黒瀬水産㈱が参加するサブ課題「動物性タンパク質(水産物)の次世代養殖システム構築」のコンソーシアムが内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」の委託先に採択

2023年12月04日

 株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)のグループ企業でブリおよびカンパチの養殖事業を営む黒瀬水産株式会社(代表取締役 熊倉 直樹、宮崎県串間市)が参加する「次世代養殖システム共同研究機関コンソーシアム」(以下「本コンソーシアム」)が、内閣府が実施し生物系特定産業技術研究支援センターが研究推進法人を務める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/豊かな食が提供される持続可能なフードチェーンの構築」(*プログラムディレクター:株式会社J-オイルミルズ 取締役常務執行役員 松本 英三)におけるサブ課題「動物性タンパク質(水産物)の次世代養殖システム構築」の委託先に採択されました。黒瀬水産株式会社は、サブ課題のうち研究テーマ「養殖事業拡大のための大規模養殖技術の高度化」(以下「本プロジェクト」)に参加します。

 本コンソーシアムは、国立研究開発法人 水産研究・教育機構(理事長 中山 一郎、神奈川県横浜市)を代表機関とし、黒瀬水産のほか日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長 石倭 行人、東京都品川区)などが参加機関となって構成され、産学が協働して高い生産性と競争力のある養殖業の実現に向けて研究開発に取り組みます。

■背景
 わが国の漁業生産量はこの30年間は緩やかな減少傾向にあり、その2割強を占める養殖業生産量も漸減傾向にあります。天然水産資源の状況や環境の影響を受けやすく不確実な漁業生産に対して、量・質ともに比較的安定した生産が可能な養殖業に期待が集まっていますが、既存養殖生産技術では生産性に限界があるため、ICT の活用 や沖合域への展開などの技術革新が求められています。

■本プロジェクトの概要
 本プロジェクトでは、養殖生産量を拡大し、コストを削減して高い生産性と競争力を有する養殖業の実現に向けて、ICT・AIを活用した給餌や養殖魚の飼育管理を最適化・自動化し、未開拓の沖合海域でも展開が可能な次世代型養殖システムを開発します。

次世代型養殖システム全体像

●コンプレッサー・サイロなどで構成される陸上に設置した給餌設備から、3~5km先に沈下している大型いけすに気流搬送した飼料を、水中吹き込み式で給餌します。その際、ICT・AIを活用した飼育管理システムと統合することで、陸上からの遠隔操作による自動給餌システムを構築します。
●沖合海域は波浪の影響を受けやすく、特定の海域では給餌船が出航できずに給餌ができない日が年間40日以上ありますが、本システムにより荒天時でも計画的な給餌が可能となります。
●従来の給餌船を使用した人的作業による給餌と比較して、作業の安全性が向上するとともに、給餌船の使用が大幅に削減でき、A重油消費に伴うCO2排出量の削減につながります。

陸上給餌設備

■事業期間と計画
2023~27年度の5年間を事業期間とします。
・1~3年目に、システム全体の設計、水中吹き込み技術などの確立
・3~5年目に、上記システムの設置と実証試験・改善

 ニッスイでは、2030年に向けた長期ビジョン「Good Foods 2030」の施策として、事業ポートフォリオマネジメントとサステナビリティ経営の強化に取り組んでいます。その重点成長領域のひとつに養殖事業があり、事業の安定性の確立や規模拡大などにより持続的な成長を企図しています。
 本プロジェクトの成果が、海洋環境や生態系への負荷を軽減したサステナブルな養殖の実現や、効率的・合理的な操業による労働環境の改善などにつながることを目指して取り組み、わが国養殖産業の持続的な成長につながることを期待しています。

【黒瀬水産株式会社 会社概要】
本社所在地:宮崎県串間市西浜2-15-4
代 表 者:代表取締役社長 熊倉 直樹
設 立:2004年1月8日
資 本 金:4億9,800万円
株 主:株式会社ニッスイ100%
事 業 内 容:ブリ・カンパチなどの養殖・加工・販売
事 業 所:本社・加工場・養殖場(宮崎県串間市)、延岡事業所(宮崎県延岡市)、内之浦事業所(鹿児島県肝属(きもつき)郡)、鹿屋事業所(鹿児島県鹿屋市)、笠沙事業所(鹿児島県南さつま市)、頴娃(えい)種苗センター(鹿児島県南九州市)

以 上

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