チリのトラウトに関するドルベースでの輸出価格は、2012年度に底値になったものが2013年は右肩上がりとなり、2014年も堅調だったが、今年の初めから下がってきて、現在は大変厳しい状況であり、2012年の底値に近いところまで来ている。
一方、日本の輸入統計の鮭鱒の価格動向をみると、基本的にはチリの輸出統計と同じような動きをずっとしているが、円安の要素もあって、ドルベースでの価格が落ちたほど日本の価格は落ちていない状況である。
当社の買い付けも6月ぐらいから徐々に価格を上げており、S.A.社のアメリカ向けのフレッシュも上げている。
チリの鮭鱒養殖の競争相手はノルウェーなどがあるが、北欧とチリを比べると養殖環境は北欧に優位性があり、チリは競争力に欠けている面がある。魚病についても北欧は魚病の退治がかなりできているが、チリはまだできていない。
チリの鮭鱒養殖事業の赤字拡大を縮小するための方法としては、生簀の中の魚の密度をもう少し粗放的にしてストレスを少し弱めることで、経済性は少し落ちるが、魚病の発生を抑えるなどの打ち手を考えている。