「食卓から魚が消える日」を迎えないために
豊かな海を守る取り組み

水産資源の持続的利用により、
ニッスイは世界で拡大する水産物需要に応えています。

世界的に魚の需要が増加↑

世界的な健康志向の高まりとともに、世界における魚の消費動向は、右肩上がりに増加しています。一方、漁業の生産高は1980年代後半以降、横ばい傾向。養殖業の増加分がプラスとなり供給の増加分を賄っています。

世界の漁業・養殖業生産量の推移図

Source:令和2年度水産白書

漁業による生産量は横ばい。一部では水産資源の枯渇化も

漁獲できる水産資源は減少傾向にあることは、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書でも問題とされており、魚種によっては枯渇の危険に晒されているものもあると言われています。

世界の海洋漁業資源の動向図

Source:令和2年度水産白書

世界の海洋水産資源の動向を見てみると、2017年時点では適正レベルまで漁獲されていない安定した状態にある資源はわずか6%で漸減傾向にあり、漁獲が適正レベル上限まで漁獲されている資源が60%、過剰に漁獲されている資源が34%でした。この現状に「食卓から魚が消える日が来る」と警笛を鳴らす有識者もいます。

海にやさしい「水産エコラベル」

今後も、持続的に水産資源を利用していくにはどうしたらよいか、その解決策として始まったのが各種認証制度です。
その中の1つである、MSC認証は、MSC(海洋管理協議会)による持続可能な漁業と水産物に対する国際的な認証プログラムで、適切な水産資源管理が確認された漁業で獲られ、トレーサビリティも確保された商品にのみ認められるものです。ニッスイはアラスカのスケソウダラのほか、複数の漁場魚種でMSC認証を取得しています。MSC「海のエコラベル」付きで店頭に並ぶ製品は、水産物の加工・流通の過程でも厳しい審査が行なわれています。

MSCマーク

MSC-C-51733

一方、国内での認証制度としては、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)があります。水産資源の持続的利用や生態系保全に資する活動を積極的に行っている生産者や加工・流通業者などを対象にした認証で、ニッスイグループの弓ヶ浜水産(株)は、2019年、国内ギンザケ養殖・加工品で初のMEL認証を取得し、グループの金子産業(株)では、クロマグロおよびマダイのMELの養殖認証規格を取得しています。

マリン・エコラベル・ジャパンロゴマーク

養殖なら環境問題も資源問題も解決できる!?

養殖は、水産資源の枯渇を防ぐことができる持続可能な手段として、注目を集めています。しかし、養殖が万能な解決策というわけではなく、養殖が急速に増加したことによって、餌による水質汚染、生態系のかく乱、生餌など他の資源の使用、過度な抗生物質の使用、過酷な労働環境など、養殖にも様々なリスクがあることが問題視されています。

そこで、持続可能な養殖業を行うための認証制度も誕生しました。ASC認証は水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)による認証プログラムで、養殖業が持続可能な方法で運営され、周辺の自然環境や地域社会への配慮が行われている「責任ある養殖水産物」であることを証明するもの。ニッスイグループでは2017年、黒瀬水産㈱「黒瀬ぶり」が世界で初めて養殖ぶりのASC認証を取得。トラウト・銀ザケ養殖のグループ会社、サルモネス・アンタルティカ社(チリ)が2019年にASC認証を取得しています。

ASC認証マーク

ASC-C-02284

写真

2019年に養殖トラウトのASC認証を取得したサルモネス・アンタルティカ社(チリ)の「FIVE STAR」ブランド

ニッスイグループ調達品の資源状況を調査(第2回)

海の恵みを受けて事業を営む、ニッスイグループ。私たちが調達している天然水産物は、原魚換算で約271万トン(世界天然水産物漁獲量の2.7%)にのぼります。グループ(国内21社、海外20社)における調達品の資源状況を把握するため、2016年の第1回調査に引き続き2019年の天然魚の取引実績をもとに第2回資源調査を実施しました。

今回の調査は、魚油・配合飼料も調査対象に加え、調査結果は第三者外部機関SFP(Sustainable Fisheries Partnership)*に送り、評価判定を受けました。

結果、71%は「優れた資源管理」もしくは「資源管理されている」状態であることがわかり、一方で8%が改善を要するもの、21%がスコア欠損のため資源状態が判定できないものでした。また、「水産エコラベル」等の認証品は、全漁獲量の約51%でした。

世界の海洋漁業資源の動向についての円グラフ

*SFP:持続可能な漁業のためのパートナーシップ、サプライチェーンで漁業改善を推進する米国NGO
SFPが管理する国際的な資源評価データベース「FishSource」では資源状態、漁業管理体制など下記5項目を各々10点満点でスコア化。この評点のもとODP(Ocean Disclosure Project)が定める方法により4段階で資源管理状態を判定しています。

持続可能な水産資源を、未来の子どもたちにも届けたい

ニッスイでは、調達水産物のうち「絶滅危惧種」と「管理状態について評価不能と判定された魚種」を特に課題と考え、認証品への切り替えなどを推進するとともに、持続性が確認できるものを選択するだけでなく、資源状態の改善活動への積極的な関与や、魚種の特定が困難な品目のトレーサビリティの確保から、資源状態の把握に繋げる改善プロセスへの取組みを進めます。

海に囲まれた島国、日本の食卓には今も昔も魚が当然のようにあります。日本人の味覚に適し、栄養も豊富な資源を、未来の子どもたちにも届けたい。ニッスイは水産資源の持続的利用を可能にする漁業、養殖業を続けながら、海に地球にやさしい商品づくりに取り組みます。

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