、経営陣より独立した立場の社外監査役3名(うち女性1名)を含む監査役4名で、監査役会を構成しております。各監査役は取締役会に出席して取締役の職務執行を監査するとともに、必要に応じて執行役員会等重要会議に出席しております。

<執行役員会>

業務執行については、より機動的にかつ効率的な業務運営を行うため、執行役員制度を採用しております(2009年6月25日付導入)。取締役会で選任した執行役員で構成される執行役員会は、原則として毎月1回以上開催し、当社および当社グループの持続的成長と企業価値の向上を促進するため、主要な業務執行につき、多角的かつ十分な審議の上、迅速かつ適切に意思決定を行い、併せて情報共有を行っています。執行役員会は、取締役兼執行役員6名を含め、男性16名で構成しております。

<内部監査(監査部) >

社長直轄の内部監査部門が、年度計画に基づき当社グループの内部監査および財務報告の信頼性を確保するための内部統制に関する事項の評価を実施し、取締役、監査役および監査対象の組織責任者に結果を報告しております。
内部監査部門は、当社およびグループ各社の業務監査結果を監査役に報告するとともに、内部統制の側面において、年度の評価計画策定時に評価手順及び範囲・スケジュール等について外部会計監査人と協議を行い、評価方針を確定し、さらに、外部会計監査人との情報交換を密に行い統制上の不備・問題点が発見された場合は適宜是正を図る等、外部会計監査人・内部監査部門間の連携も確保しています。

<会計監査人>

会計監査については、会社法および金融商品取引法に基づく会計監査として、EY新日本有限責任監査法人と契約を締結し、監査を受けております。

取締役会の実効性評価

当社は2016年度より毎年、アンケートおよびディスカッションの方法により取締役会の実効性評価を実施しています。2022年度以降は、定点観測により課題とその克服状況を把握する観点から、毎年同じ設問の点数式アンケート(任意の記述欄あり)を採用し全役員を対象に実施、新任役員を対象にアンケート記述欄にかかる補足インタビューを実施、アンケートおよびインタビューから見える課題を抽出、取締役会とは別枠で社外取締役をファシリテーターとして全役員による課題克服に向けたディスカッションを実施しています。

<スケジュール>

2024年度の取締役会の実効性評価(以下「実効性評価」)は、全役員(取締役10名、監査役4名)を対象とし、以下のスケジュールで実施しました。

2025年1月
点数式(4段階)アンケート実施
2025年2~3月
アンケート結果のとりまとめ、事務局にて新任を中心とした社内外取締役及び社外監査役にインタビュー実施、課題抽出
2025年4月
社外取締役をファシリテーターとし、取締役会とは別枠にてディスカッション

<アンケートの内容および結果概要>

(1)アンケート内容

取締役会の全体の状況を確認すべく、以下の5項目を大項目とし、全29問からなる構成としました。また各大項目に自由記述欄を設け、気づきの点などを記載していただきました。

  1. 取締役会の構成(規模、人数、多様性、社内外の比率等)
  2. 取締役会の運営、支援体制(年間スケジュール、資料の内容・分量、議長のリーダーシップ等)
  3. 取締役会の議題(議案件数・議案内容、付議基準の妥当性等)
  4. 対外的コミュニケーション(ステークホルダーに向けた情報開示の質・内容の適切性等)
  5. 社内外の取締役へのトレーニング
(2)結果概要

【総括】
大項目間の比較では、社内役員と社外役員とで、その評価に大きな差はみられないものの、近年の傾向として、社内役員はその役割を認識し自己評価を厳しくしてきたことから、社外役員よりも社内役員の評価の方が低い結果となっています。
IR活動の充実を図った結果として「④対外的コミュニケーション」が、また、当社工場や子会社視察を通じて当社事業への理解を深める機会を社外役員に提供している結果として「⑤トレーニング」が引き続き高評価となりました。一方で、「③取締役会の議題」は、他の項目に比べて評価が低くなっています。

