スケソウダラの「速筋タンパク」に関する筋力増加に有効な摂取頻度に関する研究結果について

2022年10月11日

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区、以下「ニッスイ」)の食品機能科学研究所では、白身魚であるスケソウダラのタンパク質(Alaska Pollack Protein:APP)の筋肉増加効果について、2009年より愛媛大学と共同研究を開始、2018年3月にAPP研究会(*1)を設立して愛媛大学・東京大学など18の大学や研究機関と研究体制を整え、共同研究を行っています。
本研究会では、これまで高齢者や若年層などにおいて特別な運動をしなくても1日4.5gのAPPを毎日摂取することにより筋肉量や筋力が増加することを確認していましたが、このたび2日に1回の摂取でも毎日の摂取とほぼ同等のAPPの筋力増加効果が得られることがわかりました。
この摂取頻度に関する新たな研究結果について、第44回日本臨床栄養学会総会(2022年10月7日~9日、いわて県民情報交流センター)で発表しました。

スケソウダラの速筋タンパク摂取による筋力増加に有効な摂取頻度と特に有効な栄養成分摂取状態の検討
日本水産株式会社 食品機能科学研究所 研究員 赤松 裕訓 (*2)

長野県東御市在住の22~64歳女性108名(*3)を対象とし、毎日摂取、2日に1回摂取、摂取なしの3群に分け、試験食品としてAPPを4.5g配合したフィッシュソーセージ、粉末スープ、およびちくわを用意し、各群の摂取頻度に合わせて自由に摂取してもらい、筋力を主要評価項目とし、摂取前、摂取4週間、摂取12週間の3回測定を行いました。
結果として、APP4.5gの摂取頻度が2日に1回でも、毎日の摂取とほぼ同等の筋力増加が認められました。

膝進展筋力の推移のグラフ

さらに、介入前の摂取エネルギー量で層別解析を行うと、APPは摂取エネルギー量が低い対象に顕著な効果を示す可能性が示唆されました。

ニッスイは、今後も水産物が持つ特徴的な機能に着目した研究を進め、その成果を活用して、人々の健やかな生活に貢献する商品の開発をすすめていきます。

注1:複数の研究機関で構成され、農林水産省管轄の『「知」の集積プラットフォーム』の「水産物由来成分を活用したロコモーション機能改善素材探索」研究開発プラットフォームに所属している、産学官連携の研究組織です。

注2:公益財団法人身体教育医学研究所、東御市立みまき温泉診療所、学校法人佐久学園佐久大学、日本水産株式会社による共同研究です。

注3:ニッスイは、長野県東御市と2020年9月、相互の連携および協力に関する下記の基本的事項について包括協定を締結しており、本研究は、下記「2」に関連する事項として実施しております。
1.スポーツ振興に資する食の取組に関する事項 2.市民の健康づくりに関する事項 3.経済・産業振興に関する事項 4.その他、目的を達成するために両者が必要と認める事項

以 上

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