中期経営計画説明会Q&A要旨

チリでのトラウトサーモン養殖事業については、加工場を増設して加工度 の高い商品を増産することで利益を拡大していく。
国内については、
（ぶり）大型生簀の導入と育種研究の継続、輸出量の拡大
（まぐろ）養殖会社 2 社のオペレーションの共通化による生産性の向上
（鮭鱒）育種による生産性の改善と岩手県大槌町での銀鮭養殖の開始
などで利益を積み上げていく。

極端な影響については現時点では出ていない。しかし状況が大きく変われば全産業に影響が及ぶので、日々注視している。

今年度の上期中には再編成のプランを策定し、来年度以降に実施したいと考えているが、完了するのは 2030 年度までかかることも想定される。生産機能のバランスを勘案して取り組んでいく。

概ねほとんどのお客様で受け入れられている。現時点では消費者の反応も落ち込んでいないと考えている。

2 月の値上げの部分に含まれていないコストアップ要因については規模を精査しており、相当な規模になると判明した時点で更なる価格変更や規格変更を検討する。当社の得意とするカテゴリーや商品において、お客様の支持を無くさないような施策を打っていくことで対応したい。

水産原料調達力が原動力になっている。ニッスイグループの機能をフル活用して優位に原料調達出来ていることが成長のベースになっている。北米では焼売などの現地生産によるアジアンマーケットへの強化に取組む。欧州ではフランスやイギリスに加えて、ドイツ・スペイン・ベネルクス 3 国などの新しいマーケットへの開拓のために、生産能力を増やして対応していくことを進めていく。

医薬品原料の拡大だけでなく、健康食品事業の通販での伸長なども貢献すると見込んでいる。高純度 EPA の欧州展開については承認に向けて準備を進めており、2024 年からの貢献を織り込んでいる。

水産事業は北米水産加工事業の生産性の改革などで苦戦からの回復を織り込む。食品事業については欧州向けでの M&A の効果による利益貢献などを含めている。

水産事業は相場の影響を受けやすいビジネスではあるが、養殖事業における「若ぶり」のように育種の技術的な尖りを持つ商品を作り続けていけば相場に打たれにくい状況を作れると考えている。養殖オペレーションの改善なども打ち手の一つである。食品事業は新しいカテゴリーへの取組みや海外事業へのシフトなどで収益を安定させる。ファインケミカル事業は EPA 供給サプライヤーとして世界的な地位を確立することで収益が安定する状況を作る。同事業のウェイトを高めていくことが会社全体の安定感を高める。加えてガバナンスやリスクマネジメントの強化を図ることで今よりも収益の安定した企業になれると考えている。

現時点では事業別の資本コストを明示することはできないが、成長性（売上高伸び率）と資本効率性（ROIC）を基にして今後の事業展開を議論してい く。

国内の食品事業については、より強いカテゴリーで商品力・生産能力を向上させて利益率を上げていく施策を強化する。様々な指標に照らした中で、成長性あるいは利益面で貢献できないと判断した事業については削減していくことも視野に入れている。

現時点で年間の償却費が 190 億円前後である。中期経営計画の 3 年間では600億円ほどを見込んでいる。

配当性向 30％以上を目指していく。