【図版】取締役会実効性評価アンケート結果

【小括】
高評価、低評価の項目はほぼ例年通りですが、社内役員の自己評価が厳格化したことに加え、本年度は社外役員の約半数に変更があったこともあり、評価が下がった項目が若干増加しました。昨年度の実効性評価において要望のあった議案についての事前説明の一部実施など、事務局において種々改善策を講じている点については一定の評価を得ているものの、「③取締役会の議題」については多くの項目で低評価となりました。

【図版】取締役会実効性評価アンケート結果

<アンケートおよびインタビューから見える課題>

アンケートおよび個別インタビューの結果を踏まえ、以下を課題として抽出しました。

  1. 取締役会の位置づけの明確化
    「監督」と「経営の最高意思決定」の両役割のバランス
  2. 取締役会の多様性向上
  3. 中長期的な議論が不足している経営テーマの整理
  4. 取締役会資料の量・質・提供のタイミングの改善

<ディスカッションの概要と今後>

上記「アンケートおよびインタビューから見える課題」は、いずれも当初より当社の課題として指摘されていることから、本年度のディスカッションは、上記課題の解決に向けた方策・時間軸にかかるコンセンサスの形成を主眼とすることとしました。

①取締役会の位置づけの明確化~「監督」と「経営の最高意思決定」の両役割のバランス~

当社取締役会は、社内取締役の過半数を事業部門出身者が占めていることから、「経営の最高意思決定」機関の要素が強いとの指摘が以前からありました。事業部門出身の社内取締役からは、取締役会の監督機能について理解はしているものの、自身の立場の使い分けが難しく、結果的に取締役会が社外取締役への承認を求める場となる傾向がある点につき反省が見られました。しかし、取締役会において、戦略的な意図やリスクテイクの観点から社内取締役の判断と社外取締役の評価を議論することは意義があると考えられます。そのため、事業のことを十分に理解しないまま監督機能にのみ重点を置きすぎることは当社においては適切とは一概に断定しにくく、経営の最高意思決定機関として、事業を含めた当社の方向性を決めるための機能を有することが、現状の事業規模においては重要であると考えられます。加えて、社内取締役の「取締役」としての意識改革が進んできていることから、機関設計の変更などにより現状の当社取締役会のあり方を変更する必要性まではないことを確認しました。

②取締役会の多様性向上

取締役会には2名の女性社外取締役がいるものの、社内取締役は全員日本人男性であり、執行役員会も全員日本人男性で構成されていることから、近い将来この姿を変えなければいけないとの共通の認識を以前から有していました。当社の現状から直ちに女性社内取締役を登用することは難しいものの、地道に人財育成を行ってきた結果、この度、新たに社内から1名の女性執行役員が誕生しました。まだ1名ではありますが、女性従業員の身近な社内ロールモデルとなることが期待されます。一方で、当社は2030年までに海外所在地売上高比率50%を目標としているものの、女性活躍推進を先行して進めてきたことから、未だ取締役会のみならず執行役員会にも外国人はおりません。しかし、多様性の具体的な議論は指名委員会において引き続き行うこととし、今後さらなる活用が進む予定であることが共有されました。

③中長期的な議論が不足している経営テーマの整理

中長期的な議論の質を高める必要性についての認識は共通しているものの、各取締役の意識に大きな差があることから、取締役会の場では十分な議論ができていませんでした。そこで、このような現状を打開すべく、率直な意見交換が可能となるインフォーマルなディスカッションの場を通じて、取締役間の共通認識を形成していくことの必要性を再確認しました。具体的には、例えば、事業ポートフォリオにかかる現在の姿と将来のありたい姿のギャップを埋めるために、そしてそれが10年後、20年後に当社グループに与える影響などを勘案し、いつまでに何をどうするのか、などの基礎的な事柄についてディスカッションする場と考えています。そこで、2025年度は、インフォーマルなディスカッションの場を通じて経営戦略の議論を充実すべく、外部コンサルタントを起用しつつ、執行役員も含めた複数回の合宿を実施する予定です。

④取締役会資料の量・質・提供のタイミングの改善

従前より、資料のポイントが絞り切れておらず量も多い、提供タイミングが遅いなどの指摘はあったことから、本年度、社外役員向けに一部案件につき事前説明を実施した点は評価されました。しかし、そもそもの資料の量が多すぎることから、事前説明が実施されない案件についても、要点をまとめたサマリーを添付するなどの方策を検討することを要望されました。そこで、2025年度では、審議事項についても業務報告で採用している形式と同様の形式にて進めることとなりました。


