お魚レシピ集 Fish Kitchen

ひと手間が料理を美味しくする、だしの魅力

食材のもつ本来の味を引き立て、おいしさのベースをつくってくれるだし。日本の味の原点として、古来人々に親しまれてきました。上手にだしを取ることで、料理は格段に美味しくなる!でも、だしを取るのはちょっと面倒という方も多いことでしょう。そんな方には、簡単つくり置きテクニックや有効利用の裏技もレクチャー。それでは、奥深いだしの世界をのぞいてみましょう。

1000年前から親しまれてきた食文化

だしといえば、和食を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。「堅魚」(「かたうお」→「かつお」)や「昆布」という言葉が、古い公式文献に見られ、奈良時代にはすでに朝廷への献上品や税として納められていたことが記されています。日本人にとって、だしを取る行為は、古くからごく身近な習慣だったようです。

さらに時間を巻き戻すと、縄文時代には土器を使って、きのこ類、魚、貝などを煮る食習慣が生まれ、その時に出る煮出し汁の美味しさが認識されたと言われています。少なくとも1000年以上前から、だしが日本人に親しまれてきたと思うと、この食文化の伝統的な奥深さを感じないわけにはいきません。

近年のトピックスとしては、2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことがあげられます。和食の特徴である「うま味」を上手に活かし、素材のもつ美味しさを存分に引き出す調理。そのエッセンスであるだしの魅力にスポットがあてられたわけです。そうした流れを反映して、最近ではだし専門店やだしそのものを味わう"だしバー"なども登場。だしを活かした料理は海外からも注目されるようになりました。

豊富な種類、風味もいろいろ

一口に「だし」と言っても、素材によって種類や風味は様々です。かつお節、昆布、煮干し、魚介、干し椎茸、肉など、たくさんの種類があり、それぞれに特徴と独自の風味があります。相性の良い代表的な料理を紹介しましょう。

例えば、かつお節からとる和風だしは、香り豊かなすまし汁に最適。煮物や茶碗蒸し、めんつゆの定番でもあります。昆布だしは、何と言っても鍋物、煮物ですね。魚の香ばしい香りが魅力の煮干しだしは、煮物がおすすめ。最近は、ラーメンスープの素材としても注目されています。

だしは、海外にもあるのをご存知でしょうか。スープや調味料を思いうかべてみてください。欧米では、野菜と肉を煮込んだブイヨンや牛骨を使ったフォンドボーなど、肉を使った代表的なだしがあります。アジア系ではエビや鶏、豚骨などのだしが効いた料理が有名ですね。各国のだしに注目して、その国らしさに思いを巡らせてみるのも、楽しいのではないでしょうか。

手軽に本格だしを使うコツ

だしをしっかり取り美味しい料理をつくりたい。でも、面倒だからつい顆粒のだしで済ませてしまう。そんな方が多いのではないでしょうか。一度覚えたら意外と簡単です。難しく考えず、ぜひ、チャレンジしてみてください。

まず、シンプルに考えましょう。だしをとるのは、煮出して、取り出して、濾す、という3ステップ。最も面倒だと感じるのが濾す作業でしょうか。この作業は、ふきんの代わりにクッキングペーパーをざるに敷く方法がおすすめ。茶漉しやお茶パックで代替しても、作業がぐんと手軽になります。

また、作り置きするのも手軽にだしを使うコツ。一度にだしを大量にとって製氷皿で凍らせておけば、使いたいときに取り出して鍋にそのまま入れるだけでOKです。だしがらも、捨てるのはもったいないですよ。ふりかけや佃煮などにアレンジしたり、つくね団子やチャーハンの具材にしたり、いろいろ応用できます。お試しあれ!

だしを使った美味しいレシピ集はこちら!

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