価値を高める高度な技術で、
魚をムダなく使い切る!

ニッスイは、貴重な海の資源である海産物を余すところなく利用する技術と
商品開発力を磨き、品質向上とコストダウンを実現します。

世界有数の取扱量を誇る、白身魚の「すりみ」

白身魚の「すりみ」は、ちくわやフィッシュソーセージ、かに風味かまぼこなど、さまざまな加工品の主原料で、日本はもとより世界各地で商品となり流通しています。その取扱量は、年間4万5千トンほど。白身魚は主にスケソウダラを代表するタラ類で、ベーリング海や北米北部などの生息海域で鮮魚を調達し、現地の加工工場で製造しています。

大きさ・太さ・柔らかさも違う大量の魚を余すところなくさばく

「すりみ」は、魚から頭・内臓・骨・皮などを取り除き、残った身の部分を洗いながらよく水にさらし、すりつぶしたもの。おいしさを損なわぬよう、新鮮なうちに素早く処理する必要があります。

専用の機械(ドレス処理機)で魚の頭を取り除き、背骨方向に搬送しながら開腹し、内臓と背骨の切除まで、連続的に行います。難点は、腎臓を取り除く際に頭部付近の肉も多くの切除されてしまうこと。個体差によって生産性がさらに低下してしまうのです。

ニッスイは、形状のばらつきや柔らかさが異なる大量の魚を自動的に処理できる装置を独自に開発し、工学的なアプローチを含め効率化に取り組んでいます。

限りある海の恵み。一尾の魚を最大限に活用するために

水産資源の持続性の観点からも、同じ量の製品がより少ない原料魚から製造できることが望ましいと考えます。そこで、装置の設計を見直し、カット装置を可変させることで湾曲したカットラインを実現。個々の魚の形状に合わせ、機械を可動させて、骨とともに取り除かれてしまう余分な身の切り落としを最小限にすることに成功しました 。

頭部付近にある腎臓は残存すると嫌な魚臭さなどの原因となり、品質が低下する恐れがあります。新カットラインは、腎臓を確実に取り除きつつ、残す身も最大化するという両方を実現する、実用可能な速度のなかでギリギリの位置を編み出しています。

毛髪と間違われやすい皮の混入のない良質な「すりみ」

独自開発した装置では、魚の皮も除去されます。皮は食べても害はありませんが、混入すると見た目が悪くなり、特に白身魚など腹膜が黒い魚種は商品に存在すると毛髪の混入と間違われることもあるからです。しかし、黒皮のみを排除するのは非常に困難。これまでは裏ごしで黒皮を含む肉ごと排除するのが一般的でした。

そこで、皮を取り除く機構の設計を変更。力の掛かる方向や形状、強度や歪みを解析し、検証を重ねることで原料魚の下処理時点で皮を取り除く方法を見出しました。装置の効果は、国内外のグループ・パートナー企業各社においても実証しています。

ニッスイは、余すところなく利用する技術と商品開発に力を注ぎ、商品の品質を高めることで、水産資源のさらなる価値向上に邁進していきます。

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