今回のディカッションを通じて、具体的な方策や時間軸のコンセンサスを得られました。今後は、その着実な実行と定期的な検証を通じて、当社取締役会の実効性を継続的に高めるべく、取り組んでまいります。

社外役員の状況

社外役員(取締役)

氏名 選任理由
松尾時雄 ガラスメーカーでの長年の経験に加え、上場化学メーカーにおいて代表取締役として培った幅広い見識を有し、サステナビリティの取組みや中長期的な視点で忌憚のない意見を述べるなど適切に経営全般に対する監督を行ってきました。さらなる企業価値向上に向けたアドバイスに加え、新たに指名委員会・報酬委員会の委員長としてリーダーシップを発揮していただくことを期待し、引き続き社外取締役として選任しております。
江口あつみ 大手飲料・食品メーカーにおいて研究開発部門や広報・コミュニケーション部門に携わり、幅広い知識と豊富な経験を有しています。当社取締役会においてコーポレートコミュニケーションやダイバーシティの視点にとどまらず、幅広く経営全般に対する監督を行ってきました。一層の企業価値向上への貢献を期待し、引き続き社外取締役として選任しております。
安部大作 金融機関において長年に渡りIT・システムや経営企画など幅広い業務に携わり、また、人権啓発推進委員長を務めるなどサステナビリティの見識も有しております。金融機関の経営者として企業経営全般を監督する経験を有していることに加え、上場会社における社外取締役も経験しております。当社取締役会において、様々な経験を活かし、中長期的・大局的な視点で経営に対する監督を行うことを期待し、新たに社外取締役として選任しております。
田中径子 自動車メーカーにおいて広報やマーケティング部門に携わり、幅広い見識を有していることに加え、駐ウルグアイ特命全権大使をされるなどグローバルに活躍されてきた経験を有しています。上場会社における社外取締役やサステナビリティ委員会の外部識者委員の経験も有していることから、当社の課題であるサステナビリティやダイバーシティに対するグローバルな視点でのアドバイスや様々な経験を基にした経営全般に対する監督を行うことを期待し、新たに社外取締役として選任しております。

社外取締役4名ともに東京証券取引所が定める独立役員の要件および当社の定める「社外役員の独立性基準」を満たしていることから、一般株主との利益相反が生じる恐れはなく、独立性があると判断し東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出しています。
なお、社外取締役は内部監査部門からの報告内容に対し、必要に応じて情報交換や意見交換を行うこととしております。

社外役員(監査役)

氏名 選任理由
山本昌弘 公認会計士として財務及び会計に関する専門的な知識を有しており、会計のエキスパートとしての豊富な経験や知見を活かし、独立した客観的な立場で適宜発言を行っており、引き続き社外監査役として選任しております。
神吉正* 上場会社における常勤監査役としての経験に加え、金融機関における営業、経営企画などの幅広い知識や経験の観点から独立した客観的な立場で経営全般の実質的かつ適切な監督を促す発言を行っており、引き続き社外監査役として選任しております。
寺原真希子 弁護士として企業法務に精通している上、他の上場会社の社外取締役も務めており、企業活動全般の適正性を判断する知見を有しています。また、百貨店業を営む上場会社の社外監査役を務めており、小売事業についての見識も有しています。今後当社がサステナビリティを推進し、またダイバーシティを実現させていく上で、同氏の経験と見識による助言が有効と期待し、新たに社外監査役として選任しております。

社外監査役3名ともに東京証券取引所が定める独立役員の要件および当社の定める「社外役員の独立性基準」を満たしていることから、一般株主との間に利益相反が生じる恐れはなく、独立性があると判断し東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出しています。
社外監査役は会計監査人から監査計画や監査結果について定期的に報告を受けるとともに、会計監査人の監査の一部に立会い、相互連携しています。また、内部監査部門との間で必要な情報交換や意見交換を行なっています。内部監査部門は、当社グループの業務監査結果を監査役に報告しております。

*「吉」の正確な表記は「土」の下に「口」

社外役員の独立性基準(PDF 94KB)

