生産ステージでの開発

「おさかなのソーセージ」-卵フリーとトクホの実現-

卵を一切使わないすりみで作った「おさかなのソーセージ」。カルシウムのトクホ(特定保健用食品(※1))の認定も受けています。卵アレルギーをお持ちの方にも安心してお召し上がりいただける、おいしく健康的な毎日の食生活を応援する商品です。

1931年、ニッスイの前身である日本魚糧株式会社が、初めて「フィッシュ・ソーセージ」を製品化・販売しました。
その後、お客様サービスセンターに多数お問い合わせいただいた「卵アレルギーの方のご要望」にお応えし、卵を一切使わない商品化を実現しました。

さらに、着色料をコチニール色素からトマトリコピン・くちなしの植物系色素に変更しました。

ポイント1. ニッスイ独自の技術で、素材であるすりみの品質をアップ

「おさかなのソーセージ」は、白身魚のすりみと植物性素材を主原料として作られています。

「すりみ」は、魚から頭・内臓・骨・皮などを取り除き、残った身の部分を洗いながらよく水にさらし、細かくすりつぶしたものです。

ニッスイでは、その「すりみ」の材料となる白身魚を北米のアラスカなどにある現地のグループ企業やパートナー企業と連携して、必要量を確保。
季節や環境の変化に関わらず、質量ともに安定したすりみの生産を実現しています。

さらに、従来のすりみには品質の安定のために、一部に卵を使っていました。
おいしさはそのままで、卵を使わないで製品化できるように、すりみのグレードをあげたり、配合を変更するなど約1年の試行錯誤を経て、「卵を使用しなくてもすりみの品質を安定させる」という独自の技術を確立。
卵を一切使用しない「おさかなのソーセージ」ができあがったのです。

卵を使用しないすりみ加工が行われている

ポイント2. 「使わない」「混入させない」生産・品質管理体制で、卵フリーを実現

すりみを作る工程での生産体制・検査

「おさかなのソーセージ」の主原料である、すりみをつくる工程では、卵由来物質(鶏卵及び鶏卵由来物質)が混入しない生産体制を確立すると同時に、製造したすりみには、卵が入っていないか検査を行っています。

すりみ以外のすべての副原料(調味料等)についての選定

製造している企業等にニッスイの担当者がお伺いして、卵由来物質の混入防止対策が確実に実施されているか、卵由来物質の混入の可能性がないかを確認した上で副原料を選定しています。

「おさかなのソーセージ」を作る工場

「おさかなのソーセージ」を作る工場では卵由来物質は一切使用していません。

さらに、定期的に使用するすべての主副原料について卵アレルゲン(※2)の分析を実施し、卵由来物質が混入していないかを確認しています。

このように、「卵が入った材料を使わない」「卵を混入させない」という万全の生産・品質管理体制をとっているからこそ、「卵を一切使っていません」という卵フリーの製品をご提供できているのです。

ポイント3. 原料の統一・品質の安定化により、トクホの認定を実現

「おさかなのソーセージ」は、消費者庁による「疾病リスク低減表示」が認められたカルシウムの特定保健用食品です。
「おさかなのソーセージ」には、1本(75g)で1日あたりの栄養素等表示基準値に占める割合の50%(350mg)のカルシウムが含まれています。

トクホ商品は関与成分(カルシウム)量が規格値を下回らないことが規定されているため、
上市(じょうし)(※3)するにあたり、複数ある生産工場の主副原料の統一を行い、品質の安定化を図りました。

着色料をトマトリコピン・くちなしの植物系色素に変更

「おさかなのソーセージ」に使用する着色料は、以前は動物由来のコチニール色素を使っていましたが、今はトマトリコピン・くちなしの植物系色素を使って着色しています。
変更にあたっては、ニッスイの作る「フィッシュソーセージ」の色調にこだわっていろいろな色素をテストした結果、自然由来のトマトリコピンとくちなしを利用することにしました。

リコピンはビタミンEの約100倍の抗酸化作用を持つ、トマトから抽出した色素です。
くちなしは、古来より漢方薬として利用されていた他、飲食物の着色料としても活用されてきました。

この2つの植物性色素を使って、これまで同様、フィッシュソーセージとしての自然な色合いの「おさかなのソーセージ」に生まれ変わりました。


  1. ※1特定保健用食品
    特定保健用食品とは、食品の持つ特定の用途を表示して販売される食品です。食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要があります。許可を受けた食品だけが「特定保健用食品」のマークを付けることができます。
  2. ※2卵アレルゲン
    「卵由来のたんぱく」のことで、卵白だけで40種類以上もの種類があります。
  3. ※3上市(じょうし)
    新製品の発売する際、市場(しじょう)の動向をみるために新製品を投入することを言います。