ニッスイ社員が開発した水産加工技術が、日本水産学会「令和2年度水産学技術賞」を受賞、同学会春季大会で講演

2021年03月30日

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 的埜 明世、東京都港区、以下「ニッスイ」)の社員が開発した以下の水産加工技術が、公益社団法人日本水産学会「令和2年度水産学技術賞」を受賞したことが2020年12月22日に公表され、このほど3月26~29日にオンラインで開催された同学会「令和3年度日本水産学会春季大会」会期中の3月29日に、この内容について学会賞受賞者講演を行いました。

受賞者 所属 受賞題目
吉富 文司 日本水産株式会社 商品開発部 加工食品開発課 マイクロ波による魚肉ねり製品の連続加熱成形技術の開発

【受賞理由】
魚肉ねり製品は,魚肉タンパク質に食塩を加えてペースト化したすり身を作製し、成形後加熱によってゲル化させて製造するが、吉富氏は垂直に配置した筒体内をすり身が下部から上部に垂直方向に移動する過程で、マイクロ波によってすり身内部から加熱することによって、連続的なねり製品生産技術を開発した。この技術は成形工程と加熱工程を一体化したものである。ケーシング包装を必要としない魚肉ソーセージの製造技術として実用化され、年間約600トンが生産されている。この技術はねり製品製造に技術革新をもたらし、水産学技術賞を受賞するにふさわしいと判断された。

通常、魚肉練り製品は、原料であるペースト化したすり身を内装フィルムなどの成型包材に充填もしくは所定の形状に成型した後、ボイルするなどの外部加熱を行って製造します。
本技術は、垂直に立てたチューブの中を原料が上方に送られる過程でマイクロ波により内部加熱するもので(図参照)、成型工程と加熱工程を一体化させ、成型包材が不要な連続的な練り製品の生産が可能になります。
これによって、工程の簡素化や生産リードタイムの短縮化が実現、内装フィルムも排除できます。水産原料のほか畜肉原料にも対応が可能で、従来にはない製品開発も期待できます。なお、この技術は国内外で11件の特許を登録しており、現在も数件を出願中です。
また、2016年、農林水産技術会議および公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が共催する「平成28年度(第28回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の農林水産大臣賞を受賞しており、2回目の公的表彰の受賞となります。

【本技術の模式図】

ニッスイではこの技術を活用した製造ラインを2011年に導入し、生産された魚肉ねり製品は、ニッスイ「おさかなソー」(業務用冷凍食品、2012年3月発売)、同「ほしいぶんだけアメリカンドッグ」(家庭用冷凍食品、2012年9月発売)、「魚麺(うおめん)」(業務用冷凍食品、2020年3月発売)に使用されています。

ニッスイ「おさかなソー」
(業務用冷凍食品)

同「ほしいぶんだけアメリカンドッグ」
(家庭用冷凍食品)