社外役員の取締役会または監査役会への出席状況

区分 氏名 取締役会
出席回数
指名報酬
委員会
出席回数
監査役会
出席回数
主な活動内容
社外取締役 永井幹人 19回/20回 (指名)
8回/8回
(報酬)
6回/7回
金融機関での経験に加え、事業会社において代表取締役を務めるなど経営者としての豊富な経験を有しています。取締役会などにおいて、経営視点で事業ポートフォリオの最適化や財務戦略への発言を行うとともに、取締役会の実効性について議論をリードするなど適切な経営判断・監督を行っています。また、指名・報酬委員会の委員長としてサクセッションプランや取締役会の構成を始め役員の選任や報酬に関する事項等について公正で透明な委員会運営を主導しています。
松尾時雄 20回/20回 (指名)
8回/8回
(報酬)
7回/7回
事業会社において代表取締役を務めるなど経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有しています。取締役会などにおいて、中長期的な視点で当社サステナビリティ活動に関する発言を行っており、大局的な見地から適切な経営判断・監督を行っています。また、指名委員会・報酬委員会では役員の選任や報酬制度についてメーカーにおける経営経験に基づき、改善に向けた助言を行っています。
江口あつみ 15回/15回 (指名)
6回/6回
(報酬)
3回/3回
事業会社において研究開発部門や広報・コミュニケーション部門に携わるなど幅広い知識と豊富な経験を有しています。取締役会などにおいて、コーポレートコミュニケーションやダイバーシティを始め多角的な視点から意見を述べるなど、適切な経営判断・監督を行っています。また、指名委員会・報酬委員会では役員の選任や報酬制度について近年の傾向や他社事例などを踏まえ、専門的かつ具体的な助言を行っています。
社外監査役 広瀬史乃 20回/20回 16回/16回 弁護士として企業法務及びコンプライアンス問題に精通しており、法律問題に関する専門知識と経験に加え、ダイバーシティの観点からも取締役会や監査役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するため、独立した客観的な立場で適宜発言を行っています。
山本昌弘 19回/20回 16回/16回 公認会計士として財務及び会計に関する専門的な知識を有しており、会計のエキスパートとしての豊富な経験や知見を活かし、独立した客観的な立場で適宜発言を行っています。
神吉正 19回/20回 16回/16回 上場会社における常勤監査役としての経験に加え、金融機関における営業、経営企画などの幅広い知識や経験の観点から独立した客観的な立場で経営全般の実質的かつ適切な監督を促す発言を行っています。

※2024年3月末日現在

内部統制システム

内部統制システム基本方針

役員報酬

役員の報酬等の額の決定に関する方針

当社の役員報酬制度は、コーポレート・ガバナンスコードの原則に沿って、基本方針を以下の通り定めております。

基本方針
  1. 1.ミッション・ビジョンの実現を後押する制度とする。
  2. 2.短期的な志向への偏重を抑制した、中長期的な企業価値向上を動機づける設計とする。
  3. 3.優秀な人財の維持・確保に有効なものとする。
  4. 4.株主や従業員をはじめとする、ステークホルダーに対する説明責任の観点から、透明性・公平性と合理性を備えた設計とするとともに、適切な決定プロセスを確保する。
  5. 5.役位ごとの役割や責任および成果に相応しい報酬体系とする。

<役員報酬の決定方針>

取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針については、独立社外取締役を委員長とし社外取締役3名および代表取締役2名で構成する任意の報酬委員会(委員長:永井幹人)にて、会社のステージに見合った報酬としています。具体的にはベンチマーク集団との比較検証を踏まえ①報酬の基本方針②報酬制度③報酬水準④報酬項目の構成比率等を審議のうえ取締役会で決定します。個人別支給額は、当該制度運用の客観性及び透明性の観点から、取締役会から委任を受けた報酬委員会で決定します。
監査役の報酬等は、あらかじめ株主総会で決議された報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により基本報酬(固定報酬)を決定します。

