ニッスイの健康経営、2023年度の取り組み計画

2023年05月08日

株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)では、「健康経営 (*1)」宣言」(*2)に基づき2017年度より健康経営に着手して以来、本年度で7年目となりました。これまでの活動の結果、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄」に2019~23年の5年連続で選定されています。

昨年2022年度に着手した長期ビジョン「Good Foods 2030」では、主要な取り組みのひとつである「サステナビリティ経営推進」により、経済価値・環境価値・社会価値・人財価値の向上を目指しています。健康経営は人財価値向上の施策のひとつと位置づけており、2030年のありたい姿として、健康経営の実現、すなわち「一人ひとりが十分に能力を発揮できる姿」「従業員とその家族の生活の質の向上」の実現が会社としてのさらなる成果向上につながる状態となることを目指しています。
この長期ビジョン「Good Foods 2030」の「最初のレシピ」である中期経営計画「Good Foods Recipe1」(2022~24年度)では、個人に向けて「個人の健康促進」「私生活との両立支援」、職場に向けて「働きやすくやりがいのある職場づくり」に取り組んでいます。
2023年度も前年度同様「個人の健康促進」の施策として、「EPA(*3)/AA比(*4)の向上」「肥満率の改善」「喫煙率の低減」を引き続き実施します。
また、ニッスイグループ全体で健康経営を推進するため、2022年度に健康経営キックオフミーテイングを開催、各社ごとに2023年度の取り組み課題を設定しました。ニッスイと連携を取りながら取り組みを進めています。

(1) 「EPA/AA比」の向上
2016年度より、全従業員の定期健康診断の検査項目に、心筋梗塞・脳梗塞など循環器系疾患の発症との関連が示唆される指標であるEPA/AA比を取り入れ、全社平均0.4を目標値としています。ニッスイの主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPA(エイコサペンタエン酸)を社員の生活習慣病予防に活用する活動で、2023年度も継続して実施します。
EPAを多く含むニッスイ商品を無償で提供して、EPA/AA比の上昇に取り組む恒例の企画「EPAチャレンジ」は、本年度より参加条件を撤廃して誰でも参加可能として実施します。EPAを含むニッスイ商品が手軽に購入できる社内サイトも整備しました。また、魚食を推進する「お魚食推進キャンペーン」も継続実施します。

(2)肥満率の改善
ニッスイの従業員の肥満率はこの3年間漸減傾向にありますが、引き続き課題として取り組みます。
本年度は、昨年まで2回実施した「カラダ改善コンテスト」に代わり、運動習慣支援アプリ「Beatfit(ビートフィット)」を新たに導入し、これを使用して肥満率および生活習慣の改善に取り組みます。
Beatfitには12ジャンル700以上のクラス(コンテンツ)があり、運動のほか睡眠やストレスケアにも対応し、従業員は全員無料で使用できます。
このアプリの利用促進を図るため、4月17日から6月16日までの期間内にBeatfit内コンテンツの動画を再生すると、再生分数10分ごとに国連WFP協会(*5)に1食が寄付され、あわせてカフェテリアプランのポイントや抽選で賞品をプレゼントするイベント「ニッスイ食堂~あなたの運動が食料支援に!~」を実施します。

「ニッスイ食堂」実施告知

また、定期健康診断結果にもとづく産業保健スタッフによる保健指導の強化や、食堂を併設する事業所では食生活改善活動も実施します。

(3)喫煙率の低減
これまでの禁煙の取り組みによりニッスイ従業員の喫煙率は漸減傾向となっていますが、まだ全国平均より高い状況にあります。2023年3月より「365日就業時間禁煙化」を実施しており、これを継続していきます。

以 上


*1「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

*2 ニッスイの健康宣言(2016年制定)
従業員が「能力を十分に発揮できること」「従業員とその家族のQOL(生活の質)の向上」を目指して、従業員の心と体の健康を積極的にサポートすることにより、多様な人財が健康で能力を発揮できる環境を整備し、生産性向上につなげることを企図しています。

*3 EPA
EPA(エイコサペンタエン酸)はイワシなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種ですが、体内でほとんど生成できないため、毎日の食生活を通じて摂取する必要があります。
EPAは、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。
なおニッスイでは、肉中心の食生活を送る現代人に向け、肉の日(29日)の翌日の30日に青魚のEPAを摂取すること推奨し、バランスの取れた食生活を提案するため、毎月30日を「EPAの日」として一般社団法人日本記念日協会に登録、認定されました。

*4 EPA/AA比
健康を維持するEPAの機能はすでに多くのことが明らかにされていますが、今日、特に注目されているのが、EPAとAA(アラキドン酸)の体内バランスを示す比率「EPA/AA比」です。
AAは必須脂肪酸ですが、肉や植物油(リノール酸)の摂取に偏った食生活を続けていると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にするものです。一方EPAは、炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にします。
EPA/AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが発表され(九州大学大学院医学研究院による「久山町研究」、Atherosclerosis 231 (2013) 261-267)、EPA/AA比があらためて注目されています。

*5 日本におけるWFP国連世界食糧計画の公式支援窓口

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