「ニッスイグループTNFDレポート2025」を発行
2026年01月30日
株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 田中 輝、東京都港区)は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(*1))の枠組みに沿って、事業活動における自然への依存と影響、ならびに自然関連リスクと機会、それらへの対応策を整理した「ニッスイグループTNFDレポート2025」(以下「本レポート」)を1月30日に発行し、以下のウェブサイトにて公開しました。
TNFD提言への取り組み

ニッスイグループTNFDレポート2025
当社は2023年にTNFDレポートを初めて発行し、TNFD最終提言v1.0などを参考に自然関連課題の把握と事業戦略への反映、情報開示を進めてきました。
初回となる2023年度版では、TNFDの4つの柱(ガバナンス、戦略、リスクと影響の管理、指標と目標)に沿って、自然への依存と影響、リスクと機会を網羅的に整理し、TNFDに基づく情報開示の基盤を構築しました。
今回の本レポートでは、これまでの取り組みを踏まえ、当社グループの重点成長分野である養殖事業を対象に、評価の設計・分析範囲・検証性を高めることで、2023年度版から開示の範囲と深度を拡充しています。
■本レポートの主なポイント
1.養殖セクターガイダンスを参考に評価設計を高度化
2023年度版で整理した自然関連課題を基に、2025年度版ではTNFDの養殖セクターガイダンスに沿い、チリのサーモン養殖事業拠点におけるバイオーム(*2)の特定や、拠点周辺の自然の状態の調査・評価を実施しました。あわせてASC(*3)の認証基準なども参考に現地ヒアリングを行い、優先拠点別に自然への依存と影響、リスクと機会を整理しました。
2.バリューチェーンの上流から下流までを対象に分析範囲を拡大
2023年度版では主に事業活動全体を俯瞰した整理を行いましたが、2025年度版ではそれに加え、TNFDの養殖セクターガイダンスで示される養殖バリューチェーンの上流から下流(飼料製造、淡水養殖、海面養殖、加工)を対象に、LEAPアプローチ(*4)に沿った分析を行いました。
3.「鳥の目」と「虫の目」の2つのレンズで分析を深化
事業活動全体を俯瞰する分析(鳥の目)に加え、拠点レベルの分析(虫の目)では、オンラインツールのみに依拠せずに現地ヒアリングも行うことで、自然への依存と影響、リスクと機会をより精緻に把握しました。
4.評価の検証性の向上とセクター別指標の導入
ASC認証の審査レポートや環境アセスメントの記録を参照し、現地ヒアリングの内容と突き合わせて確認することで、養殖拠点の評価の検証性を高めました。また、TNFDのコアグローバル開示指標に加えて養殖セクター独自の開示指標に沿って開示項目を整理しました。
ニッスイグループは、「サステナビリティ行動宣言」において「環境負荷の低減および自然環境と生物多様性の保全」を掲げています。また、マテリアリティのひとつに「海洋の生物多様性の主流化」を位置づけ、海洋生態系を含む自然資本を事業や経営判断の前提として捉え、経営課題として体系的に取り組んでいます。
引き続き、本レポートで整理したリスクと機会に対する対応策を着実に推進するとともに、情報開示を通じてステークホルダーの皆さまとの対話を重ね、取り組みおよび開示内容のさらなる充実を図っていきます。
ニッスイは、今後も持続可能な社会に向けて価値を創造するサステナビリティ経営を一層推進し、ミッションである「健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい"食"の創造」を事業活動を通じて体現していきます。
*1 TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、自然関連財務情報開示タスクフォース)
民間企業や金融機関が、自然資本および生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し開示するための枠組み構築を目指す国際的な組織。
*2 バイオーム
熱帯雨林、外洋、砂漠、湖など、降雨量と気温のパターンなどに応じて生育する植物の種類によって区別される地理的領域を指す。
*3 ASC(Aquaculture Stewardship Council、水産養殖管理協議会)
環境と社会に配慮した責任ある養殖により生産された水産物を対象とする認証制度を運営する非営利団体。
*4 LEAPアプローチ
TNFDが企業や金融機関向けに開発した、自然関連のリスクと機会管理のための統合評価プロセス。Locate(自然との接点を発見する)、 Evaluate(依存と影響を診断する) 、Assess (リスクと機会を評価する)、Prepare(自然関連リスクと機会に対応する準備を行い報告する)の4つのフェーズで構成される。
以 上