「食卓から魚が消える日」を迎えないために
豊かな海を守る取り組み

水産資源の持続的利用により、
ニッスイは世界で拡大する水産物需要に応えています。

世界的に魚の需要が増加↑

世界的な健康志向の高まりとともに、世界における魚の消費動向は、右肩上がりに増加しています。一方、漁業の生産高は1980年代後半以降、横ばい傾向。養殖業の増加分がプラスとなり供給の増加分を賄っています。

世界の漁業・養殖業生産量の推移図

資料:FAO「Fishstat(Capture Production、Aquaculture Production)」(日本以外の国)及び
農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(日本)に基づき水産庁で作成
出典:水産庁「平成29年度 水産白書」

漁業による生産量は横ばい。一部では水産資源の枯渇化も

漁獲できる水産資源は減少傾向にあることは、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書でも問題とされており、魚種によっては枯渇の危険に晒されているものもあると言われています。

世界の海洋漁業資源の動向図

出典:FAO. 2018.「The State of World Fisheries and Aquaculture 2018 - Meeting the sustainable development goals.」を基に当社加工

世界の海洋水産資源の動向を見てみると、安定した状態にあるのはわずか7%、漁獲が満限利用の状態が60%、過剰に漁獲している状態が33%でした。この現状に「食卓から魚が消える日が来る」と警笛を鳴らす有識者もいます。

海にやさしい「水産エコラベル」

    

今後も、持続的に水産資源を利用していくにはどうしたらよいか、その解決策として始まったのが各種認証制度です。
その中の1つである、MSC認証は、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)による持続可能な漁業に対する認証プログラムで、国際的なトレーサビリティと、適切な水産資源管理が確認された商品にのみ認められるものです。ニッスイはアラスカのスケソウダラのほか、複数の漁場魚種でMSC認証を取得しています。MSCマークを付けて店頭に並ぶ製品は、水産物の加工・流通の過程でも厳しい審査が行なわれています。

MSCマーク

MSC-C-51733

一方、国内での認証制度としては、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)があります。水産資源の持続的利用や生態系保全に資する活動を積極的に行っている生産者や加工・流通業者などを対象にした認証で、ニッスイグループの弓ヶ浜水産(株)は、2019年、国内ギンザケ養殖・加工品で初のMEL認証を取得し、グループの金子産業(株)では、クロマグロおよびマダイのMELの養殖認証規格を取得しています。

マリン・エコラベル・ジャパンロゴマーク

養殖で、環境問題も資源問題も解決できる!?

養殖は、水産資源の枯渇を防ぐことができる持続可能な食料生産の手段として、万能のイメージがあるかもしれません。しかし、養殖が急速に増加したことによって、餌による水質汚染、生態系のかく乱、生餌など他の資源の使用、過度な抗生物質の使用、過酷な労働環境など、養殖業にも様々なリスクがあることが問題視されています。

そこで、持続可能な養殖業を行うための認証制度も誕生しました。ASC認証は水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)による認証プログラムで、養殖業が持続可能な方法で運営され、周辺の自然環境や地域社会への配慮が行われている「責任ある養殖水産物」であることを証明するもの。ニッスイグループでは2017年、黒瀬水産㈱「黒瀬ぶり」が世界で初めて養殖ぶりのASC認証を取得。トラウト・銀ザケ養殖のグループ会社、サルモネス・アンタルティカ社(チリ)が2019年にASC認証を取得しています。

ASC認証マーク

ASC-C-02284

写真

2019年に養殖トラウトのASC認証を取得したサルモネス・アンタルティカ社(チリ)の「FIVE STAR」ブランド

ニッスイグループの調達品の資源状況を独自調査

海の恵みを受けて事業を営む、ニッスイグループ。私たちが調達している天然水産物は、原魚換算で約150万トンにのぼります。グループ(国内28社、海外16社)における調達品の資源状況を把握するため、2016年の天然魚の取引実績をもとに資源調査を行いました。調査の結果、88%は資源状態の心配がなく、うち37%は「水産エコラベル」の認証品であることが判明しました。

世界の海洋漁業資源の動向についての円グラフ

2030年までにニッスイが目指す姿

グループの調達品資源調査において「心配ある」「不明」との結果が出た魚種については再調査を実施。8.8%が「漁業管理の有無が不明な魚種」となりました。これらは資源回復計画や漁獲制限、資源管理の徹底などを加味しつつ、状況に応じて取り扱いを削減・中止していき、2030年までにニッスイグループの調達水産物について持続性が確認されることを目指しています。

海に囲まれた島国、日本の食卓には今も昔も魚が当然のようにあります。日本人の味覚に適し、栄養も豊富な資源を、未来の子どもたちにも届けたい。ニッスイは水産資源の持続的利用を可能にする漁業、養殖業を続けながら、海にやさしい商品づくりに取り組みます。

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