2016年3月期第2四半期決算 決算説明会Q&A要旨

2015年11月13日開催

Q

鮭鱒価格が軟調に推移してきたなか、足下の状況と今後の考え方、変動要因等で気を付けておくべき点等があれば教えて欲しい。

A

チリのトラウトに関するドルベースでの輸出価格は、2012年度に底値になったものが2013年は右肩上がりとなり、2014年も堅調だったが、今年の初めから下がってきて、現在は大変厳しい状況であり、2012年の底値に近いところまで来ている。
一方、日本の輸入統計の鮭鱒の価格動向をみると、基本的にはチリの輸出統計と同じような動きをずっとしているが、円安の要素もあって、ドルベースでの価格が落ちたほど日本の価格は落ちていない状況である。
当社の買い付けも6月ぐらいから徐々に価格を上げており、S.A.社のアメリカ向けのフレッシュも上げている。
チリの鮭鱒養殖の競争相手はノルウェーなどがあるが、北欧とチリを比べると養殖環境は北欧に優位性があり、チリは競争力に欠けている面がある。魚病についても北欧は魚病の退治がかなりできているが、チリはまだできていない。
チリの鮭鱒養殖事業の赤字拡大を縮小するための方法としては、生簀の中の魚の密度をもう少し粗放的にしてストレスを少し弱めることで、経済性は少し落ちるが、魚病の発生を抑えるなどの打ち手を考えている。

Q

国内の食品事業が好調(特に加工)だが、その理由と今後の見通しについて教えて欲しい。

A

期初に予想されたのは、前年との比較で円安により調達コストが上がることとすりみの価格に代表されるように原材料コストが上がることだった。このようなコスト増加要因が予見された一方、昨年度からコスト削減努力とともに価格改定の取組もやってきた。
下期の計画の中で織り込んでいるのは、為替の影響とすりみの価格上昇によるコスト増加であり、これをコストダウン等の努力でカバーしていく。為替も最近では122円~123円位になっており、下期は上期ほど楽観できない面もあり、前年比で見たときはニッスイ個別の下期の利益は前年並みという見方をしている。

Q

食品事業の国内グループ会社の状況について、少し詳しく教えて欲しい。

A

上期のグループの状況は、ニッスイ個別が8億円、国内の工場中心に7億円、チルド関係で5億円、海外で5 億円となり、合計で25億円の増益になっている。個別も含めて平均して良かったが、個別の売上が良かったことで、国内の生産工場の生産数量が安定し、コストダウンも含めて7 億円位の利益になった。
チルドでは、お弁当やおにぎりなどを作っているが、売上の増加により、利益面でも5 億円の増益になった。
海外は原料であるえびのコストが下がったので、北米の会社が利益を伸ばした。

Q

食品事業の来期の見通しについて、今期の営業利益をベースに更に増益を見込んでいると考えて良いのか?

A

利益率については、以前利益率が低すぎるのではないかとのご指摘もあったが、生産工場も含めて大きく損をする会社がなくなってきたので、今期のベースでやっていきたい。

Q

キャッシュフローが改善しているが、運転資金などで特に工夫していることがあれば教えて欲しい。

A

前年度と比べると運転資本で大きいのは、海外のグループも含めて、在庫の管理、在庫の圧縮に徹底して取り組んできたことである。ニッスイ個別だけでなく海外についても、在庫を削減したことでの収益の安定化を事例に挙げてグループに訴えかけており、これがグループの中でも浸透しつつある。

Q

水産の在庫管理が進んでいるようであるが、直近の在庫シーリングの推移はどうなっているか?
また、海外の在庫シーリングも日本と同様に進んでいるのか?

A

今年度は期初から相場は下がると考えていたため、売上が減少するという年度計画にした。世界の主要な魚は全部ドルベースで下がったが、日本は為替が円安に動いたために例外的に相場が維持されているというのが現状である。
このような状況下で、調達する際に注意して検討するとともに、在庫管理についても、できていない場合はなぜできないのか突き詰めていくことを繰り返し行っている。
在庫シーリングについては、現物在庫を翌月に売るように努めており、これにより在庫の回転率が良くなっている。
海外については、各々の環境があるので、個別と同じシーリングを採用しているわけではないが、各社に働きかけており、基本的には良い方向でニッスイグループ全体の在庫量も下がっている。できていないところもあり、さらに進めていきたいと思っている。

Q

TPPは国家戦略として輸出を進める政策だが、ニッスイとしてどう考えているのか?
輸出を考えた場合、ニッスイとしては養殖魚だけでなく、近海魚にもチャンスはあると考えているのか?

A

和食というものがとても世界中でブームを起こし始めている。ミラノでも日本館が10時間待ちぐらい並んだと聞いている。私どもとしてはチャンスであると思っており、例えばぶりは海外にも販売し始めており、こういうところからどんどん広げていきたい。
現在海外向けの輸出で取り組んでいるのは、ASEAN各国向けで、まだ結果はあまり出ていないが、東南アジアのタイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、香港などに広げていこうとしている。あと、日本からの輸出だけでなく、各国で作っているものをその国で販売を拡大するというようなことは大きな目標として持っている。
また、輸出の対象は養殖だけでなく、グループ会社で漁業もやっているので、漁業についても輸出の可能性はある。

Q

北米事業は上期好調にも関わらず、下期は水産・食品とも前年比減益となっており、理由を教えて欲しい。

A

北米が下期同士で比べると昨年より悪くなっているのはなぜかという点については、まず水産の方では、一つにはヨーロッパも含めフィレの価格が昨年と比べて一層悪化しているという要因がある。すり身は順調に上がってきたが、フィレの価格が厳しく、昨年ほどの利益が期待できないのではないかという見方をしている。
食品については、業務用の冷凍食品会社は利益をきちんと出せるようにな ってきているが、家庭用の冷凍食品会社がカナダでライバルにシェアを取られたりするなど、昨年と比べるとやや厳しい状況があるというのが今回の見方である。

Q

FC事業は下期も横ばいで計画されているが、ジェネリックの影響をどう考えているのか?

A

昨年は売上ベースでみると、上期が良くて下期が悪かった。実際はジェネリックの影響は上期で既に出ており、販売数量は減少していたが、先行して販売していたのでその調整が下期にあり、下期が悪くなったという構造である。これを前提に前年と比較すると、今年度は上期は悪くなっているが、前年のような在庫調整が下期にはないので、下期は前年よりは良くなると見込んでおり、概ね横ばい程度と考えている。

Q

機能性表示食品は、マルハニチロが先行して発売を開始しているが、ニッスイとの差はどこにあるのか?
また、ニッスイはいつ頃販売をスタートするのか?

A

機能性表示食品については、冷凍食品や缶詰、ソーセージも含めて、12種類販売するということで、消費者庁に申請しているが、他社様含め申請が多いことに加え、マルハ様より当社の申請自体が後だったこともあり、その差が出ている。消費者庁からの依頼事項への対応も一旦完了しており、後は待ちの状態になると見ている。

Q

北米の来年のすけそうだらの漁獲枠はどうなるのか?

A

北米の資源調査が終わり、資源的には非常に良い状況で、今年と同じ程度の130万トン前後だと考えている。