違いを知って「タンパク質も選ぶ時代へ」
ヒトの筋肉には、機能の異なる2つの繊維があります。姿勢の維持や呼吸など持久力が必要な動きに使われる「遅筋」と、ジャンプやとっさの踏ん張りなど瞬発力を必要とする動きに使われる「速筋」です。
一般的に年齢を重ねていくと筋力・筋量が減少していきますが、加齢によって減少しやすいのは、「遅筋」よりも「速筋」であることがわかっています。
そこで注目したいのが、白身魚であるスケソウダラ由来のタンパク質。スケソウダラは、可食部のほとんどが「速筋」からなるタンパク質でできており、スケソウダラのタンパク質は、質(体に利用される割合)が高く、卵と同等以上に良質なタンパク質であることが確認されています。
進む「速筋タンパク」研究に注目!
ニッスイの食品機能科学研究所では、スケソウダラのタンパク質(APP:Alaska Pollack Protein)について2009年より愛媛大学と研究を開始し、2018年3月にAPP研究会を設立しました。愛媛大学・東京大学・早稲田大学など18の大学や研究機関と研究体制を整え、共同研究を行っています。
また、スケソウダラのタンパク質の研究成果の発表や、2020年より「速筋タンパク」という名称を使って商品開発を続けており、1食分でスケソウダラのタンパク質が4.5g以上摂れる「ちくわ」「かに風味かまぼこ」などの商品に、速筋タンパクマークを付けてシリーズ展開しています。
強く健康な身体づくりに欠かせない食事
長野県東御(とうみ)市の湯の丸高原(標高1,735m)にある日本屈指の高地トレーニング施設「GMOアスリーツパーク湯の丸」に併設された「ニッスイ湯の丸アスリート食堂」では、「速筋タンパク入り ニッスイ湯の丸アスリートカレー」や、速筋タンパクが摂れるニッスイ「MSCおさかなミンチ」「ごちそうタラカツ」(業務用冷凍食品)を使ったメニューが提供されています。
2020年に同市と締結した、食とスポーツに関する連携協力の包括協定によるもので、ニッスイは速筋タンパクやEPA(エイコサペンタエン酸)を通じた、トップアスリートのカラダづくりのサポートなどを行っています。
2021年には同市内の全小中学校生徒約2,500人に向けて「高地トレーニング食事体験」を行い、「速筋タンパク入り 湯の丸アスリートカレー」を提供。子どもたちにスポーツへの興味を持ってもらい、アスリートがどのような食事を摂って体づくりをしているのかを知り、健康な身体づくりを行ううえでの食事の大切さを学んでもらう機会となりました。
2021年以降は毎年同市内の全小中学校で、速筋タンパクの食材を使用した「ニッスイ湯の丸アスリート食堂」のメニューが、給食にアレンジされて提供されています。
これからもスケソウダラのタンパク質の研究や、商品開発を通じて、皆さんの健康的な食生活を応援します。