<報酬体系と算定方法及び決定プロセス>

取締役(社外取締役を除く)の報酬は、「基本報酬」、「業績連動報酬」、「株式報酬」の3つの要素で構成しています。社外取締役及び監査役については、基本報酬(固定報酬)のみとしています。
2022年度までは取締役の各報酬の支給割合を業績目標が100%達成した場合に概ね65:30:5となるよう設定していましたが、2023年度より取締役の中長期的な業績の向上と企業価値向上への意識を高めることを目的に変更しています。中期経営計画のKPIである連結経常利益他の業績目標を100%達成した場合55:25:20となる設計とし、業績に連動する変動報酬(業績連動報酬及び株式報酬)の比率を全体の半分程度まで高めています。なお、取締役及び監査役の退職慰労金制度は、2007年6月27日開催の第92期定時株主総会の日をもって廃止しています。

<2023年度の取締役の報酬体系>

【図版】取締役の報酬体系

<取締役の報酬等>

基本報酬

基本報酬は代表対価、監督対価、執行対価の3要素で構成し、執行対価は役位に応じ設定します。

業績連動報酬
【図版】業績連動報酬

業績連動報酬は、単年度に生み出した付加価値の配分ととらえ、執行役員に支給する報酬です。
業績評価指標である「連結経常利益」と株主視点を意識した「配当総額」を原資に一定の割合を乗じ、いずれか少ない金額を支給基礎額とし役位及び個人別評価に応じ配分します。報酬構成比率は中期経営計画達成時を前提としていることから、連結経常利益や株主視点の配当総額が増減する場合、業績連動報酬の報酬全体に占める比率も増減する設計となっています。
個人別評価は2021年度より各役員の成果による単年度業績に対する貢献の度合いを明確化するために導入、評価項目にはサステナビリティを含めた業績目標を選定しており、80~120%の範囲でその達成度を評価します。なお、業績連動報酬の支給基礎額及び役位別の配分、個人別評価については報酬委員会で審議のうえ取締役会で決定します。

株式報酬
【図版】株式報酬
株式報酬の評価指標及び評価ウェイト

2022年度からの新中期経営計画「Good Foods Recipe1」の開始と合わせ、株式報酬の評価指標を下記のとおりにしました。具体的には、事業ポートフォリオの最適化と資本効率の向上ならびに株主利益の向上を目的に、従来の連結経常利益等の達成度に加えてサステナビリティの評価項目を選定しました。

株式報酬の評価指標
項目 選定理由
財務 売上高
連結経常利益
ROIC
成長性向上
収益性向上
資本効率性向上
サステナビリティ 水産物の持続可能性目標達成度
自社グループ拠点のCO2排出量削減
従業員エンゲージメントのスコア向上
健康領域商品売上
持続可能な調達
気候変動への対応
海洋環境保全への貢献
多様な人財の活躍
健康課題の解決

上表のとおり、会社業績の評価指標には財務と非財務(サステナビリティ)を設定し、評価ウェイトを70:30としています。財務目標は実績に応じた達成率で評価、非財務(サステナビリティ)目標は50~150%の範囲で評価します。そのうえで、あらかじめ定めた役位別基礎ポイントに会社業績の達成率を乗じたものに個人別評価を反映し給付株式数を算定します。個人別評価は中期経営計画で掲げたKPI、サステナビリティなどを80~120%の範囲で評価します。会社業績の達成率および個人別評価は報酬委員会で審議のうえ取締役会で決定します。

2023年度に係る役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数

取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針は、独立社外取締役を委員長とする報酬委員会が審議のうえ取締役会が決定しております。当該事業年度の個人別支給額は、取締役会の委任を受けた委員会が当該方針に基づき決定していることから、取締役会は、その内容が当該方針に沿ったものであり妥当であると判断しております。

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数(名)
基本報酬 業績連動報酬 株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
359 216 83(注) 58 6
(株式報酬:6)
監査役
(社外監査役を除く)
26 26 - - 1
社外取締役 36 36 - - 4
社外監査役 38 38 - - 3
  1. (注)取締役の業績連動報酬には、2024年6月支給見込額を含んでおります。

2023年度の報酬委員会の審議の概要

審議の概要
  • 役員報酬制度の改定
  • 2022年度業績連動報酬・株式報酬の個人別評価
  • 2023年6月支給、12月支給業績連動報酬の個人別支給額
  • 信託報酬(BBT)の追加購入