「活じめ黒瀬かんぱち」を10月上旬より販売開始

2023年09月21日

 株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)のグループ企業で養殖事業を営む黒瀬水産株式会社(代表取締役社長 熊倉 直樹、宮崎県串間市)は、同社が養殖した「黒瀬かんぱち」の水揚げを10月2日に開始、10月上旬よりニッスイが「活じめ黒瀬かんぱち」として販売を開始します。
 同社は、本年6月1日ニッスイグループ企業のさつま水産株式会社を吸収合併、鹿児島県のかんぱち養殖場を継承していました。
 23年度は、出荷時3.5~4.4kgのカンパチ30万尾の水揚げを予定しています。

「活じめ黒瀬かんぱち」

 カンパチはブリと同じブリ属の魚で、国内での生産量は海産養殖魚としてはタイ・ブリに続く第3位に位置しています(農林水産省令和4年漁業養殖生産統計)。
カンパチはブリのような頻度では家庭の食卓に登場しませんが、寿司チェーンや量販店惣菜売場の寿司カテゴリーでは定番の魚のひとつとして取り扱われており、これらのチャネルは、若年層を中心に「食べたいから行く/買う」業態・カテゴリーとして今後も伸長が期待できます。
 ニッスイはこの市場に向けて、ブリ養殖で培った黒瀬水産の養殖技術やグループとして確立したサプライチェーンをカンパチ養殖にも活用し、ニッスイグループの国産養殖魚の拡販につなげます。

 2030年に向けたニッスイの長期ビジョン「Good Foods 2030」ではサステナビリティ経営を推進しており、養殖事業はニッスイのサステナビリティのマテリアリティ(重要課題)のひとつ「豊かな海を守り、持続可能な水産資源の利用と調達を推進する」を体現する事業です。
 養殖事業の役割はますます重要となっており、ニッスイはサステナブルな養殖事業を構築し、その規模拡大と新たな取り組みの推進により、社会課題を解決するとともに、市況による業績変動を抑えた水産事業への転換を図っていきます。
 「活じめ黒瀬かんぱち」の特徴は以下のとおりです。

■育成環境
・鹿児島県鹿屋漁場(同県鹿屋市)および東シナ海に面した笠沙漁場(同県南さつま市)で育成しています。水深が深く育成に適した環境です。
・同社の養殖する「黒瀬ぶり」と同様に、給餌時には海面に浮かせて平時は海中に沈める「浮沈式生け簀」を導入しています。表層水の変化の影響を受けにくく、カンパチにとってストレスのない環境を維持しています。荒天時にも海中に沈めることにより風雨の被害が回避できます。

■種苗
・当面は20%を人工種苗としますが、将来的には100%人工種苗を目指します。

■飼料
・カンパチ養殖では珍しく、稚魚を漁場に導入して以降水揚げまでの間、エクストルーダー・ペレット(EP)で育成しています。
・EPは、従来のカンパチ養殖で使用される生餌・モイストペレットと比較して生け簀の中で摂餌されやすく、余剰飼料による漁場海域への影響が低減できます。
・使用するEPは、養殖魚の育成段階にあわせて成長に必要な油分やタンパク質などを配合して設計しています。しっかりと脂がのった、もっちりとした食感の肉質に仕上げています。生臭さもありません。
・黒瀬水産では、養殖に使用する飼料原料の履歴を管理しています。

■健康管理
・ニッスイ中央研究所が開発した、養殖魚の健康を管理する「N-AHMS®」(Nissi Aquaculture Health Management System、ニッスイ養殖魚健康管理システム)を導入して、高品質で健康なカンパチの育成に取組んでいます。

■加工
・2022年11月に竣工した最新鋭の鹿屋市漁業共同組合加工場で加工しています。
・水揚げから最速3時間でフィレ製品の出荷が可能です。
・加工ラインは一方向の直線に設計されています。建物はフードディフェンスに対応しています。

商品名 「活じめ黒瀬かんぱち」
出荷形態 活魚・ラウンド・フィレー(カマつき・カマなし腹骨なし)・ロイン(皮つき・皮なし)
出荷温度帯 チルド
販売業態 外食(宿泊施設・酒類提供店・すしチェーンなど)・量販店水産売場
発売日・発売地域 2023年10月上旬より全国で発売

【黒瀬水産株式会社 会社概要】
本社所在地:宮崎県串間市西浜2丁目15番地4号

代表者:代表取締役社長 熊倉 直樹
設立:2004年1月8日
資本金:4億9,800万円
株主:株式会社ニッスイ100%
事業内容:ブリ・カンパチなどの養殖・加工・販売
事業所:本社・加工場・養殖場(宮崎県串間市)、延岡事業所(宮崎県延岡市)、
    内之浦事業所(鹿児島県肝属(きもつき)郡)、鹿屋事業所(鹿児島県鹿屋市)、
     笠沙事業所(鹿児島県南さつま市)、頴娃(えい)種苗センター(鹿児島県南九州市)

以上

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